応援コメント

§5-1-8・ではなぜ中国は経済成長したのか?(後編) ←経済成長に民主主義なんて必要ないから」への応援コメント

  • 結局は、庶民が犠牲になるんですね。でも、国が破綻するよりは良いか。

    作者からの返信

    ぬまちゃん様、いつもありがとうございます…m(_ _)m
    この90-00年代の中国の動きは本当によくわからないことだらけです。中国の統計資料があまりに杜撰だということと、我々が彼らの事を本気で徹底的に調べようとしていないことなどが理由ですが、それでも少ない資料の中から良質な資料をいくつか拾うことができています。そして、この時代こそが「現代中国を決定づけた」最重要な時代だということが分かりました…m(_ _)m

    大混乱していたのです。文革の反省などから「弱い政府・弱い中央銀行」を許容したことと、とにかく貧乏(てか文革で原始時代に戻っていた)だったので「豊かになれるものから、まずは豊かになる」ということから、各地方政府が非常に大きな権限を持っていました。

    現代社会においては経済発展に伴って適切に通貨の供給量を増やさねばならないのですが、これはたとえるなら「ウンと運動して喉が乾いた」ので「適切な水分補給が必要」ということになるかと思うのです。水が足りなければ倒れるし、多すぎれば横っ腹が痛くなってこれまた倒れてしまう。水だけでなく他にも必要なものはないか?…ということもあり(これは財政政策や福祉政策のこと)、非常に計算して「水分補給」しないといけないのに、中国の場合は中央銀行が弱く、このため適切な人民元発行ができなかったために各地方政府が「地方債」を通して通貨供給量を増やしていった…という事のようです。これだと多額の地方債務と、ある域内における激しいインフレが発生するのですが、実際、そうなっています。

    これらのことを現在も調べている真っ最中です。まさに新生中華人民共和国の創世記の物語であり、この時代を掘り起こさねば中国の真の姿は見えないと思われます。

    もうしばらくお待ちください。連中、本当に資料を残していないみたいなのですが、なんとかして調べていますので…m(_ _)m

    個人的にも非常に楽しみなんですけどね(爆


  • 編集済

    前回のコメント返しありがとうございます。
    いつもながら丁寧な返しに頭が下がります。
    前回のコメ返しで少し疑念を持たれた点について補足します。

    私はなるべく好き嫌いはないようにしたいのですが、生理的、直感的に嫌いな人物というのはいます。

    例えばガンダムならシャアはわたし、何であんなのが人気なのか、理由は分かりますが体質的にダメです。(笑)

    大坂のカリスマで政治家の弁護士も生理的には大嫌いで、小説の中でも実名は避けつつ、彼の特徴を示したうえで信用しないように警告しています。

    とはいえ、あの人物と彼が生んだ政党は毒とはいえ、他の大阪に巣食う毒よりはマシという判断もあります。
    つまり、毒飲んで(議員にはするけど)人気取とりだけしたら吐き出すのが最善ではないかと思っています。

    ホントは自民なり、どこにも汚されていない市民政党が大坂に出来て維新を潰すのが望みですが、そのシナリオが今回の選挙ではないんですよ、これが。(笑)
    じゃあ辻本さんがいいかとか、内部留保を勘違いしている委員長がいいかというとそうでもないですしお寿司。

    ホント、個人的にはあの茶髪大嫌いですがこんな理由で前回のコメ返し返しとさせていただきます。
    この大事な時に救いがないどす・・・
    PS,西郷さんの子孫が維新から立候補という話がありますが、私全く関心ないです。
    もし、島津の子孫の方だったら絶望したでしょうね。(爆)

    あと、日本が天皇も含め多くの点で外国、とりわけ中国などの文化を取り入れていて、日本起源のモノが少ない点は同意です。

    しかし、天皇や漢字などもとは外国の物でも、それを本場が放棄して結局日本独自となった物事は広義の意味で日本文化といって差し支えないと思います。(中国の漢字と別という意味で)
    私の言う愛国はそんな感じです。

    もちろんこの場合起源は中国などである点を認めるのは正直という徳目を考えて守るべき点だと考えています。
    簡単に言えば自分の旗を守る、それだけでも多くの国民が意識すればそれでよいと、そんな感じです。



