§7-6・なぜテロン人はガミラス人と手を組んだのか(その5) 〜2200年の地球、我ら日本人の手で立て直そうず (*゚ロ゚)(*゚ロ゚)(*゚ロ゚)丿ォォォオオ. おー!!

 2201年、経済破綻を起こしていたガミラス戦役後の地球は経済的な自立が不可能と判断するしかなかった。戦時債務があまりにデカすぎ、生き残った国家は破産国家の群れに過ぎなかった。それらを束ねる地球連邦政府なる新政府はまだ揺籃期ようらんきであり、かつ脆弱ぜいじゃくだった。


 究極の問題はただ一点・『信頼できる紙幣の発行が不可能な事』・・・これに尽きた。債務問題を解消し、新たに地球の官民企業・金融機関に資金を投入するためのバックボーンが無かったのだ。世界中が困り果てた。このまま100年に六度もデフォルトを繰り返したアルゼンチンのようになってしまうのか?


テロン人「・・・(-_-;)」 ←苦悩中


 そこでテロン人は、これまた究極の選択を選ぶ。『ガミラスと和平同盟を結び、彼らからの援助を模索する』だった。当然、庶民の反発はデカかった。何しろ殺されまくったのだから。しかも相手は非民主国家だった。しかし他方、ガミラスとの和平が成立すれば、軍事的脅威が劇的に解消されるばかりか彼らの高度な技術導入も望めた。反ガミラス派と容認派との対立のようなものだった。この時、日本政府代表から、


日本人「んじゃさー、アタシら日本の明治維新の時のように文明開化したらエエやん (。・_・。) 」


・・・みたいな話しが、なにげなくポッと出たことから自体が動き出す。

 よく考えてみれば、日本は明治維新の時、何もない貧乏な発展途上国だった。当時の先進国・欧米列強に狂ったように追いつこうと努力し、白人至上主義的植民地全盛期において有色人種でありながらそれなりに上手く渡り合って、かなり強固な科学技術・金融基盤を構築した東洋の強大な大帝国へと成長した歴史があった。

 その後は民主国家になり、更なる繁栄を続けたが、そもそも江戸時代には鎖国をしていて、外国人を大砲射って追っ払うみたいな野蛮人だったにも関らず、突然この『西洋化』という先進他国文明を大胆に取り入れる変わり身の速さは、たしかに世界の他の国では、ほとんど見られない歴史だった。しかも2199年にBBY-01にヤマトを送り込むほどの、数百年もの間、有力な国家のままだった。実績はあった。


 なら、日本は発展途上国が先進国との接触で成功した有力な例の一つと言えた。確かに、見習ってもよいかもしれないとは思えた。しかも明治維新を主導したのは当時の地方政府であり、こいつらは単独で英米仏などの最強国家と単独で戦ったりしていた。なんか2200年の地球と日本との関係に似てなくもなかった。なので・・・


日本「オレらみたいに『国をあげて掌返し』しようず ( ˘ω˘)ノ」

テロン人の皆さん「・・・(¬ _ ¬)」


 とはいえ、大抵のテロン人は、やっぱイヤだった。昨日まで戦争していたのだし、丸焼けにされたのだから。恨んでもいたし、正義だのへったくれだのとうるさい輩でもあった。実のところ、異星人嫌いの人種差別主義者でもあったのだ。大きな声じゃ言えないけど。しかしここでも日本さんが、


日本さん「いいじゃん。オレらなんか、アメリカと戦った時、全部焼けちゃったけど、その後200年以上、超友好国じゃん。気にしないきにしない( ̄∀ ̄)」

テロンの皆さん「・・・(-_-;)」


 言われてみれば、そうだった。日本人は世界的には『超プライドの高い連中。サムライのようにメンツを重んじる』と思われてがちだが、ぶっちゃけ、そんなものは無いらしかった。良く言えば『極めて柔軟な発想』。しかし連中はこれで生き残ってきたし、繁栄もしてきた。しかも、


日本さん「ホント、オマエら邪魔くせー。なら、オレらだけで単独でやってもよろしくってよ」

テロンの皆さん「 ( д)  ゚ ゚ 」←仰天。挙げ句のはてに・・・


古代進さん「ガミラス人の巨乳たまねぇ、美人だったナー」

テロ公「(;•̀ω•́)・・・」


 急に仲良くしたくなってきたのも事実だった。

 なにより日本を除く、テロンの皆さんは日本人がガミラスと単独講和、つまり『抜け駆け』するんじゃないか?とも不審いぶかしんだほどだった。そんなことになれば日本が2200年以降の全地球人の主導権を握ってしまうかもしれない。ただでさえBBY-01ヤマトがイスカンダルに行ってこいしてきて、世界を救ったみたいな流れになっているのだ。ここでもし・・・


芹沢虎鉄「人類はワシが育てた!」


・・・みたいな1001みたいな事、突然言われても不愉快なものがあった。

 そこで『ガミラス人は信用できないが、同じテロン人も信用できない』テロンの皆さんは、まずは打算でまとまった。

 とりあえずガミ公と平和条約を結んで地球宙域の安全と安定を図ると同時に、政治経済科学技術などの分野で包括的な協力関係の構築のために条約交渉団を編成、これをガミラスに送り出した。

