§6-4・対GDP200%の国家債務を背負ったガミラス帝国の起死回生の一手とは?(その3) 〜そうだ?! 中央銀行なんて政府みたいなモンだから、此処の国債を帳消にすりゃいいじゃんヽ(^o^)丿

 大マゼラン星雲領域に巨大な経済圏を構築するに至った最強国家・ガミラス帝国は、対GDP比200%の国債負担に悲鳴を挙げていた。いくらなんでも多すぎるのではないか?


・・・(~_~;) ←苦悩中 >ガミ公


「国債に、毎年いくら使ってんだろ、俺ら?」

 そこで、ガミラス政府はあらためて冷静に帝国の歳出(政府支出)を見てみた。


 するとあることに気づいた。帝国歳出約74兆ガミラスマルクのうち、帝国国債の利払い・償還費に23.3兆ガミラスマルクも使っていたのだ。これは同国の帝国国防費5.2兆ガミラスマルクの実に四倍もの金額で、総歳出の30%に達していた。

 この負担の源泉である国債の最大保有者は、全国債の50%、実にGDP比100%にも相当する量を保有する帝国中央銀行だった。当たり前だが、こんな国は大マゼラン星雲の何処を探しても、他にない。阿呆すぎだ。

 これも、なんとかして景気刺激&経済成長をさせたいがために大規模な金融緩和策をとり、市中にカネをバラマキ続けた代償として中央銀行にはこんなに大量の国債を保有するに至ったのだ。


 まるで2018年の日本の歳出の割合、そのまんまだ。

 まあ、単なる偶然だけどね・・・。


 そこで帝国国債の半分をゲットしている中央銀行が、年間、どのくらい儲けているかを見てみた。理屈からいえば、帝国中央銀行は23兆ガミラスマルクの半分、つまり約11兆ガミラスマルク相当の税金をゲットしていた事になる。毎年の国防費の二倍以上だ。しかし、実際は違う。

 この計算はあくまでも『理屈の上から』という話であって、実際には中央銀行の保有分の国債は『売りオペ』のような金融政策を通じて民間市中に放出することはあっても、国債の償還時に全額、カネに変えるということはない。その必要がないのだ。なぜなら売りオペの結果、中銀は現金を手に入れることが出来るのだから。


 当然、懐具合の厳しい政府を忖度するという政治的な判断もあるだろうが、なにより国債からは利子が手に入る。黙っていても金儲けできるのだ。中央銀行としては、この利子収入で金融政策の資金がまかなえるし、そもそもどうしてもカネが必要ならば自分のトコで刷ってもいいわけだ。なにより中銀は利益を上げるのが目的ではない。インフレ時などに『売りオペ』という操作によって、溢れすぎたカネを回収する・・・この政策目的に国債が必要なのだ。カネなど自分トコで如何様いかようにも出来る中銀が、国債を償還する必要などまったくない。カネを刷り倒す権利を持つ中銀がカネが足りないなんてこと、起きるわけないからだ。


 しかも帝国中央銀行が保有する国債は『全額、期日が来た時にはもう一回、額面金額を買い直す』にすれば良い。これなら政府は利払いだけで済む。要するに国家の永久株券と同じようなものになる。ということは中央銀行が大量に国債を抱えていれば『政府にとっての債務は事実上、ない』と同じだ。その場合、利払いだけで済む。しかもわざわざ『永久株式にします』と騒ぎ立てて、市場を混乱させる必要もないのだ。黙って持っていれば『諸事、丸く収まる』のだから。


 だとしたら現在の23兆もの国債の出費は、極端な話、『(民間への利払い+国債償還費)+中央銀行への利払い+雑費』という事になる。だから実際のところ帝国政府による中央銀行への利払いは、だいたい1兆2.000-億ガミラスマルク程度のものだった。国債費負担の5%前後だ。あんま大したこと無い。

 ちなみに現在の利払い総額は、だいたい9兆ガミラスマルク。国債費のおよそ四割ほどだ。残りは主に国債発行費と償還支払いだ。超低金利のおかげで利払いが凄くラクになっていた。