    作者からの返信

    こちらの方こそいつもありがとうございます…m(_ _)m

    維新に関しては、関西人は「維新が良いとは思わなくても、自公立共産やれいわが良いとは絶対に思わない」ということのようです。今までが如何にひどかったか?ということでしょう。大阪人にとって既存の勢力は本当のゴミクズだったということらしいです。これでは維新がこれからも万年与党なのは間違いなさそうです。実際、生活環境の改善が進んでいるので、これは正しい政党でしょう。

    とはいえIRとかの「自分たちの利権猟り」みたいなのは辞めるべきでしょうね。そもそもIRなんて今の時代に全くあっておらず、投資の割にはリターンは少ないでしょう。
    より重要なのは大阪が溜め込んだ8兆円もの債務で、連中がこれを国に付け回していることは重大な問題です。詐偽なので(怒

    とはいえ、非難ばかりしてもタダのバカ左翼と言われそうなので、いずれ「その借金を資産にして大阪に元気を取り戻そう」的な短いコラムでも作ろうと思います。維新とその支持者が見てくれるとは思いませんが、前向きな提言をしたほうがいいとは思うのです…m(_ _)m

    とはいえ、関東者のワイとしては維新は信用はできないというのも本音なのですが(爆

      ※     ※     ※

    さて、遥かに重要な話を一つ…m(_ _)m
    この「なぜ中国は経済成長したのか?」の二話数は「実は超大切」な内容です。中国は韓国がデフォルト起こした時に、まさに同じように準デフォルトを起こしていたという内容だからです(重要

    その後の激しいインフレ動向などは、当時を生きていた日本人も「ああ、見たことあるね、その光景」なのですが、何が起こっていたかのメカニズムは当時はわかりませんでした。その内容がこれです。
    この内容が日本では…てか、中国含めて全世界でかなりおろそかになっていることを危惧しています。現在の中共の原形がここにあるからです。つまり「債務を強引な債務整理で抹消しつつ、外国債を購入することでインフレ成長の原資を確保しつつ同時に多額の債権を発行して通貨供給量の爆増→さらなる国富の増強」という構図が、このときから始まるのです。

    なのでこの二話数、本当に重要なんですよ(^_^;)
    カクヨムではありがたいことに、それなりにPV行ってますけどね

  • 案外、日本と中国は、似た者同士ですね。両国共、国の力が強い事です。力を合わせたら、強大な経済圏を建設できるでしょう。

    作者からの返信

    @yamato290様、いつもありがとうございます…m(_ _)m

    僕も仰るとおりと思います。ただし条件が一つあります。「中国共産党をこの世から消滅させた後」です。彼らのやり方は受け入れることは出来ず、そもそも中国人が非常に新自由主義的な傾向の強い「根っからの資本主義者」の集まりです。彼らの個性や能力を阻害しているのが中国共産党であり、そもそも強力な独裁政権は中国人には必要はありません(断言
    今まで中国人は独裁政権しか経験したことがないことが最大の不幸であって、米国のような民主国家に進化すれば人類史的な意味でも「偉大な国家」パックスチャイナと呼ばれた「華の時代」を迎えることが出来たことでしょう。

    とても残念です…(:_;)

    共産主義というクズを始末せねばならないという信念を、人類が共有できるかどうかでしょうね。中国人も犠牲者の一人だったのですから…

  • 非常に面白く勉強させて頂きました。流石は中国、外のものを取り込むのが上手なのですね。
    それにしても、拙い私の頭には、やはり経済というものは奇っ怪です・・

    国を豊かにするためには国債が必要。
    国債で、国富を充実させる。
    国富の活用で民間企業が経済を回して、その税収で国債の金利を支払っていく。それができれば国家は破綻しない。
    しかし、未曾有の危機、たとえばコロナ禍のような想定外の事態が発生し、市場経済が壊滅的被害を被った場合、デフォルトの可能性も出てくる。
    この場合、増税や自国通貨引き下げ等により、何がなんでも債務を減らす。
    つまり、国民の富を吐き出させ、もしくは激減させ、債務を減らす。
    それができれば、国家は破綻しない。

    ということに、なりますか?

