とても面白いし勉強になります。
自分も宇宙戦艦ヤマトが大好きなので楽しく読ませて頂いてます。
作者からの返信
こちらの方こそこっそりと拝読させて貰ってます。勉強させてもらってます。長く拙い文章で申し訳ありません。宇宙戦艦ヤマトは実にタメになる良作だと改めて実感しております。西崎さんという右寄りの方が主導して作ったにしてはイデオロギーの色合いが薄く、デスラー戦法などの魅力的な要素もてんこ盛り。しかも意外とヤマトの諸君が反地球連邦的だったりと汎用性が高いように思っています。なのでここに国家運営の要である経済の要素を組み込んでみたいとは常々思っていました。むしろ皆さんからのPVの多さに感謝しています。これからも仲良くしてやってくださいm(_ _)m
ガミラスの悪夢は去ったけど、こんどは各国政府による自国民の締め上げによる悪夢の始まり。
各国の金融担当者はきっと国民から命を狙われたんじゃないですかね。
あいつらが、俺たちの金を巻き上げてるんだ、と。
みんながみんな、日本人のようにおとなしい国民じゃぁないですものね。きっと焼き討ちとか、殺し合いとか、金融関係の人間は何人も命を落としたんじゃないでしょうか。でも、それをしないと、世界中の国家が破たんしちゃうし。どれだけ将来を見つめて、命をかけて行動できる役人がいたかにかかって来そうです。
作者からの返信
ぬまちゃん様…m(_ _)m
本当にいつもありがとうございます(^^)/
おかげでスレが埋まり、解説の増補も出来てワイとしてもとても助かっています。ただ、長くなりがちなのは申し訳ないのですが…(^_^;)
この問題は結構重要と考えています。国家の債務はどうやって減らせるのか?という話だからです。
んで、ワイが調べた所、国家の債務の消し方は二つしかありませんでした。「高インフレ(ハイパーインフレ)」か「踏み倒し(デフォルト)」だけです。前者は戦後の日本や英国・フランス、イタリアなどがそうであり、ドイツも1948年にはデフォルトしていますが結局、その後のインフレで戦時債務を抹消することになりました。他方、後者は絶対王政のころのフランスなどでよくみられた手法です。現在でも「ヘアカット」という名前で一部債務不履行(踏み倒し)をすることもあります。
国債という借金をどうやってやっつけるか?…の場合、結局は債務の額面(+金利)分以上の経済成長をすることで埋め合わせる…という事になります。経済成長するということは我々の銀行口座の「0」の桁数が増えることで、同じことは国家でも言えます。WW2の日本の戦時債務総額は約7,800億円と言われていましたが、いま7,800億円は大企業が利得計算などで扱うレベルのカネです(爆)。しかしまだ70年少々しか経っていないことを考えれば、一世紀にもならないうちに日本のGDP約21,000,000,000円(1940年)→約540,000,000,000,000円(今年)まで増えていることを考えれば、70年前の7,800億円の借金は「いまや大企業の社債のレベル」ということになります(爆
このため「だったら日本国債を100年間寝かしておいたら良いじゃんか…ಠ_ಠ;?」という話になると思います。実際、それができればベストなんですが、民間が政府の借金を背負っている(国債を購入していた)としたら「100年経ったら殆ど価値がない」という事が判ってるので「馬鹿高な金利をくれ!」という話になり、その金利で国家が破綻するというリスクが出てくるということです。長期国債の金利が高い理由です。インフレで摩滅する価値以上の金利くれ…ということです。
そこでこんな話題を…m(_ _)m
日銀の国債保有、初の5割超=家計金融資産2005兆円―9月末
https://sp.m.jiji.com/article/show/2869198
ごく一時的なことなので特に気にする必要もないのですが、ここで少し補説できればと思います。
よく言われることに「国債は政府の借金。民間の資産」という事で「だから日銀が購入すれば消滅する」と言われることがあります。これは「間違い」です。日銀は民間金融機関であり、また国債は日銀に行っても消滅するわけではありません。しかし似たような結果になるということは本当です。
