§7-12・国債を、無限に広がる大宇宙から考えてみる 〜宇宙はビックバンというインフレーションから発生した。なら経済にインフレがあるのは当たり前…(¬ω¬)

○宇宙自体がインフレという構造を内在しているので、我々の社会にインフレがあるのは当然。ならこれを国債を使ってコントロールしようという話…


ここでちょっと哲学的な話し…なんぞをしてみようかなと思います。とはいえ、筆者はアタマ悪いので、そんなに難しい話しにはなりませんけど…m(_ _)m


  ※     ※     ※


我々の宇宙はビックバンによって展開したとされ、そのそもそもの原動力が時空間の急激な膨張・インフレーションによって生じたとされています。真空の相転移からインフレ起こして現在の宇宙が出来、いまなお急速に膨張し続けている…多分、ガミラスやガトランティスでの認識もそうでしょう。


これが宇宙の真理というならば、この宇宙の基本原理は『インフレ』と言えるのではないか? ということです。


全ての現象が『インフレション→熱力学的な死(エントロピーの極大化)』へと移行していくプロセスが我々の宇宙の方向性だということです。なら、この宇宙の中にある全ての事象は『インフレ→死』へと続いていくベクトル軸を持っていて、あらゆることにコレが適応できるのではないか? 


経済という文明の営みもまた、この宇宙の中にある事象の一つ…進化の果てにホモ・サピエンスという種族が構築した生存のための環境が『文明』なら、この営みこそが経済であり、ならインフレーションが発生するのは当然といえるのでは? ということです。


これまで経済が成長するということ自体がインフレということを説明してきました。そして生きるために活動することが『成長』そのものなのだから、インフレが発生するのはやむを得ないという話しもしてきました。これを『目に見える形』にしたのが通貨であり、現象として表出しているのが『物価高』もしくは『失業率』『貧困』ということです。この表出したインフレという現象こそ、この宇宙を形作るシステムの根本的な真実の一つだということです。


成長インフレは文明の必然。メインフレームであり、全ての文明はインフレに悩まされるということになります。

これは地球だけでなくガミラス帝国やガトランティス等でもそうでしょう。まれに、共産主義的な全体主義的異星文明があるのかもしれませんが、『通貨がなく、貧富の格差のないはずのソビエト時代にもルーブルはあり、インフレはあった』という事は忘れるべきではありません。つまりソビエトも完全な共産主義国とは言い難い経済体制だったということです。共産主義は究極、存在し得ない世界だったのです。カネのない世界…スタートレックのような世界は現実に存在し得ないということになります。


我々の宇宙は『インフレを内在している世界』。そしてこの宇宙がもつ『膨張』という根本構造の、通貨金融的事象が経済における『インフレ現象』なのです。だとするとインフレから人類は逃れられない宿命にあります。お金に苦しまない時はないということです。イヤな話しですが…(¯―¯;)


ならインフレーションを解釈し、経済現象であるインフレ・デフレを効率よく管理する方法が必要になるということでもあります。それが『国債』だったのです。国債を使えば、公開市場操作によってインフレ・デフレを管理することが可能です。


政府の債務である国債をまず民間市場にバラ撒く。もし日本のように、国内で国債の殆どが消費されれば、それは国内に債権をバラ撒いた=民間に資本をバラ撒いたのと同じ効果が出ます。政府の借金=買い取った民間の債権です。つまり『民間はカネを貸して豊か』になりました。(カネ貸した時の特別)手形を手に入れたようなもので、当然、利子も付いています。儲けです(^m^)


ただし、市場に通貨の供給量が増えたのと同じ効果が出ます。

国債を資金の元手にして銀行などが他の民間企業などにカネを貸したり投資するからです。よって成長インフレが発生します。良いことですが、行き過ぎれば困ります。

なので、民間市場の国債を中央銀行が買い取ったり(買いオペ)、逆に売っぱらったり(売りオペ)して通貨の供給量を調整します。


通常、買いオペは市場に中銀がカネをバラ撒く操作なので脱デフレのインフレ創造策、売りオペはこの逆で中銀がカネを回収するので脱インフレのインフレ抑圧策です。同時にカネをバラ撒く買いオペは金利が下がります。カネの総量が増える通貨インフレで、カネの価値が下落するからです。逆に売りオペの時には金利は上昇します。金利と価値は常に逆比例の関係です。