    もしも仮にそうだとすると、国家という道具は、その道具を使う国民にとって、必須の道具で有りながらも、なんとも恐ろしい道具ともいえそうですね。
    普段は頼りになる番犬でも、下手すると食い殺されてしまう、というような・・

    だからこそ、最低限のラインとして、国家は民主主義を保持する義務を負う必要があるわけで、対する我々も、個々人の生活は個々人が努力して守る義務を負う。国家は『国民』を守ることはあっても、個々人を守るわけではないから。
    そして、個々人が自らを守るためのツールとして採用されているのが、資本主義、ということですね。

    そう考えると、我々と国家は、下手したら喰われる!という緊張関係にあるわけで。(個々人同士も資本主義である以上は、基本食うか喰われるかですが。)

    これを前提として政治というものを考えたら、「国はなにもしてくれない」なんて言っている場合じゃないぞ?と反省しました・・
    むしろ喰われないように、我々も脳みそに汗をかかねばならないのでしょうね。(どうすれば良いのか、皆目解りませんが(泣))

    ああ、勉強させて下さいっ!


    作者からの返信

    呪文堂様、いつもありがとうございます…m(_ _)m

    まさに仰られる通りで、国力増強には国債が必要です。「貨幣乗数」と呼ばれる効用で、政府および中銀が創出したカネが民間に流れることによって(当初の投入金額を遥かに上回る)カネを生み出す」という程度の内容ですが、現実はそうなっています。よってもはや金利のない世界(債務やインフレの無い世界)は「成立しない」のです。あとはどう債務を上手く管理するかだけだと思います。
    日本国は愚かにも財務省が60年ルールというのを設定し、60年かけて国債を全額「カネで」償還する…みたいな「頭のおかしい」事をやっていますが、世界の歴史を見渡した時、税金なりカネなりで全額を償還したなどという事は「古今、前例がない」のです。当たり前です。普通はインフレ成長で抹消すべき性質のものだからです。

    インフレは通貨の価値が下落すること。国債は市場でカネで買われたのだから「国債も通貨」(事実、短期国債市場ではカネの代わりに短期国債が使われている程)。よってインフレが発生すれば「国債の価値も激減する」→債務が消えてなくなる…です。そしてインフレは経済成長をもたらすので、ならば「経済成長すれば債務も消える」という、魔法のような、しかし現実には普通に起こっていることをやればいいだけなのです。

    ということはインフレ成長している国(米国等)では「米国債の価値が激減している」はずです。実際そうです。では価値のなくなった米国債は誰も買わないのか?…と言われれば真実は真逆で「次々と国債を買い増し・買い直していく」です。減損した価値の分以上に買いまししたり借換えたりして「増補」しているのです。経済成長している国の国債なら金利はやや高めで、10年くらいのタームで見た時、少しづつ次々と買いまししていけばインフレ率以上に利益を得ることが出来ます。あとは高インフレになりすぎてしまわないことです。「ある一定の」水準で維持すること…経済成長と債券として魅力のある水準の両立を図ることが中銀と政府の仕事です。

    ちな、中国に関しては戦前の高橋是清財政とほぼ同じことをやっています。公的債券および民間債券等によって中国人民から広く資本をかき集め、政策投資に使っているのです。債券を持っている人からすれば利回りが期待できるものの、よくよく考えれば利回り分はいずれ税金で償還しないとダメな性質のものであり、またもし万が一にハイパーインフレにでもなったら債券が紙くずになります。他方、(特に地方の)政府からしてみれば「庶民からカネをかき集める」ことのできる「第二の税金」に過ぎません。なにしろ債務過多になった場合は増税すればいいのですから(爆死

    このやり方がまさに高橋財政でした。日銀が政府から国債を直接買い取り、その国債をシンジケート団を通じて広く日本国民に売却しまくったのです。これは債券の代わりに税金を取得するのと同じことであり、債券の償還と利払いは結局、帝国臣民の税金で賄う性質のものですから「やせ衰えたウマが、自分のケツの肉を喰ってる」のと同じ愚行です。