国債は借金なので金利払いと償還が必要です。また毎年国債を発行しているので毎年〜てか発行時から年限(満期)になれば必ず償還が来ます。よって10年モノ国債を購入していたら、その償還を日銀が受けるという事です。この「政府から日銀への(金利残金分を含めた)借金を返す」事でのみ国債は消滅していきます。ということは日銀は利払い償還分のカネをゲットできるということです。
いま日銀保有の国債が536兆円ほどあるらしいのですが、ならば日銀にはいずれ必ず536兆円+金利残金分のカネが入金されるということです。超ボロ儲けじゃないですか(爆死
ということは、国債が消滅するというのは日本政府が日銀に536兆円を支払って消滅するという事になります。ある意味、当然ですが…。日銀にとっての資産であり、逆に政府はこの分のカネを日銀に支払わねばならないということです。しかし日銀は3つの意味で普通の民間金融機関と違います。一つは「政府の仕事を事実上肩代わりしている」という事です。要するに政府の一部という事です。日銀の仕事は通貨供給量のコントロールによってインフレ成長と失業率を管理することなので、民間金融機関のように利益のみを追求するということではありません。これは日銀の最大株主が政府であり、政府が株主として(利益の極大化よりも)民間市場の安定の方を求める…と言い出したら、株主の意向を無視するわけにもいかないということでもあります。
2つ目は日銀法53条で「日銀が多額の収益を上げた場合、政府に自主的に返納する」という規約があることです。よってもし保有する日本国債536兆円+表面金利の残存分のカネを政府から取得しても、
「いらね ( ̄ー ̄)ノ" ゜ 」
…だったらほぼ全額政府に返金する事も可能ということです(爆
これではもはや中銀が抱え込んだ時点で国債は「ないのと同じ」ということなのです。一気に中銀に全額即金で還しても、「殆どいらね」と中銀総裁が言えば政府に返納され、事実上チャラになるからです。恐ろしいことに、これが管理通貨制度なのです(爆死)。ちな、この類いの条項はほぼ全ての国の中央銀行法に明記されています(ほぼ詐欺ですね、ここまでくると…)。
最期により重要なのが「民間市場の枠外にいる」という事です。日銀は「銀行の銀行」と呼ばれています。これは日銀の中に各金融機関が当座預金を入れる必要があることから来ている話で、日銀は当座預金量を始め銀行を直接監督し、また民間市場に介入して金利(インフレ)と失業(景気)を操作するのが仕事です。わかりやすく言えば、ポーカーゲームの「親」の役割が日銀の役割であり、各プレイヤー(銀行)にカネ(国債)を配るのが仕事+賭場を管理して公平かつ適正にバクチを運営すること…という感じです。なので中央銀行は民間銀行であっても「市場の外にいる」超然とした存在です。「親」なので何やってもOKという感じで、そのために財政ファイナンスや今回の日銀のようなYCCという裏技使っても誰も文句がいえないということなのです。
そして国債の金利というのは「民間市場」で決定します。政府の借金は「民間」の資産。なので民間で国債を「流通市場」でやり取りすることで政府の借金で民間が損しない仕組みがあるわけです。よって民間に国債の売買市場である流通市場があり、この時に国債で損した分(もしくは利得分でも)を補填・補完するために市場金利があると思えばよいのです。なので国家破綻の危機にある国の国債は暴落=(損失補填分の)金利上昇ということになるのですが、中央銀行はこの「民間」の市場の「枠外」にいます。
なら金利は上昇しないということです…(๑¯ω¯๑)
このため中央銀行(日銀)の中に国債をいくら溜め込んでも「特に問題はない」という話になり、実際、ノーベル経済楽賞受賞者のスティグリッツに至っては「日銀の中にある国債をそのまま破って捨てろ」とまで断言しています。これは彼らケインジアンらしい考え方で、中銀の中にある国債は(民間)市場において通貨(現金)と経済成長(インフレ)に成分分解した後の残りカスであり、中銀に溜まっていても特に金利が変化するわけでもないので国家破綻には結びつかない。そして政府から中銀に国債の償還費が入金されても、そのまま政府に返金される…というのならば「事実上、借金など存在しない」という事です。よって「破って捨てたのと同じ」という事なのです。厄介なことにこの理屈は「真実」です。