 この中には当然『カネ、貸してくんないか?』みたいな交渉も含まれていた。国家間の条約なので平和条約が最優先だが、優先事項のかなり高い項目が経済・貿易交渉とされた。

 幸いなことにガミラスは強力な統治者アベルト・デスラーを失っており、帝国自体が政治的・軍事的・経済的に揺らいでいた。弱っていたのだ。


テロン「これは、べりーちゃーんす ⸜(*ˊᗜˋ*)⸝ 」


 ウキウキだったのは間違いない。譲歩を迫れる可能性があった。また破綻しても即戦争という自体も避けられそうだった。ガミラス帝国には、もうそんな力がなさそうだったのだ。しかし本気で怒らせたら何仕出かすか分かんない怖い帝国ではあったので、まずはやりすぎず『対等の関係』を目指して頑張ることとした。


 おまけに、言い出しっぺの日本さんをかなり脇の方に追いやって、『全地球人代表』団を編成した。新生ホヤホヤの地球連邦政府が全権代表としてもう一度、17万光年彼方へと飛んでいったのだ。2199年に一番頑張った日本さんには、もうコレ以上、頑張ってほしくなかったのだ。だって日本一国主導型平和主義パックス・ジャポニカなんて、まっぴらごめん過ぎるからだ。とはいえ、サンザー星域がどこにあるのかさえ判らなかった程だったので、結局、水先案内人程度には日本さんを入れてやることにした。


日本さん「・・・(・・;」

・・・ま、残念でしたm(_ _)m


  ※     ※     ※


 とはいえ、日本人どもには別の仕事を体良ていよく割り当てた。イスカンダルとの条約交渉だった。

 なにしろ沖田クンが勝手に次元波動爆縮放射機の不使用を含めた『地球=イスカンダル和親条約』なる条約を結んできたのだから、日本さんには、このふざけた不平等条約の改正交渉の方をやらせようということになった。日本さん以外のテロン人からすれば、この不平等条約改正が成功すればそれはそれで結構。失敗したら日本に全責任を押し付ければよいという腹積もりだった。

 ちなみにこの条約改正交渉は失敗する。スターシアはかなりのお冠だったそうだ。


スターシア「でっかい火、ヒトにむけんな!(# ゚Д゚)!」


 こんな感じで、ほぼ交渉にはならなかったそうだ。「次元波動爆縮放射機の使用料やライセンス料を支払いたい」という懐柔策に近い申し出でも、


スターシア「コジキじゃねーんだ! ナメんな(# ゚Д゚)!」


・・・みたいな大激怒の感じだったそうである。

 一応、日本さんとしては、「母子家庭になったようですので、どうか面倒を全力で見させてください」みたいな提案もしたが、


スターシア「お金あるんで結構です(# ゚Д゚)!」


・・・とこれまたバッサリ切られてしまったそうな。何かを言えば言うほど逆上したようである。もはや取り付く島はない。地球環境改善装置を返してくれと言わなかっただけでもメッケモノ、という感じの大失敗だった。多分、条約改正にむかったフネがBBY-01ヤマトで(当時、それしか無かった)、アタマのでっかい『菊の御紋』にプラグ、ツッコミ忘れていたという、実に挑発的な姿だったことも災いしたかもしれない・・・


 これはテロンさんたちにとっては『しめしめ(^m^)』だった。この失敗があったため日本を追い詰めることが出来、2200年以後も日本が地球人類の表舞台には出てこれないように封じることが出来たからだ。なので政治的には日本人は全然出てこないのだ。反面、軍事的には駆り出す事が出来た。人手不足だったからである。憲法9条なんてラクガキ、正直、どうでも良かった。各国憲法など、地球連邦政府の定めた基本法の下に置かれたから所詮、日本国憲法など、もうこの時代には地方政府の条例みたいな扱いに過ぎなかったのだ。いやなら、戦時債務、全額一人で地球連邦政府に払ってから、勝手に地球連邦から脱退してくれ・・・だ!


日本「・・・(・・;」

・・・ま、国際関係なんて、そんなもの。残念でしたm(_ _)m


 ちなみにそれでも条約そのものは『次回に持ち越し』になった。次回がいつかは判らないが・・・。

 なのでどうしたかというと、『地球=イスカンダル和親条約』の締結時の地球代表政府は2200年成立の地球連邦政府とは違う旧『国連』代表部であり、新政府である地球連邦政府はこの条約を『引き継がない』という、あまりに無責任かつ大胆なソリューションでやり抜けることにした。国際間の条約においては特にゴールポストは動かすべきではない。このため、後にガミラスからも苦言が呈されることになるのだ。

 あと、芹沢クンが「沖田とイスカンダルの間の口約束であって条約ではない」・・・みたいな事をヌケヌケと言い出しているが、


 口約束でも契約は成立する!


・・・コレ、鉄則。たとえば酔っ払って意識混濁に近い状況で「結婚しよう!」みたいなことを言って、相手がOKと言ったら、結婚成立ということだ。しなければ契約不履行で訴えられる。つまり条約文章の作成というのは『口約束を口述筆記して、あとで言った・言わないのモメゴトが起きないようにするため』ということに過ぎないことを忘れてはならない。言った段階で成立するものなのだから。


 まあ、本当にダメな政府。この新生地球連邦政府というヤツらは。正直、ガミラスやイスカンダル、あとガトランティスのこと、悪く言える筋合いではない。いずれ大洪水に見舞われて、みんな流されて死んでしまうノアの方舟みたいな結末になって、シッペ返しとか喰らいそう(((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル


 とはいえ、それはまた別の話。いまはまずガミラスとの条約交渉が先だ。カネの問題でもあったからだ。しかもBBY-01ヤマトを送り出した英雄たちも、うまい事テーブルの外へとはじき出した。あとはテロン人の思い通りになれば良いだけだ。


 こうして地球国内の激しい反発を他所に、2201年、ガミラスとの和平交渉が始まったのである・・・


  ※     ※     ※

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