    ということは、国民資産の全てが尽きるまで「中国は破綻しない」のです。
    これがいまなお中国が国家破綻しない唯一の理由です…m(_ _)m

    実際、戦前の日本もそうでした。太平洋戦争という未曾有の規模の空前の大戦争さえなければ「上手く行っていた」のです。日銀史にもそんなことが書いてありました。「当初はかなり上手く行っていた」と…
    そりゃ、そうでしょう。単なる「第二の税金化」に過ぎないのだし、国債は結局、国民の税金で返せばいいや…と割り切っているのならどんだけ借金しても、債務者(国民)から強制徴税すればいいだけのことです。国債のほとんどを国民が持っているということは、「債務者(国民)にカネを返す時、国民(債務者)に課税すればいいから」…たったこれだけの事です。得することはありません(爆死)。だから、国債を大量に無制限にいきなり刷り倒してはいけないのです。慎重にインフレ率と償還・利払いを勘案しつつ、効率よく成長インフレを発生させるための計量的数理論が必要ということです。

    ということは、中国は最後に地獄を見るだろう…ということです。
    さらに国民資産の総額が計算できれば、あとは金利と償還費用などから国家の寿命も大体計算できるということです。ワイが思いますに、おそらく中共は2040年代の中頃に力尽きると思っています。ただ新コロでどれだけの犠牲が出るのかは不明なので、もしかしたら意外と早く死んでしまうかもしれません。特に米国などが金融制裁などを貸してきた時には、かなり厳しい状況に追い込まれるでしょうね…

    金融制裁は戦争の直接の原因にもなりますけどね…(๑¯ω¯๑)


  • 編集済

    筆者さんは中国についてもっと多くのことを知る必要があります。私たちの置かれている体制によって、ものごとを見る態度が違うのかもしれない。
    経済発展には強力な政府が必要だが、独裁的な政府ではない。
    アベノミクスはなぜ99%が成功するのか?
    安倍首相が強力で強力な内閣政府をつくり、国会を大きくコントロールできる政府になってこそ、一連の経済刺激策を成功させることができる(もちろん、東京五輪が成功すれば、アベノミクスは完全に成功する)。
    中国もそうですね。ただ中国という強力な政府の持続期間は世界中のどの国よりも長く、常に国民に安定感を持たせ、すべての国民が国家として強いのです(もちろん、事実もそうです)、この国で誇りに思う。
    中国には民主はないと……すみません、私はこの観点をあまり認めていません。もちろん、異なる政治体制の下にいる人々は、物事を見る態度や角度が常に異なり、理解できる。
    中国では、どの政策も発表の前に様々なルートで民意を集めている。また、中国人民代表大会の人民代表は、自由世界で権力をもてあましている政治家ではなく、中国全土から選挙を通じて選出された。
    少なくともいくつかの面で、中国は民主主義の面で米国という自由世界の指導者よりも良いと思う。
    経済発展には民主主義が必要です。ただ中国の民主主義は、自由世界の国には存在しないように見える。
    しかし、私は資本主義と日本に対して偏見を持っていない。私が接する外来文化は両方を含んでいるので、多かれ少なかれ理解できる。日本人はかわいいと思います。
    まあ、資本主義は地球上で大活躍しているのだから。制度によって物事を見る態度が違うことは理解できます。
    もし私が何か言い間違いがあったら,お許しください。(^ω^)

    作者からの返信

    中国の友人よ(^^)/
    星、ありがとうございました。感謝致します…m(_ _)m

    まず「高瀬」という人間は、過去30年以上に渡って大陸中国と通商をしてきた人間です。まだ中国が発展途上国であった頃の事もよく知っています。そして2000年代になって「奇跡」と言われるほどの急激な経済成長を遂げた時、ちょうど中国人の友人も多数いました。特に中国の経済的に繁栄している地方政府のエリート中国人や学識のある教授などとも知り合いになれたことがあり、「彼らは知性が高い」と感嘆することもあった程でした。中国人は「頭が良かった」のです。なにより中国で何が起こっていたのかは、中国人がアスファルトもない道端で、食べるものに困っていた頃から、「上海新築ビル4000塔」の頃を経て、現在の綺麗で整備された巨大な大都市になるまで、そのプロセスそのものを見てきたという自負もあります。長年の知り合いのようなものです。