ということはこの段階で国債=通貨(紙幣)となります。国債はお金と同じ価値のモノです。財産です。正確にはどちらも手形の一種です。と同時に通貨の供給量をコントロールしてインフレ・デフレを発生させる最強の金融ツールです。国債はまた、世界が持続的に成長し(←この世界は、そうなるように出来ている!)、その成長に自国も乗っかっているのならば長期的に見れば常に利益を出す安定資産です。

株式などの証券もまた25-30年の長期スパンを考えればトータルではプラスですが、短期的にはマイナスとなることもしばしばあります。国債とは違います。


意外かもしれませんが、国債は無限に増やせます。

半世紀前の国債発行量が数億円だった日本が、いまや1,000兆円。数兆倍以上に膨れ上がっている、この事実…(゜o゜;


言われて初めて気づいたかもしれません。しかもこの激烈なペースで国債を増やしていったにも関らず、超低金利のまま。つまり『破綻していない』のです。反面、その分だけタップリと富が増えました。


国債は保有者にとっては、政府が発行した『債権』=資産という『富』です。国債は国富の源泉なのです。この富を使って国力を増強し、民力を増やしていったのです。建設国債(←実は建設国債という名前の国債はないのですが)によって国土が整備されればそれは公共資産であり、また建設に携わった土建屋は潤います。

この過程で銀行を利用するので、結果として銀行の資本力が増強され、他の投資に回ります。そして乗数理論が示すように、この事業に関連した人たちの間で更に仕事が増えていきます。公共投資で働いた土建屋が夜、飲み屋で一杯引っ掛ければ飲み屋が儲かる。その飲み屋がパチンコすればパチ屋も儲かる…みたいにです。


国債を上手く使えば、無限大に国民の富を増やせるということなのです。実際、こうやって世界各国は国力を増強していったのです。日米欧州、そして新顔では中共がそうです。

ただし絶望的に心配なこともあります。『償還と利払いとの関係』です。

国債が無制限に増やせるとはいえ、全ては「償還と利払いが可能な場合」という条件付きになります。世間で言われているように国債の発行量が対GDP比何%かとか、インフレ率や経済成長率・外国人保有割合や統合政府で云々の問題が重要なのではなく…


「返してくれと言われた時に返せるのか?」


…だけが重要なのです。

出来ない時、国家破綻→デフォルトになります。


よって国債の発行額が大きすぎたり、利子率が高すぎたりすることの結果として、債権者から返済要求された時に対応できなくなるか否かだけが問題で、額や利子率そのものが問題ではないということです。冷静に考えてみれば当たり前のことですが、償還要求+利払いが可能な間は無限大に増やせます。


ただし、ここでもう一度、『国債は無限に増やせる』という事が、国債の債務で死にかけてる時(←カネが足りなくなった時)に中央銀行がカネを刷りまくったら良い…という事とは全然違うということを整理します。

お金は政府が責任をもって発行すべきもの。硬貨はいまでも政府が発行しています。逆に紙幣に関しては『国債』という政府が発行する『手形』を、公開市場操作を通して中央銀行が『紙幣』と等価交換しています。市場が『必要』と判断している通貨量は公開市場操作によって決まるため、中銀と市中銀行との間で国債の売買が成立しなければ『不必要』か『政策の変更依頼』のどちらかということになります。よって「中銀が勝手に印刷しまくっているわけではない」ということです。


通貨が市場に出回ればインフレが発生します。大抵は物価高という形になります。もし政府発行の国債を中銀が直接引き受ければ、この結果放出された通貨によってインフレが発生します。市場の信任を得ない、不必要な量の紙幣が出回ることで悪性のインフレが発生します。これが中銀がカネを刷りまくった場合の結果です。第一次大戦後のドイツ中銀がやった失敗です。普通はしませんし、やるべきでもない方法論です。別の言い方をするなら「気違い沙汰なインフレを発生させる危険性があるのだから、カネを作る時には慎重に考えろ!」ですかね?