 実際の問題は、「そうはいってもかなりの額の税金が、中央銀行への利払いに使われている」になる。政府と中央銀行はどちらも帝国経営を支えているとしたら、『税金の二重取り』に近い・・・という専門家さえいるほどだ。

 もっと言えば、政府が国債を発行し、これを民間に売却して政策資金を得る。その後で、中央銀行が民間から国債を買い取って溜め込めば、結果、政府予算を中央銀行がプレゼントした事になる。しかもその途中で民間人にカネをバラ撒いて、彼らの資本力の増強もしてやった。時間差を利用した錬金術だ。

 しかも市中にカネをバラ撒いたおかげで経済成長は出来たし、自国通貨安にもなった。異星人との多国籍貿易で黒字幅が増えた。おまけに大規模金融緩和で通貨安になったので国債安にもつながり、国債発行にともなう負担まで減った。いい事づくしで申し訳ないくらいだ。


 なのでこの時、「でも、ま、このままでもいいんじゃね?」派も結構いた。

 そもそも帝国中央銀行が全国債の半分(対GDP比100%相当)を負担しつつも、政府の負担額は対GDP比で0.2%くらいの負担で済んでいる・・・とさえ言えた。いやむしろ、中央銀行がこれからも景気刺激策のためにバンバン国債を購入し続けたほうがいいくらいだ。金融緩和で景気だって良くなるはずだしね、と・・・


 しかし「もしも景気悪くなったら、この逆になるじゃん?」派も結構いたのだ。「やばくね?(←いいや、ヤバいよ。反語)」派だ。

 実際、不景気になったら、全てが逆向きに動き始める可能性がある。有り得そうな仮定シナリオはいくつもあった。たとえば「超好景気になったとしても、ハデにインフレおきるじゃねーか? そしたらどうなる?」だ。これは『出口戦略』とも呼ばれるシナリオだ。


・大規模金融緩和によってガミラス帝国、超好景気 →超インフレ成長

→インフレで生活物価あがる →インフレ抑制のために市中から現金回収

→公開市場操作によって『国債放出・現金回収』する →民間が大量の国債を保有する ←これの利払いどうする?


・・・しかも民間人の場合、国債償還時に『カネにして。もう国債、売り飛ばすことにしたんで』と言い出しかねない。損するのはイヤだからだ。しかもこんな時に帝国への将来不安とか言い出して、どいつもこいつもが『売り』に掛かった日には、『ガミラスマルク下落→帝国国債価値下落→金利上昇』なんてことになりかねない。こりゃ一大事だ。政府はエラい事、費用負担しなくてはならなくなる。おまけに金利が0.1%上昇すると国債発行コストが1兆ガミラスマルク近く上昇するという計算も出てきた。


 とどのつまり、国債の金利が上昇したら(←これは政策金利の上昇や、酷い自国通貨安、国債の価値の下落、激しいインフレなどによってもたらされる)、利払い負担に耐えきれなくなる可能性がある・・・ということを意味していた。これは帝国中央銀行がどれほど国債を保有していても同じことだった。中央銀行相手といえど、利払いしない訳には行かないからだ。極端な話、ドコの誰がどれだけ持っていようとも、金利が上昇する『だけ』で、急激に国家危機が訪れるという脆弱性をガミラス帝国は有していたのである。そもそもの国債の発行量が多すぎるからである。


 実のところ、どれほど国債を発行しても大丈夫・・・というのは、超低金利すなわち高インフレでないという条件付きでの話しに過ぎないのだ。


 そして、この漠然とした不安を帝国臣民が共有していることから、企業は設備投資に消極的で、労働者には賃金抑制の心理的プレッシャーになっていたようである。あまりにも帝国国債の発行量が多すぎることによる負担だといえた。もしこういう国がこの宇宙の他のどこかにあったとしたら、彼らとて結局のところ、『増税+緊縮財政によって債務解消の努力をする』か『経済成長して、債務の自然消滅を狙う』か、もう一つの奥の手『臨時に政府紙幣を発行し、国債をこれで購入する』という方法ぐらいしかないのだ。


 政府紙幣 ・・・(´・ω・`)?


