§5-1-11・そして米中貿易紛争の2019年〜ry(その2)…米中激突と米国圧勝(눈‸눈)

…続きです。

いよいよ大本命の米中貿易物品紛争に関して詳細に検討してみますm(_ _)m


2019年11月現在(この文章執筆時)、米国と中国は俗に米中物品貿易戦争と言われるような状況に陥っています。主に米国が中国からの輸入物品に高関税をかけ始めたことに端を発します。では中国と米国の物品貿易を見てみましょう…m(_ _)m


中国→米国 (=米国輸入額)…約56-60兆円

米国→中国 (=米国輸出額)…約15兆円


よって2018年度は米国の対中物品貿易赤字は約40兆円以上になります。大体、韓国の国家予算程度です。勿論、米国最大の赤字額で、米国の『経常収支』における赤字のほぼ75-80%がこの中国との物品の赤字が原因と言えそうです。


これでは確かに米国も発狂するでしょう。トランプさんもこの額を問題視していて、対中国関税引き上げを実施。これを契機として中国景気の悪化と将来不安から2018年7月以降、中国だけでなく世界景気自体が急激に冷え込んでいきました。しかも米中の世界覇権を賭けた政治問題にまで発展してしまったために、当初は…


トラ「赤字減らせば勘弁してやる( ー`дー´)キリッ」


…程度だったものが、議会やホワイトハウススタッフからの激烈な圧力に晒され、安易な妥協一つ出来ない状況になってしまいました。政治の失敗例です。

てか、やぶへび…┌(_Д_┌ )┐


互いにメンツと国益が絡んだ結果、妥協も出来ずに一年以上も長引き、当初、2018年7月の約4兆円程度の機械製品への25%の課税程度だったものが、結局、ほぼ全ての対米輸出品に関税をかけると言い出し(この文章執筆時は2019年11月のため、最終的な結果はまだ出ていません)ただけでなく、関税率までもっと引き上げると言い出す始末。

課税対象は最大でも100%ですが、関税率は天井知らずなため、今後、さらに悪化する可能性もあります。終わりが見えません…(涙


  ※     ※     ※


当初、米中貿易問題は物品に関する事柄だけで大したこと無いと言われていました。

関税率から換算した米中双方の対GDP比における損失額はせいぜい0.1〜程度、悪くても1%を超えることはないとされていて、大きな影響はないとされていました。確かに大きな悪影響はまだ出ていません。それは米国の指標から読み解けます。


米国の19年度予想成長率は(Jetroの2019年10月発表の予想値)大体、2.4%前後に落ち着くのではないかとされています。これは前年比▲0.5ポイントという、やや大きな下落ではありますが通年の平均値程度であり、前年の成長率が強すぎたからの数字と言えなくもありません。実際、株価は政治に翻弄されながらも上昇基調が2019年まで続きます。2019年11月4日にはNYダウ最高値(27,462.11ドル)みたいな数字が出てました…Σ(゚Д゚)?!スゴー


ちなみに、この年の株式のトレンドは「噂で買って、現実で売り」でした。


米中貿易問題に絞れば、問題解決への期待や良いウワサによって株価は上昇し、実際にはその期待が裏切られて売りが出る…の繰り返しです。また株価の上昇も「良い」から上がるだけでなく「予想値は凄く悪かったが、実数はそんなに悪くない」という「マイナス幅が狭い」だけで株価が上がることもよくありました。


なんじゃいな、ソレ… ┐(´ー`)┌

実にビミョーですね…(;¬ω¬)??


それでも、いまのところは「良い」と言えます。他にもいくつかの重要な景気動向先行指数も総じて「良い」もしくは「悪くない」です。


例えば、米国の中小企業株を取り扱う市場の指数(←特に株価暴落を予想するのによく使われる)・「ラッセル2000」を見ると、2018年12月クリスマス直前に底(1267前後)を打った後、急回復の後、高値安定のままです。


これには特殊要因もあって、現在の世界的なマイナス金利によって国債の旨味が少なくなり、会社も社債を発行しやすくなる(国債よりも金利が高い社債を買ってくれる金融機関が増える。しかし現在、社債が多すぎてヤバイという指摘も続出中ですが…)し、債権から証券へという「リスクオン」の環境であること等も要因でしょう。