そこで大日本帝国と現在の日本との違いになるわけですが、単純に国債の流れが「逆」なのです。
大日本帝国の時には財政ファイナンスという手法を採用し、政府の国債を日銀が直接買い取りました。この後で日銀は「シンジケート団」という日本の民間金融機関百社少々にこの国債を買ってもらい、その後で各民間金融機関が一般市民(含む企業や証券会社など)に購入してもらった…という構造です。これだと「民間」という市場の中に大量の国債が蓄積します。これが国債の金利を上昇させ、敗戦になろうがならなかろうが結局は多額の債務が民間に溢れたことが原因で国家破綻するのです。
これに対して現在は逆で、まず政府が民間に国債を売却します。売却場所は日銀。日銀の中にある当座預金のカネを使うので、日銀に当座預金をもつ国内外の金融機関約200社くらいに公募します。ただ日銀の場合、他の国と違って「プライマリーディーラー制」というやや特殊な制度を採用しています。戦前のシンジケート団のようなものですが(てかシンジケート団はつい最近まで存続していた)PD制は「買ってくれる時に日銀に意見してもいい」という、民間が中銀=国家の金融政策に直接意見できるというのが普通ではありません。おそらく日本国債に不信感をもつ外国金融機関(ドイツ銀行とかクレディスイスとかモルガンとかと思われますが…)に対する慰撫工作なのではないかとワイは疑っていますが…
こうして市場にカネをばら撒き、また政府が公共事業などで仕事を創出した後で、市場にある国債を日銀が買い入れれば更にその購入分のカネがばらまかれてインフレ(成長)し、国債は日銀に溜まったまま上述の理屈で消滅していく。そして市場からは国債がなくなるので「金利は低下」し国家破綻も免れる…という「インフレ上等政策」ということになるのです。
この理屈があるために、今世紀に入ってからずっと日本は破綻すると言われ続けてきたにも関らず全然破綻しなかったと言うだけのことです。現在の制度なら国家破綻するはずがないのです。
いい事だらけのようですが、唯一の、そして致命的な欠点もあります。国債を民間から吸い上げるために「あらゆる金利が消滅する」のです。金利がなくなると投資リスクを犯すよりも、現金をタンス預金していたほうが得なので(←インフレにならないので延々とカネの価値が下落しない)カネを投資などに使わなくなる「流動性の罠」にハマって、使わない現金ばかりが増幅しデフレ地獄になるということで、まさに今の日本がそうです。経済成長しなくなるというのはそういう事です。
どっちがよいのか?…については此処では言及しません。判ってることは、いまの日本のやり方だと現金ばかりが溜り、国が豊かになるだけで、ある意味、日本が社会主義的資本主義(政府が民間の市場を引率するので)国家に化ける「完成度の極めて高い社会主義国家になる」ということくらいです。国民は皆、最低限のカネしかないので倹しい生活をし、国は金融政策の結果、国富を増強させた後でその富を福祉などの形でばら撒く「揺籃から墓場まで」国家になるという事です。
なお、そうなりかけたスウェーデンがどうなったか?
2022年、世界的な物資不足によってスウェーデンでもインフレになりました。もともとスウェーデンは世界で最初のゼロ金利国家で日本の手本になった国ですが、2017年頃には辞めて元に戻っています。しかし金利は正常化しても国民は長期デフレのために高税率で働いても国にカネをもっていかれ、所得水準がかなり低いままでこのインフレに突入し、あっという間に5%のインフレに悩まされてしまいました。国民の大半が低所得水準の時に高インフレになったために生活に困窮し、政権後退が発生したほどです。
日本もこうなるリスクがあるということです…(๑¯ω¯๑)
スウェーデンの研究は日本にとって意味があるということでもあるのですが…