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§3-2-7・最悪の債務事例を検証した総論〜第三章長いので、まずココを読んでください。日本の復活は、『金融面的事象に過ぎなかった』・・・ということでしたm(_ _)m」への応援コメント


  • 編集済

    結局、あれですね、国の債務は、国民にツケが回る。国民が、そのツケを払えるほどの資産をもっていれば、国民は死んじゃうけど、国自体は復活する。

    逆に、国民がツケを払えなければ、国が破たんして、結局、国民は死んじゃう。

    うーん、結局は国民にとっていい事は無いんですね。国の債務がデカくなると。だから、債務はほどほどに、ということかな。

    作者からの返信

    ぬまちゃん様…m(_ _)m
    いつもありがとうございます。

    ワイ的には「借金をしすぎた」が戦後破綻の原因と思っています。要するに金利の高い借金しまくった…という事です。この時に重要なのは「民間に国債および戦時公債を売却した」という事です。民間にばら撒いた為に市場金利が発生し、このために激しいインフレになったと考えるべきです。他方、現在は違います。国債の半分を日銀が保有しているということと、金利は日銀の当座預金の総量規制+金利の期間構造を用いた連続指値オペという操作をメインとするYCCによって抑圧されているということです。帝国の国家破綻とは真逆の政策という事です。

    ワイが思いますに、国家が破綻するかどうかは債務の総量以上に金利だと考えています。また大日本帝国の場合、政府が敗戦によって消滅したために起こった国内デフォルトであり、これはかなり特殊です。ドイツの場合、国内デフォルトは1948年であり三年ほどは持ちこたえており、しかもドイツは日本と違って1938年度末の会計で政府財源が尽きていた≒デフォルトだったにも関らず…です。日本の国債発行は限界を越えていたということでした。より重要な問題は金利の操作に失敗していた事です。いずれ本編でも話をするのですが、米国FRBはこの後、やはりGDPの四倍近い債務を抱えた後で「金融抑圧」という、現在の日本のような操作によって債務を抹消しています。とはいえ後遺症は大きく、結果として60年代にはインフレと不況を繰り返し、金本位制を放棄せざるを得なくなってることを考えれば、債務を適切な量でトドメておくことは重要なのだろうと思われます。

    適切な量というのは、ワイが思いますに「インフレ成長で抹消できる」量だと考えています。国債を成分分解すると「国債=通貨+金利(≒インフレ)」となります。そしてインフレは経済成長ということから、国債=現金+経済成長になるわけで、国債を発行し続ければ国民には現金資産が生成され、経済成長インフレで国力は増強する一方で国債という債務もまた消滅していくということだったのです。「消滅」とは、国債という「借金」も「カネ」であり、インフレはカネの価値が減衰することなので「国債の額面価値が事実上、物価高によって衰退していく」という事です。また償還によってある一定期間の後には(強制的に)ゼロになる…という事も重要です。たとえば主力10年モノ国債は後世に付け回す借金ではないのです。普通、一つの世代(generation)は30年を指すものであり、10年モノ国債は現役世代の借金です。

    「大日本帝国の成功例」とも言える奇妙な国家が現在、存在しています。トルコです。エルドゥアンは正に擬似的な財政ファイナンスのような政策を採用しています。つまりインフレになったら益々金利を下げたりトルコリラを大量に発行したりして市場金利を高騰させ、ますますインフレを加速させるという「普通では絶対やらない」経済政策です。普通の国でやらないのはインフレが庶民生活を苦しめるからです。しかしトルコはやっています。理由不明ですが、独裁国家だからというのが正解と思います。このためトルコリラは今世紀になって恐らく1/1000〜/10000くらいリラの価値が激減してるのではないでしょうか? 途轍もないインフレで、例えば「iPhoneの現在のトルコでの値段は20年前ならベンツが一台買えた」という程の値段だそうです(爆
    その代わりにトルコはEUなどに対しての輸出大国であり、かなり高度な産業国家化を成し遂げたのも事実なのです。トルコの経済規模は韓国とほぼ同じで、しかし韓国よりも産業の裾野が非常に広いのか特徴です。「トルコ、そんなに輸出してないだろ?」に関しては、トルコの国家政策の一つとして「目立たないようにしている」というのが大きく、EU内でも軽工業だけでなく高工業製品などで実はコッソリMade in Turkeyというのも結構あります(テレビとかの電化製品)。安いからというのがその理由の一つで、これもエルドゥアンの自殺的な「インフレ上等」戦略の賜物ではありますし、実際、エルドゥアンが輸出拡大と国力増強を狙ってこのような政策を採用しているわけで、その意味では国民の犠牲によって国力を増強する、まさに「インフレ成長戦略」を採用していると言っても良いわけです。