それでも、なかなか良い感じです。

ちな、この指標がピークアウトした時には危険です。今のところ、まだ大丈夫というしかないのですが…(^o^;


他にも新規住宅着工指数・中古住宅販売指数などもそうです。

これらは季節変動が大きいものの個人消費や雇用、つまり消費者の景況感を見るのによく使われる重要な指数です。これを見てみると上下を繰り返していますが堅調で、むしろ過去数年間の伸び悩みから脱しつつあるほどです。米国の低金利の恩恵もありますが、労働市場が底堅く、消費は堅調ということでしょう。


これらの指標の好結果は、トランプさんの圧力に屈した(としか思えない)FRBの年三回の利下げ効果も大きいように思います。本来、前年2018年の成長率が2.9%にも達していれば、普通は「利上げ」です。過度なインフレを抑圧するためですが、トランプさんが…


トラ「下げろ(# ゚Д゚)!」


とツイッターで吠えまくったおかげか、「(景気悪化の)予防的措置」という事で金利を下げました。この結果、景気刺激と同様の効果が望めたのは事実です。そのためなのか、むしろ中国などからの輸入が増加傾向になる時もありました。関税上乗せ前の駆け込み需要とされています。逆効果でしたね…(^m^)


ただし、不気味な動きがあるのも事実です。

同じように極めて重要な指標にアメリカISM製造業景気指数・ISM非製造業景気指数というのがあります。


ぶっちゃけ「どう、儲かってまっか?」的な街中の景況感を購買担当者(PMI)たちに聞いた値で、平均値が50、これを下回ると景気悪化のサインとされています。発表が他に先駆けて早い事などから景気の先行指数(特に雇用統計の先行指数)とされ、また米国10年物国債との連関性が高いとされている指標ですが、2019年夏以降、下落気味です(爆)。ついにこの夏、50以下に下がっちゃいました(笑)。しかも米国の設備投資は減っています。これは深刻です。


勿論、単なる季節変動等の一時的な要因かもしれませんし、世界的にもこの時期は不景気感タップリだったので今後、持ち直すかを注視する必要はありますが、今の段階(2019年11月末)では「まだなんとも言えない」という状況です。結論はしばらく持ち越しですが、不安が残ります。


一応の総論として、良くもあり悪くもあるけど「底力はありそう」です。大不況になってもアメリカだけは生き残りそうな予感がする…ということです。



  ※     ※     ※



他方、よく判らないのは中国です。指標を見ると「決して悪くない」のです。

例えば2019年9月の段階でも外貨準備高は300兆円もあります。これは「資金不足で米ドルを取り崩した訳ではない」ということですし、2018年国内総生産(GDP)を従来発表値を2.1%上回る91兆9300億元(13兆0800億ドル)に上方修正しています(ロイター伝)。


これだとおよそ6.2%前後の経済成長率があると見込まれ、従来の6.8%前後に比べれば低いものの「許容範囲」です。前述のJetro配布の資料でも2019年は6.1%の成長率が想定され(中国配布の資料から類推と思われ…)、ならば彼らにとっても防衛線である「成長率6%割れ」は阻止できると考えられています。


しかし、中国の国家統計を鵜呑にするバカはいないでしょう…。


まず外貨準備高に関しては、中国中央銀行の保有分は1兆1024億ドル(2019年9月。日本に次いで第二位の保有額。同期日本は1兆1458億ドル)…大体120兆円前後とされ、残りは民間金融機関にあるとの事ですが、この数字もどこまで信用できるか未知数です。

てか、民間金融機関の会計と一緒にして「外貨準備高アル( `ハ´)エッヘン」などというのは問題があるだけでなく、そもそも民間金融機関および地方政府の資本状況を正確に把握出来ていないのではないか?…という疑念がつきまといます。


というのも、それほど健全であるのなら「なぜこの時期、人民元が下落しているのか?」の説明が難しいのです。


人民元は外債利払い等の関係から「1$=7人民元」が絶対防衛ラインとされていました。2018-19年8月前までは1$=6.3〜6.8CNYだったものが、以降は7.0〜7.2CNYと『下がって』います。前述のようにこの時期、300兆円以上の潤沢な外貨準備高と上方修正するほどの順調な経済成長があるのに、下がるのは奇妙です。


勿論「人民元を下げて、関税分を相殺する」という話もよく出てきますね…。

そこで反証を上げます。


2019年11月25付の米国ニューヨーク連銀調査論文の「トランプ関税で損してるのはワイら米国の方だ(# ゚Д゚)!!」系の中で「(世界に輸出している)中国製品のドル建て価格が下がっていない」という事実を突き止めました。

つまりトラさんの関税引き上げ以降、約10%も下落した人民元CNYの効用を、中国の輸出業者が全然利用できていない事を示唆しています。


これではなんのための通貨下落なのでしょうか(눈‸눈)?