    中国を長年見てきて思ったのは「中国はパクリや泥棒で巨大化したのではない」という事です。無論、非常に真面目で有能(←これは日本人の、中国人に対して抱いているプラスのイメージ)だという事も知っていました。また行動力があり「動きながら考える」という攻撃的かつ積極的なアクティブさもまた評価されるべき、中国人の優れた特徴です。しかし中国の発展の理由を調べるにつれ、これらの美徳さえあまり関係なく、中国の現在の繁栄は「中国は日本の経済行動を実に丁寧に研究し、取り入れている」事を「カネの流れ」から理解することが出来ました。「中国人はカネの天才」だったから、現在の成功を手にしたのです。

    よって結論は「中国は国家破綻したとしても、戦後の日本のように直ぐに回復出来る」です。中国が滅びることは「ありません」。日本がそうであるように、です。これは直ぐに証明されるでしょう。新コロ(covid-19)が原因でいくつかの国は経済破綻します。この中に中国が入ることは「ない」と思いますが、万が一に破綻するかもしれません。中国は4000兆円もの有利子債務を抱え、国家破綻しないわけがない程、傷ついています。しかしそれでも「債務整理」すれば回復は可能です。もちろん、中国人に犠牲が出ますが、それでも国家は回復するのです。その理由が「インフレと国債の理屈を理解している」エリート層が中国にも存在しているからです。

    現在の中国は「完全な独裁国家」です。どこにも民主主義はありません。しかし国家が発展するのに「民主主義は必要ない」のです。ドイツ第二帝政初期や、大日本帝国がそうでした。これらの国は民主国家ではなかったのですが、急激な経済成長がありました。この時、例えばドイツ第二帝政の頃の1880年代、ドイツでは選挙権はなかったのですが、三保険法(疾病,労災,老齢・障害)が実施されました。俗に『ビスマルク労働者保険』と呼ばれる政策です。これは後の英国などでも福祉政策のモデルとなったものです。また大日本帝国においても1920年からは(男子のみの)制限させた選挙法が実施されています。しかしだからといって「民主的」というのは間違いです。ドイツ第二帝政にも大日本帝国にも「経済繁栄はあったが、民主主義はなかった」…それだけです。

    民主主義というのは「贅沢税」のようなものです。民主主義の成立を歴史的に見てみると、「カネを持った資産家が、自分たちの私有財産を国家権力から守りたい」というのが本質的な動機です。このために選挙制度を構築し、選挙によって自分たちの私有財産を守ろうという制度…これが民主主義の本質です。現在の中華人民共和国にないのは「私有財産制度」という事です。この「個人の資産を守る」という考え方を実践出来ない国は全て「非民主国家」です。

    我々日本人でさえ忘れていることなのですが、実は「大日本帝国の時代だけが、日本にとっては異常」ということです。この時代以外の全ての時代、日本人はリバタリアンでした。階級制度が存在していたために「国家主義的意識が薄かった」のです。実際、日本が欧米諸国に対して脅威を感じるようになったのは、中国が英国に敗けて植民地化され始めた「アヘン戦争」からです。この時以前に、日本人の中に「日本人」という民族主義が台頭したことはありません。逆に「個人の財産を守る」という事は普通にありました。いや、個人資産をどう守り、増やしていくかという「カネのことばかり考えていた」のが日本人です。サムライでさえそうです。常に日々の生活の事ばかり考えていました。

    このことから言わねばならないのは「政府によって施(ほどこ)しを受けて生きるべきではない。我々は政府の奴隷ではなく、政府によって乞食(Begger)化されてはならない」ということです。此処は新自由主義者が執筆したコラムです。「骨の髄までユダヤ人(=ミルトン・フリードマン)」だと思っていただいて結構です。
    よって現在の中華人民共和国は「政府が人民に施しを与える」のではなく、「憲法を制定し、この法律に従って国を統治すべき」であり、その憲法とは「個人の私有財産と権利を徹底して保証すべき」法=天賦の生存権の確立を根底においた国家であるべきであり、これが「人類の歴史の、ごく普通の大きな流れだった」ということです。

    国が国民に「権利を与えてやる」は間違いということです。

    よって経済発展がなされた国は、その発展の恩恵を庶民が保持・育成するために「別の政治組織」に移行しなくてはなりません。ドイツ第二帝政が第三帝国を経て現在の立憲主義国家に到達したのも、大日本帝国が消えて失くなり日本国になったのも全て「個人の(資産の保護と)権利」を保証する制度に移行したと考えねばなりません。