    実は大日本帝国が生き残っていたら、きっとこうなっていた…という実例です。

    激しいインフレが債務を抹消する代わりに自国通貨の価値を激減させるということです。ただ当時は金本位制だったので多分、円の価値がバンバン切り下げられていくのは間違いない話ではありますが(爆
    日本の場合、全債務の半分以上は日銀と公的金融機関が抱えているので、最悪、債務抹消(ヘアカット)という事も可能ということです。「外債がない」ということは重要なことで、このヘアカットが可能ということでもあります。

    ただしワイの結論は「YCCをやめ、FRBのように適切な市場金利を建てて持続的なインフレ成長を発生させ、債務抹消と国力増進+国民資産の増額を図らねば駄目だ!」という、ただそれだけです。

    今回の大日本帝国の話は「異常な例外」の事例であり、無謀な侵略戦争はすべきでないという結論なだけであって、現在の日本の債務問題とは本質が違います。環境が全く違うのです。同一視できる状況ではなく、現在の状況を勘案して日本と世界を考えるべきということでした…m(_ _)m

  • こんばんは。

    わかりやすいご説明ありがとうございます。m(_ _)m

    本編もですが、学校でお金や資産形成について教えるというのは、たしかに大事だな、とも感じました。

    作者からの返信

    efg1029様、コメントありがとうございますヽ(^o^)丿

    お金というのは人間を映し出す鏡だと思っています。なので、人の集まりである国家もまた『通貨』によってバラバラに解剖するのが良いと思うのです。このコラムのツボはこれです。

    学校で資産形成やお金の話をするときにも、お金はホモ・サピエンスという種族が使える最強の魔法で、自分や人のために役立てる事もできれば、他人を焼き殺すだけの怖い武器にしかならない場合もあるということを、咀んで含んで話をして上げるのがよいと思っています。

    肝心なことは「カネは水の流れのようなもの」です。
    水の量や水質を調べたり、流れ方を見ることは大事だと思います。仮に干上がっていたとしても、水が作った轍を調べれば、どういう流れがあったのかがわかります。このコラムは水質調査であり、地質調査みたいなものです。水との違いが「水は低いところに流れるが、カネは高いところに流れる」ということだけ忘れなければよいと思うのです。

    また、カネの流れを作るのは『契約書(含む保証書)』なので、契約書や保証人証書などは極めて重要です。カネよりも遥かに大事です。カネがあれば人生ハッピーという人は、契約書や手形、保証書(特に連帯保証人とかの契約)の怖さを熟知している人か、何も知らない単純すぎる人の両極端だろうと思います。前者の方が良いのは言うまでもありません。

    あとは人間、信頼・信用が一番大事で、カネよりも契約書よりも重要です。カネに汚い奴で心が奇麗なやつはいません。信用創造を旨とする現在の国家は、結局のところ、信なければ立たず…という社会です。ならば信用されるか、敵だらけになったとしても最後まで筋目を通すべきだと思うのです。要するに、信用できる人間、信頼できる人間は領収書と銀行口座を堂々と税務署に持っていける人間…ということなのかもしれませんね(^_^;)

