豊富な知識を平易な文章で匠に語られているのもさりながら、文章全般に漂うアイロニーな感じが最高です。読んでると脳内麻薬がビンビン吹き出ます。ぜひ書籍化して、ついでにサイン会をやって下さい。ぜひお会いしてお話したいですね(藁)
作者からの返信
@usaginopero様、本当にありがとうございます…m(_ _)m
このコラムは始めから「書籍化を全く考えていない」という、これまたカクヨムでおそらく唯一の立場ですので、これほどまでにアイロニーでシニカルな表現が出来るわけでして(爆)。サイン会やったら、よくて妨害、最悪、刺されるでしょうね(笑
さて、この話なのですが、どうやら事実はもっと厄介そうな予感がしてきました。この話を書いたのは2018年の中旬くらいで、当時は世界景気は大変よく、またドイツ銀行の件に関しても「あくまでもウワサ」という程度の内容でしかありませんでした。勿論、調べた上での記述ですが、僕でさえ「ありえねーんじゃねーの?」と思うような内容でした。しかし2019年11月現在、かなり現実感のある話となってきてしまいました(汗)
ドイツ銀行は数年前まで、株価が30ユーロ程あったものが現在6ユーロ。しかも二万人近くのリストラを行ったにも関らず、一向に業績が上向いていません。これには理由があり、ドイツも著しく景気が悪化していて、これに対する金融的対策の一つにマイナス金利の導入というのがあります。日本よりもさらにマイナス率の高い『深堀り』という状況です。当然、金利がマイナスなために、主に利子収入によって成り立っている銀行としては業績の回復のさせ方がないというのも事実です。特にドイツのように、世界的に展開しているのがドイツ銀行とコメルツくらいな国家の場合、なかなか難しい状況に陥っていておかしくはないでしょう(事実、コメルツもまたドイツ銀行と同じ程度に苦しい状況)。
と同時に、これまた『不良債権化しやすい証券』のような爆弾を相当抱えているらしい…という話が出てきました。CLOと呼ばれるもので、要するに『銀行債務のサブプライムローン』のようなものです。他の銀行が抱え込んだ『焦げ付きやすい債権』を『証券化』して売買することで、この時の現金収入もしくは高い金利収入をゲットするというものですが、これを相当抱え込んでいるのではないかとされているのです。
CLOは僕も数年前から追いかけ回していたのですが、最近になってようやく表面化されるようになり、手法がリーマン・ショック時と同じということもあり『最悪の時には、かなりのリスク資産に化けやすい』厄介なものです。判っているだけでも約70兆円規模とされ、そのうちの1/4が実に日本の金融機関とされています…
アカン…┌(_Д_┌ )┐
筆頭は農林中金で約8兆円程度は抱えているらしく、日系だけでトータル20兆円程度は持っているとされています。かなりの金額で、しかも大変危険です。つまりこの次にリーマン・ショックのような状況が発生した場合、日本の金融機関も大打撃を受けるということです。
しかし世界…特に欧州の金融機関はこの数倍〜十数倍もの債務を抱えているのではないかというのが、実は本当に恐ろしい事で、このCLOなどは『飛んだらヤバイ』というだけの『帳簿上は健全に見せることも出来る』案件です。よって今の段階では『真の危機がどのくらいなのかがさっぱり判らない』ということなのです。事実、このようなデリバティブの市場規模は6-7京円(=6-7万兆円)という規模と想定されていて、最悪、これが全額焦げ付いただけでも全人類のGDPのおよそ10倍もの債務を、全人類が抱えるということになります。実際にはこの時の金利負担分および、契約によっては多重債務化することが懸念され、この数倍にさえ膨れ上がるかもしれないという話になってくるのかもしれません(爆
これならばドイツ銀行が5,000-兆円もの債務を最終的に抱え込んだとしても、なるほどおかしくはないかもしれませんね。いや、金額の規模がデカすぎて、書いてる僕たちの方がアタマ、おかしくなりそうですが(爆)
この内容が本当に正しいのかというのは、実はこのコラムの中でも「間違えていたら、どーしよ?」と思わなくもない内容でした。なにしろ一年前までは「あくまでウワサで、ありえーねのでは?」と流石におもったものでしたので…。しかし一年後の今となっては「あくまでウワサで終わって欲しいんですが?こんなの、ありえーでしょ?」くらいに成り下がっているという恐怖(爆)
現在、世界経済の全ての指標が「数年以内にリーマン級の世界恐慌が発生する」を暗示しています。大変よくない状況です。つまりこのリスクが顕在化する可能性が現実にあるということです。その時、どうなるのかは判りません。しかし阿鼻驚嘆の地獄になることは間違いないでしょう。イールドカーブの逆転現象という、ほぼ確実にリセッション入りを示唆する状況が今年の五月末くらいに発生したとされ、通常はおよそその80-85週後にはリセッションになるのが普通なので、これから逆算すると来年の今頃は…
…((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル
この次の金融危機もまたおそらく、この分だと欧州から始まることでしょう。なにしろコイツら、ドイツ銀行を始め軒並み多額の『隠れ借金』抱え込んでるみたいですからね。世界統計では既に1.9京円もの不良債権を官民(←政府・地方および企業と個人)が抱え、主に不動産バブルの結果とされています。厄介なことに「この中には金融機関の債務は全く含まれていない」ということです。そして官民の債務は究極、全て金融機関の債務に化けるのです。その総額は推定で3京円(←30,000-兆円)。しかも毎秒数百億のスピードで増えていっているという悲惨な状況。
さてさて、これからどうなることやら… ┐(´ー`)┌