    現在の欧米を見ると、確かに「民主主義が劣化している」というのは本当です。欧米では左右のポピュリズムが台頭し、傲慢で尊大で他国に対して侵略的かつ干渉的な態度も目立ちます。しかしこれは、彼らはの民主国家の制度そのものに問題があるわけでは「ない」のであって、単に「欧米の政治家や人間たち個々人がバカ」であるという、単純な事実に過ぎません。制度の問題よりも「人格の問題」です。人が悪いのであって、民主主義(個人の資産を守る)という制度の持つ本質的な問題ではありません。この「個人の資産と権利を守るために、選挙制度を採用し、自分たちで自分たちの将来を決める」という「議会制度」こそが重要ということです。現在の中華人民共和国にはない制度です。大切なことは…

    共産党委員会が中国全土から選挙によって人民代表者を選ぶ ←間違い
    漢民族および全中国人が投票によって自分たちの代表を選ぶ ←正解

    これだけです。それには「私有財産の許可」が必要です。「国家<個人」の世界が必要です。なぜなら「国は簡単に滅びる」からです。ソビエトは69年で崩壊しました。大日本帝国は77年で敗北し消滅しています。これは日本人の平均寿命84歳よりも「短い」のです。これほど「もろい」国家という存在に、自分の存在証明を重ね合わせるような愚を犯してはならないのです。愛国心や民族主義は必要ないのです。「国破れて山河あり(国破山河在)」ということです。

    何より中国人は「実に資本主義的な人たち」です。中国人は「自分の生活と人生のために生きている」を実践している人たちです。中国人はアングロサクソン人に非常に似ているのです。よって中国人を政府が管理・統制しては「いけません」。中国政府だけがそれに気づいていないのです。「ワガママ勝手は悪いことではない」という真実に気づき、アメリカのように「わがまま勝手に振る舞う事」を「制度して保証する」事で、今よりもさらに発展出来るということです。

    政府や国の仕事は極限まで小さい方がいいのです。個人の活動の自由・思想の自由が出来るだけ実践できる国家が21世紀の国家であるべきです。あとはこの「小さな政府の役割」をどこまで広げるか?…だけです。新コロというパンデミックに直面し、やはり「高度な社会福祉国家は必要」というのが一つの結論になったと思うので、必然、政府の役割は大きくなりますが、それでも可能な限り小さい方がよいでしょう。資本主義と社会主義の良い所を取り入れる国家が必要で、このためにも民意を選挙で反映させるべきなのです。中国に唯一欠けているものがこれ(=全国民による選挙制度と政党政治)です。共産党独裁による支配ではなく、基本法による法治であるべきです。

    そして「法治国家」の方が、権力構造や国家は長生きする…という事も事実です。米国は200年以上も基本的には「あのまま」です。日本も戦後77年になりましたが、大日本帝国よりも長生きしています。つまり「長生きしたい(自分の権力を守る)のなら、民主主義の方が都合がよい」ということに中国共産党の皆さんが気がつくべきでしょう。安倍は政治家の一族で、いわば「貴族」です。日本においても権力闘争はありますが、それでも「家系として、安定して代々政治家をやり続けることが出来る」のです。つまり中国共産党の皆さんも「世襲できる、より安定した政治権力構造」を求めるのなら、むしろ民主主義(議会制度)の方がよいということです。

    この弊害が出ているのが、現在のヨーロッパなのですが…(¬_¬)
    というのも、実は旧大陸は中国などよりも遥かに「悪の社会主義的な官僚階級組織の国家群」だからなんですが…

  • 前話に続き楽しく読ませて頂きました

    この「経済成長システム」誰が考え出して日本で誰が上手く回したのかが非常に気になるところです

    作者からの返信

    ココロモチ様、ありがとうございます…m(_ _)m

    さて、この経済成長システムですが、実は僕も「誰が?」に関して言えば「判らない(´-ω-`)?」なのです。というのも経済史を紐解けばケインズ主義、マルクス主義、新自由主義それぞれに大家がいて、多数の派生する理論家と分析・研究する多数の機関があるのですが、いざ実際に経済主体として実施するとなると『官僚』『政府』に一任されます。つまり理系のような『実験室で研究員がこもって調べている』ではないのです。経済学者はあくまで助言に過ぎません。そして日本であれ、日本をリスペクトして空前の大繁栄に到達した中華人民共和国双方の『誰が?』この成長システムを自信をもって完遂したのか不明なのです…。