 前二つに関しては述べたので、ここで三番目の『政府紙幣を発行する』の話・・・特に問題点を考えてみる。


 政府紙幣とは、政府が発行する紙幣のことだ。

 現在、紙幣は政府ではなく、中央銀行が発行している。もともと紙幣は硬貨をやり取りする際の『手形』から発展したもので、厳密にはカネではなかった。手形業者→銀行に発展し、ここの総元締めとして中央銀行が成立した。よって政府が発行する性質のものではなくなったのである。


 たとえば日本では日銀という『中央銀行』が発行しているし、硬貨は日本国政府が鋳造している。ガミラス帝国でも同じだった。ガミラス紙幣は帝国中央銀行が印刷し、硬貨はガミラス帝国が鋳造していた。本来、硬貨は製造コストが安いので政府は必ず儲かる。否、儲けるためにやるべきだ。

 しかし高額硬貨は、その分だけ地金が必要で、たとえば1,000-万ガミラスマルク硬貨なんてのを作れば、物凄くデカくて重い通貨が出来上がる。現実的ではない。それどころか高額の金融取引のとき、硬貨だけだったら莫大な量の硬貨を準備しないといけない。物理的に持ち運べない。預金の全額を一円玉でもらうとしたら、重くて死ぬ。アルミが鉄の1/3の質量しかなくても、だ・・・。イロイロと手間ヒマかかって面倒っちいのだ。それに比べて紙幣はラクだ。


 しかし逆の発想をして、政府がお札を刷ったら良いのでは? と考えてみる。この場合だったら理論上、政府発行の紙幣は国債と違い、利子を付ける必要はなく(←そもそも紙幣に利子はない)、政府に借金が出来なくて済む。しかも紙幣を増やすことが出来るのでインフレを作り出すことが出来る。人工知能などを駆使すれば、極めて正確で論理的に『過度のインフレ無しに、経済成長することが出来る』と考えられている。これは良い! これで債務を発生させることなく、経済成長も可能なはずだ。それどころか、帝国臣民から税金を収奪する必要さえなくなる。政府の運営資金全てを、十分な計算の上で政府が発行する紙幣で賄えばよいのだ。

 要するに、国債の代わりに政府紙幣を発行すれば、債務を発生させることなく経済成長できる。しかも紙幣の量をコントロールすれば、ハイパーインフレのような激烈な経済破綻さえ免れるはずなのではないか??


・・・なんかよく考えたら、こっちのほうがいいんじゃね?(・_・)?


 実際、この政府紙幣を導入しようという意見は多い。ガミラスでもそうだった。特に『一回こっきり』だったら、上手く行く可能性が高い。たとえば、莫大な国債が国内にあるとする。これが政府の負債として重くのしかかっているとする。なんとか国債を抹消したい。ならこの国債を、政府紙幣で同額面で大量に(政府が)購入するのだ。こうすれば、理論上は国債を抹消できる。民間にはちゃんとお金(=紙幣)が供給されたのだから、別段、損はない計算だ。実によいやり方のように思えた・・・

 

 しかしガミラス帝国では、政府紙幣は採用されたことはない。理由はまさに負担となる『利子がない』からだった。

 利子は、国債を発行する政府にとっては負債だ。しかし利子には別の、極めて重要な意味があった。『時間経過によって生じた通貨の価値の減損分の穴埋め』・・・つまり『お金の価値それ自体を守る』行為でもあったからだ。


  ※     ※     ※


 経済成長するためにはインフレが必要だ。というより、経済成長するとインフレが起きる。そしてインフレは通貨の価値を減ずることだった。ということは経済成長している国家は、発行する通貨の全てが、時間が経過するにしたがって『通貨の価値が減少している』という事実に直面する。