  • 目からウロコ、パンツでベンツ運転みたいな衝撃受けました。

    作者からの返信

    @TRADEWIND様、いつもありがとうございます…m(_ _)m

    勿論、金融整理したから全てがうまく言った…というつもりはありません。日本人の元々持っていた忍耐強さや緻密さ、不屈の闘志といった精神的な側面や、帝国の頃より培っていた産業技術や資本、なにより人的リソースなど多彩な『資産』があってのことです。しかし、金融整理のおかげという側面を無視すると、歴史が理解できません。
    よく言われるのは「アメリカと戦って復活出来た国は日本(とドイツ)くらいしかない」といわれ、「何で日本だけ強国に復活できたんだろ?」はよく言われることです。この理由は国民が持っていた技術や資産、能力や特性の他に「債務整理したから」という納得の理由があったわけです…(^o^;
    特にここまで徹底的に債務整理した国はありません。よって今日の繁栄が約束されたのです。現在でもGDPで世界第三位ですが、帝国の頃は5-6位でしたし、アジアにおいては常に中華民国(中国大陸)の方が日本より上でした。そう考えても、現在の状況は「満更でもない」のです。
    あとは我々が「債務」と「インフレ」を通貨的現象と捉える考え方を身につければOK…ということだと思います。

    というわけで、これからもぜひともよろしくお願いいたします…m(_ _)m

  • 納得のまとめでした^^
    それと、石炭! 自己調達出来たってのは、大きかったのですねぇ(^^;
    軍艦島とか数回行きましたけど、ほんと大事な産業だったのだなあ。

    作者からの返信

    >納得のまとめでした^^
    大感謝ですm(_ _)m 本当に感謝致します。ありがとうございます。まさにこのセリフのために書きまくっていたわけですから^^
    本当のことを言えば、『エネルギーと金融は人類文明にとって特別』『国家破綻したなら税金ふんだくって金融関係を救済するしかない』『財政破綻とは(固定相場制の採用や国家総力戦という戦争を含めた)間違えた政策によってもたらされる』・・・この三つだけが人類の歴史だった、というだけのことでした。でもこれでは歴史の教科書はかけなくなってしまう訳です。たった三行で終わりなので。逆に言えば、この視点から歴史を見直す事が必要と考えています。

     もし中高校生が歴史の教科書の現代史を読んだ時に「でもなんで日本は戦後、驚異的に復興できたのだろう?」という、漫然とした謎に対する(高瀬なりのですが)回答ということになります。山川の教科書では現象面を的確に記述しているものの、理由については全く書いていないからです。「全部、カネ。通貨の問題」とは書けなかったのだろうと思います。倫理的にも、です。

     そしてこれが、なろうやアルファポリスのように年齢層が高いところではなく、より若年層が多いカクヨムに投入しはじめた理由です。若年層目掛けて「通貨の供給という側面を重視して歴史を見直してみるべき」という話しをしたいわけだったのです。未来史ですが。オトナは如月様のように『読めば判る』人ばかりですので心配していませんm(_ _)m

     あと石炭に関してですが、日本はいまでも結構残っています。温暖化や採取コスト高、現場作業の危険性などから石油や水力・原発にとって代わられたのですが、潜在量から考えると国内で自給できるエネルギーです。あと千葉南部などにはガス田がありそうですしね。そもそも日本は地震・火山噴火など自然災害の多い気の毒な国と言われがちですが、事実は逆で『金・銀・銅や石炭などが国土面積に比べて圧倒的に多く、その全てが地質構造によるもの』で、日本の国土面積は全世界の1/360程度しかない小さな島国ですが、銀や銅は世界の1/3くらい産出していたこともあるくらいです。そりゃあクビライ・ハーンが占領したいと考えたりする気にもなろうというもの? ちなみに銀は石見銀山とかです。いまはもう全部掘り尽くしただけのことです。地震や火山噴火がなければ、この資源量の蓄積は無かったわけで、津波に関しても、海洋プレードの移動で『メタンハイドレート』なる次世代のエネルギーが向こうからこっちに近づいてきた、この結果・・・と言えなくもないということです。あとは地震・津波に対する対策があればよいということです。これは技術でカバーするしかなく、そのためにも金融機関の国家的強化が必要ということです。

    ・・・まあ、石炭は食べられませんからね^^;