    特に日本の場合、ほぼ前例が無かったわけで、しかも理論に先行する形での実証例も少なかったでしょうから、戦後のこの繁栄をもたらしたのは間違いなく帝国の教育システムの恩恵だと考えるべきでしょう。当時は現在のように、日本の庶民一人ひとりが相当程度のリテラシーをもって自由に情報発信する時代ではなかったですし、それは知性の裾野の狭さでもあったわけで、現代程の知見もないのに、よくやれたよね…とは僕も思います。

    また中国人は「さすがに鋭い」と褒めるしか無い連中です。よく日本の事を研究しているなぁ…と感心することばかりでした。
    中国現代経済史は、中共が独裁的であり、情報の開示がいい加減で作為的なため真実がつかみにくいのです。しかし限られた情報の中から可能性を探ると、もっとも高確率だったのが今回の話…すなわち現代中国の繁栄は、戦後日本のパクリという結論が妥当かと思われます。GDP世界第二位の国を徹底的に研究したので、世界第二位のGDP大国にまでのし上がった…という感じです。

    この内容はもともとは大変人気のある二話数でした。謎多き中国への好嫌の違いはあるにせよ、彼らの大繁栄の理由を通貨的現象から考えてみる試みに多くのPVを稼がせてもらったものでした。何しろ謎が多い国でして、理解シにくいことも皆さんの興味を魅いた理由かもしれません。

    しかしおそらくは、この解釈がもっとも正解に近いのではなかろうか?…との自負があります。彼らは普通ではなく、彼らの辿った道筋を丁寧に調べる必要があったのです。しかし調べてみれば何のことはなく、「どっかで見たことのあるような歩き方」でした。日本をリスペクトしていれば、日本人なら理解しやすいからです。
    そして中国が超金持ちになったことは判っていても、なぜそうなったのか? なれたのか?…に対する検証はおろそかすぎたのではないかと思うのです。

    現代中国経済史は常に新事実が出てくるはずで(隠匿体質の強い独裁国家なので)これからも随時、アップデートしていくつもりです。万が一に、相当程度違う内容があった場合には(無いと思いますが)、さらに一章まるまる作り直すつもりでさえいます。

    現代中国経済を知ることは日本を知ることでもあります。中国は日本の遙か先まで逝きました。GDPの300-400%にも及ぶ莫大な官民債務を抱えていることです。日本の倍の比率・倍以上の金額と、数倍の利払い負担に空前の額の外債を抱えるという『事故物件』でもあります。
    この極めて困難な国家をどう運営し、最後、どのような結末を迎えるのかを、今度は我々が学習する番だと思っています。

    債務との戦いに挑んだ中共から、我々が学べる戦訓があるということです。無論、中共の死に水をとってやることに等しいかもしれませんが…m(_ _)m

  • あるSF小説を思い出しました。そこは数百億人が暮らす破滅に瀕する世界。破滅を防ごうとする主人公に立ちふさがるのはかつての恋人。多大な犠牲が必要で不確実な主人公の作戦に、彼女は異を唱えます。
    「数億人が死ぬかも知れない未来より、数百億人が1年生き延びる方を選ぶ」

    ……超マクロな人道的視点からすれば、それは正しいロジックなのかも知れません。中国のロジックは「たまたま」そうなったのでしょうが。

    なお、ネタバレになるので、そのSFのタイトルは省略します。

    作者からの返信

    尻鳥様、いつもありがとうございますm(_ _)m

    中国の歴史は非常に過酷で、善人でさえも報われること無く死ぬことがよくありますからね。中国人は悪い人達ではなかったのですが、社会は間違いなく悪徳はびこる良くない社会でした。よって彼らは僕らの何倍もの努力と情熱が必要でした。その意味では偉大な人達です。ただし、僕は別の方の言葉も思い出しました。

    『詐欺師は儲けのシステムの信頼性を常に強調するが、
     人を騙すものはシステムではなく、常に人である』

    ・・・複雑で、難しい社会でした。中国はm(_ _)m