 たとえば新卒社会人の給料で考えてみる。50年くらい前、高卒の初任給はだいたい7,500-ガミラスマルクくらいだった。しかし現在ではだいたい15万から18万ガミラスマルクくらいだった(もしヤマッテの国の人ならば、円に置き換えて考えてみてもヨロシクってよ!)。

 ここで高卒ルーキーの初任給を『1労働初任給』と考え、労働者の価値を固定して考えてみる。どうせ同じ人間なのだから、時代が変わってもヒトの価値は変わらないはずだからだ。ちなみにオリジナル第23話でスターシアは「人類もガミラスも同じ人間です!! 生きる権利があります!!」と喝破していたっけ・・・。


50年前は『1労働初任給=7,500ガミラスマルク』

50年後は『1労働初任給=150,000ガミラスマルク』


・・・ということは、この50年で同じ人間の労働単価が20倍になったことに気づくはずだ。もし7,500ガミラスマルク札があったとするならば、50年後はこれを20枚用意しなければ、企業経営者は労働力を手に入れることが出来ないということを意味している。これはつまり、此処だけ見れば「50年の間で1労働初任給というマンパワーに対し、通貨の価値が1/20まで下がった』ということだ。これが成長インフレだ。


 ならば成長し続ける国には持続的なインフレが発生し、その結果として、通貨の価値は下落し続ける。通貨は時間経過とともに劣化する一方なのだ。これが紙幣をして、定期的にデザインを変える理由でもある。昔の同額紙幣だと、現在(と未来)では当時ほどの価値が無いからである。


 そこでもし仮に、ガミラスが利子のない国だとしたらどうなるか?

 銀行は無利子でカネを民間企業に貸した。民間企業は銀行から借りたカネで生産力をアップし、結果、増収した。その後で借りたカネを銀行に返した。利子無しで、借用書の金額のままだ。


 しかし、ここでインフレと利子の問題に気づくはずだ。

 生産力アップは経済成長だ。要するに成長インフレだ。いや、成長自体がインフレなのだから、これは当たり前だ。するとインフレなのだから、通貨の価値は減少したはずだ。

 この結果から考えると、銀行はカネを返してもらったとしても、時間が経過した分だけ『価値の劣化した』カネを受け取ったに過ぎなくなる。つまり『損した』のである。


 そこで、重大な矛盾に気づく。「銀行は損するために、経済成長(インフレ)を発生させた」ということになる。もし利子を取らないというのならば、銀行はカネを貸した挙げ句の果て、損をするということなるからだ。これでは銀行業は存在できなくなる。


 ということは真実はこの逆で、『利子』の本来の役割の一つは『時系列において毀損した分の通貨の価値を、利払いによって補填する』という意味が内在していたのである。ならば、利子の無い通貨制度は『経済成長を阻害する要因』にしかならない。これが通貨の存在しない『共産主義』なる国家が存在しない理由だ。共産主義は、ヒトが生きるために資源を浪費した段階で、それを補填する経済成長と利払いがないのだから、徐々に衰えて死滅するからだ。よってマルクスは常に『死んでいる』のだ。


 1000年以上続くガミラスの歴史では、たしかに経済縮小が起こった時期もあった。しかし元々、サレザー恒星系第4惑星の中でしか生存できなかったガミラス人も、時空跳躍能力を持つ宇宙艦を作るほどに経済成長したのだ。ロングスパンで考えれば、彼らは常に経済成長していた。ならガミラスの歴史は成長インフレの歴史・・・ずーっとインフレが続いていたのだ。


 この時に、もし利子がなかったら、帝国通貨ガミラスマルクはトコトン価値を減じていたに違いない。実際、昔は1ガミラスマルクでも一日生活できた時代もあった。しかし時代が過ぎ、やがて一日数千ガミラスマルクでもやっていけなくなる時代になった。この分だけガミラス帝国は成長した。1労働初任給が、7,500ガミラスマルクだったのが20倍の150,000-ガミラスマルクになったように・・・。