無意味です。


その国の通貨下落は基本的には「その国を信用できない」のシグナルです。メリットもありますが、デメリットも多いのです。特に外国からカネ借りまくってる国は、利払いと元本保証の負担が増えるだけでなく、新規借り入れ時に「あぶねーから貸出金利、上乗せすっからな!」的な余分な費用が(物凄く)必要になりますよ…。


ところで人民元、何でさげてんのかNeー?(  ̄ー ̄)y-~~ ←すっとぼけ


そこで最も重要な指標「中国の対外貿易」に注目します。

なぜなら中国以外の国の輸出入の指標は遥かに信頼できるからです。


すると、まさに悲惨この上ない結果が分かります。典型的なのが韓国です。韓国の最大の輸出相手国は中国であり、特に半導体の輸出で潤っていましたが、2018年10-12月期の決算でサムソンは売上を30%以上も落としています(白目)…。


それどころか韓国という国自体がこの後、2019年11月まで延々と一年に渡って、毎月前年比でマイナス30〜40%の利益減を繰り返し、国家経済成長率自体が0.4%からせいぜい1%という悲惨な結果になりました。

当初のこの時期の成長率は2.2%くらいを見込んでいて、この数字は大体韓国にとって死守したい最低ラインくらいです。しかし結局、1%以下になりそうという感じです。むしろ韓国が極めて危ないくらいです(爆死)。



実際、同期の日本もほぼ全ての企業決算で黒字ゼロもしくは赤字になっていました。対中貿易でテッパンとされた日本電産でさえ2019年3月期の業績見通しを下方修正し、同社永守重信会長をして「尋常でない変化」と評するほど大きかったくらいです。日本の2018年経済成長率は、おかげで0.8%と冱えないものでした(ただし、2019年は0.9%に上昇と見込まれています。消費増税対策の財政出動の結果とされています。特殊要因すぎて参考になりませんね、もはや…)。



米中貿易紛争の悪影響は長引き、世界規模に広がりました。

中国と互いに多額の貿易額があったユーロ圏は、2019年の成長率はせいぜい1.2-1.3%(2018年は実質1.9%)、特に域内最大の経済大国ドイツの減速は激しく、19年通年予想で0.5%。これは前年2018年の1.5%の成長率の1/3に過ぎません…。

それどころかドイツは4-6月期はマイナス0.2%成長で二期続けばリセッションという瀬戸際だったほどです。


…( Д ) ゚ ゚


かつてここまで追い詰められたことはありませんでした。紙面の分量の関係から割愛しますが、フランスやイタリアなど他の国も似たような状況です。悲惨この上ない状況です。ダイムラーやメルセデスではいよいよリストラが始まったようです。残念ですが、当然…。


これだけ見ても、まずは『中国は相当ダメージが出てるはずだ』と考えるのが妥当ですね。


しかし中国の経済的基礎体力(総資産=純資産+債務)から考えて、特に債務は吹っ飛ぶまでは資産でもあるので、その額が大きいことからもうしばらくは持ちこたえるのでしょうね。ただ庶民は物価高で苦しいはず…。ですが、なにしろ選挙権が全くなく、言論の自由も程々の国なので、真相が聞こえてきません。よって今のところ、判りませんね…。


…(・∀・)ニヤニヤ


  ※     ※     ※


では続いて、雑魚っぽい他の地域の代表としてヨーロッパ(EU)とカナダ・メキシコ(NAFTA)を見てみましょう…m(_ _)m


結論から先に言えば「敗色濃厚」です。アメリカには勝てそうにないという話です(爆


                 【 この項目続く 】



【補記】

ノベルアッププラス2019年11月28日初公開分

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