  ※     ※     ※


ここでもう一つ。「じゃ、韓国みたいなのはどーなんだ?」という話です。

1997年度の韓国は貿易黒字を出していたにも関らずデフォルト起こしたという話しです。この時の韓国で起こった事はまさに通貨危機で、外国人投資家が韓国から資本を引き抜いたことに端を発する国家デフォルトです。


この場合、「返してくれ&持って帰るわ」と言い出されて、そのまま破綻したに相当する事例です。この時の韓国国債の発行量は対GDP比で30%だったとされており(実は真偽不明。あくまで当時の公称…ということで)、破綻する程の膨大な量ではありませんでした。それでも(結果として)返しちゃったら、ふっ飛んだ…になりました。なるほどたしかに、僅かな国債発行量でも危ないという事例ではあります。


しかし我々はすでに「回避可能だったはず」ということを知っています。手段も判っています。

韓国政府から外資が引き抜かれ、政策予算が絶望的に足りなくなったのならば、まずは不足分穴埋に臨時債権を発行し、これを銀行等に引き取らせます。金利はベラボーに高いですが、こりゃ、しょうがありません。

そして足りない分を穴埋し、その後で韓国人に預金税をかけて根こそぎぶったくれば良かっただけです。当然、韓国国債は大崩落し、ウォンも紙くずになります。結果、韓国人は同じように貧乏になるでしょう。結果は同じだった訳です。しかし対外デフォルトは避けられたはずです。つまりアレは韓国大統領府の政策のミスに過ぎなかったということです。単純に考えれば『国民の富>利払い・償還等の不足分』である間は、国家が破綻する可能性はないのです。暴動や革命を鎮圧できれば、ですがね…。


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あとこれは蛇足になりますが、2019年の年初において、韓国はこれとは別の『家計債務問題』という深刻な民間債務を抱えています。要するに韓国版のサブプライムローンで、債務総額が既にGDPの100%。うち半分以上が銀行以外の住金やら町金などで、しかもこれらの多くが低所得者です。なにより『公表されている数字』であって、会計が甘く簿外債務の多い韓国が、高金利で債務総額が大きく、しかも保証人やクレジット・デフォルト・スワップのような損失時の補償制度により負債額が数倍にも跳ね上がる悪質な不動産バブルに蝕まれているのです。


大規模な不動産バブル崩壊の可能性があります。また変動相場制+管理通貨制度下での大規模不動産破綻の事例は、アメリカでの貯蓄貸付組合破綻とサブプライムローン破綻の二例・日本のバブル崩壊の三例くらいで、両国とも強大な経済力をもつ先進金満国での出来事でした。韓国のような貧乏な発展途上国で自国GDPを超えるような大規模破綻の例はなく(ちなみに日本のバブル崩壊時は、当初はGDP比40%の負債額と言われていた)、今後どうなるのかは注視していく必要があるにせよ、これは同じ国家破綻でも此処での話題とは異なります。いま話しをしているのは『政府の債務=国債』の問題であって、民間債務である不動産バブルの問題ではないからです…m(_ _)m


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これらの事から、『インフレはこの宇宙の基本法則』であり、ホモ・サピエンスの築いた文明にもインフレが内在する。特に経済領域(=人々の生の営み)において顕在化する。そしてこのインフレ(とデフレ・スタグフレーション)は、国債を使った公開市場操作でコントロールすることが出来る…ということです。


つまり『国債』は『文明の死をコントロールする最有力のツール』だということです ( ̄ー ̄)bグッ!


おまけに債務があまりに膨大で溢れかえりすぎたというのなら、証券化なりなんなりでチャラにすることも出来るしね ( ´ー`)y-~~ ←すっとぼけ


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2019年現在、世界各国で債務危機を抱えています。対外的には一国主義、または貿易において、これまでの開かれた自由主義的な通商政策から保護主義へと向かいつつあり、パヨクとネトウヨとの対決という構図も世界各地で見て取れます。僕が思うに、パヨクは何も考えておらず、ネトウヨは単にそんな『パヨクが生理的に嫌い』というだけで、両者ともに国家の重要な本質論を討議しているようにも思えないのです。両方共、賢人には見え難いのです。無論、皆さんがこのどちらかのセクトに属しているというのなら、別にそれで結構。主義主張の変更を求めるつもりはありません。当然、ノンポリでも別に悪いわけでもありません。


しかし立場の違いはどうあれ『皆が幸せで豊かになる』ということが根本にあり、共通項だというのなら、まずは我々文明の構造を、宇宙の原理原則から再構築する必要があるのではないのかな?と思えてくるのです。


『生存のための原則』を確認することが必要で、それはインフレーションという現象に始まり、その結果としての熱力学的な『死』…エントロピーの増大という結末に至る生と死の構造があることを理解すること。そして、この中に組み込まれた我々にも同じ顛末を迎える。我々が生きる文明は、経済という名の『インフレーション』という現象そのものであり、これを国債というツールで適宜コントロールすることが可能になったのが20世紀以後の我々の社会…という壮大な話しでした。


皆さんはどう思いますか? …( ˘ω˘)ノ

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