  ※     ※     ※


 偉大で先進的なガミラスは気づいていた。この宇宙の真理として『経済は常にインフレにのみ動くべき』ことを。つまり宇宙の真理はインフレであって、インフレ・デフレはコインの表裏の関係にあっても同格ではない。メインの光がインフレ、影がデフレだということだ。インフレは『惡の華』だが『正義』でもあった。生きるために生産拡大をする=インフレなのだ。


デスラー(# ゚Д゚)!「ガミラス人にも生き抜く権利がある! ガミラス人はイスカンダル人のように星の終わりの運命を受け入れて共に死んでいくなどということはできない!」


・・・ならば持続的な経済成長を続けていくしか無い。死を回避するあらゆる熱力学的な試み・『文明』のメインフレームは『インフレ』だったのだ。なによりマイナス成長へと縮小すべきでもないのだ。GDPの持続的な減少は死に至る病だ。


 ならば『利子を産まない紙幣』は、そもそも発行するべきではないのだ。正確にいえば、政府は国債の方を発行するべきなのだ。政府紙幣によって作られた経済成長は、政府紙幣そのものの価値を減ずる。恐るべき現象だ。『自滅』だ。

 政府紙幣は累積すれば、どう計算したところで指数関数的にマイナスが増大する。一日一日と政府紙幣の価値は減っていく。これはマイナス分が『複利で』増えていくようなものだ。政府紙幣自体が時間経過のなかでマイナス分を産んでいくからだ。補填の方法がまったくない。これでは、ほどなくして極悪なインフレが発生し、本当に文明が崩壊してしまうかもしれない・・・。


  ※     ※     ※


 この理屈から、政府紙幣の発行は見送られてきたのだ。しかし「一回だけ、しかも大規模に」なら、なんとかやり抜けられるかもしれないという試算も帝国財務省から報告があった。政府の信頼は揺らぐことに違いはないのだが・・・

 実際、ガミラスは政府紙幣による国債買い取りを含めて、上述三つあるアイディアの、どれもが採用しにくかった。国内外に敵がいる、独裁国家だったからである。


 最も正しいやり方である増税と緊縮財政は、経済成長を阻害し帝国の発展を阻害する。長期間のデフレを覚悟しなくてはならないし、ヘタをすれば本当に持続的に帝国GDPが減少の一途を辿りかねない。国力の減衰は異星文明からの侵略に対する防衛力の低下や、帝国内反体制派による蜂起・デスラー政権崩壊の危機に直結した。なにより納得の行かない大増税は臣民や貴族の幅広い層からの反発を食らうだろう。

 他方、経済成長も債務不安などから伸び悩んでいた。打破するために対外戦争をして、植民地や資源を獲得するにしても『元ガネ』が必要で、それが無いから騒いでいるような状況でもあった。成長のための大規模金融緩和には、更なる大規模な国債発行が必要で、これでは悪循環の繰り返し。しかもいずれは本当に利払いができなくなるだろう。

 最後の政府紙幣による債務の買い取りにしても、すでに銀行などの金融業が我慢の限界イッパイだった。もし債務付け替えで大損すればデスラー政権を見放す危険があった。クーデターや反対貴族側につくことが十分にありえた。これは民主国家だったら、まずありえない危惧だ。


  ※     ※     ※


 毎日のように討議が重ねられた。そして熟慮の末、一つの結論に達した。


・・・やっぱり、債務自体を「無かったこと」にするしかない (~_~;)


 現在の帝国政府の課題は「国債の利払いのカネ、多すぎ!」ということだった。なら、債務それ自体を消すしかなかった。通貨の本質的な意味を失わせる利払いの抹消などの作業ではなく、政府発行の国債の方を消しに掛かった。最もシンプルな解決法でもあった。『借金の一部を放棄する』のだ。これを債務者である帝国全員の同意のもとに、だ。それも出来るだけ帝国臣民に犠牲を出さない形で、しかも出来るだけ一気に大量に、だ。


 そこで、帝国中央銀行が抱える帝国政府国債・・・総額、GDPの100%ちょっとの量を、全部シュレッダーにかけて『無かったことにしよう!』とすることに決めたのだ・・・



        【 この項目、続く 】

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