とても面白く興味深々です。
作者からの返信
@TRADEWIND様、ありがとうございますヽ(^o^)丿
実際、ヨーロッパは相当多額の債務を抱えているようです。特に銀行や金融機関がそうで、以前からドイツ銀行だけでなく、RBS銀行などもリーマン時に300兆円近い損失だしたとか、ノルデアのような超メジャー銀行も債務を抱えて四苦八苦しているという話はよく聞こえてきます。銀行の債務は焦げ付かない限りは「融資」と言ってもいいわけですし、CLOのように、銀行の債権を証券会社に売却して世界中にばらまくという、まさに銀行債権のサブプライムローンのような手法も確立しているので、実際どのくらいの債務があるのかわからないくらいです。全く調べようもないのですが、1京円くらいはあるのでは?とされています。この他にも官民債務の総額が約2京円ほどあるようで、この債務が全部破裂することはなくても、かなりの部分で焦げ付いたりしたら、それは終局、銀行の債務ということになるわけでして、未来はかなり絶望しかない…ということかもしれません(^o^;
経済の好不況の波を考えても数年以内に大規模な経済破綻が起きる事が予想されています。2020-21年ではないかとされているのですが、この時もまたヨーロッパの銀行から経済恐慌が発生するのではないかと危惧されています。
欧州の動向こそ注目すべきと思っています…m(_ _)m
金融業が強い国と言いますと、詳しくないのでスイスが浮かぶんです。しかしスイスは小銀行が多く安定した巨大バンクがあるのか……うん、分からん。スイス銀行ってなかなか知名度高いですから、いつか軽く教えていただきたいです。
作者からの返信
爆撃project様、いつもありがとうございます…m(_ _)m
実はスイス銀行に関していえば「よくわからない」です(爆)
いや、知ってますよ。ある程度は。ただ、守秘義務とスイスの銀行自体が強力なギルドのような組織であって、個々の実態が株式債権の動きで判ることはあっても、中がよく分からないんですよ…(TдT) ここはなんか中世風です。
ある程度は語って聞かせることも出来るのではないかな…とは思っていますが辞めてます。間違えたこというのは良くないと思いますし、知ったかぶっても意味ないので。むしろスイスの銀行に関して遥かに詳しいプロの方が降臨してこないかな〜といつも思っているくらいです。
ただし、僕はかなり汚い仕事もしてるのでは?と『勝手に』予想はしていますけどね…。奥歯にものが詰まったような物の言い方で申し訳ありませんでした…m(_ _)m
ブラックゴーストの株価!
考えたこともなかったです、面白い観点をありがとうございます!
作者からの返信
上原様、ありがとうございますm(_ _)m
こちらこそ【株エッセイ】拝読させて頂いてもらってます。非常に興味深い内容で価値あるものだと感心しております。いよいよ米国のイールドカーブのフラット化というのも見えてきた昨今ですので、正直、将来が不安です。FRBは3%までは上げるつもりらしいですから。米国の諸国との貿易摩擦もある意味、懸念材料でして、来年度ははたしてどうなることやら、と・・・(;_;)
EUの経済的な屋台骨は、結局はドイツですものね。
ドイツこければEUもこける。
経済を回すための燃料である、金融を動かすためには、やっぱり銀行ありきなんですね。
ううん、勉強になるなぁ。
作者からの返信
ぬまちゃん様…m(_ _)m
いつも本当にありがとうございます。感謝でございます。ワイ的にはこうして皆さんからコメントをいただく事で自分なりの研鑽と、時間経過によって判ってきたことの(とても重要な)メモ書きの二つの意味があります。
2022年現在、新コロ+ウクライナ紛争によって欧州は極めて深刻な経済不況を迎えています。この記事を書いた段階ではまだ気づいていなかったのですが、ドイツはこの状況下で貿易黒字を出し、対外純資産が日本に次いで第二位(以前は中国だった)。そして低成長で低金利政策ということのようです。これは20年くらい前の日本の状況にそっくり…ということであり、ということは「ドイツは実は日本と同じ程度〜GDPの二倍くらいの政府債務を抱えているのではないか?」という強い疑念を生じさせます。ドイツ人の生活は質素であり、むしろケチなくらいです。豊かではないのです。他方、ベルリンなどは本当に街が汚く、街路灯やら道路がボコボコだったりと公共サービスが行き届いていないのは「黒字を出しているのに公共投資してないのは不思議?」という事であり、所得の伸びも低いまま+貧富の格差が拡大しているという構造もある意味、日本に似ています。
現在も調査中なのですが、ドイツはなにがしかの簿外債務を抱えているのではないか? もしくは多額の債務(と債権)を抱え込んでいるために「似たような状況の日本」と同じ展開が後追いで発生してるのではないかと考えるようになりました。勿論、公式にはGDP比率60%以下とされていますが、それにしては数字や状況と全く合わないと思うのです。
いくつかの目安があります。ユーロの対ドル・対円価格決定のメカニズムの一つなのですが、ドイツとイタリアの長期国債の金利差が大きくなるとユーロ安、逆ならばユーロ高というのがあります。これは多額の債務を抱えて吹っ飛びそうなイタリア(なので金利が上昇しやすい)と、安定テッパンのドイツ(金利が上がりにくい)との国力の差でヨーロッパの景気後退を占う先行指標の一つとされています。現在はこの差が大きくなっているために(つまりイタリアが危ない)ユーロ安という流れなのですが、ドイツは同時に低金利政策を取り続けていて、いまの日本と状況が同じです。このため物価高も相対的にはイタリアより低いままです。しかしドイツは日本と違い、エネルギー資源のかなりの部分をロシアに依存しているために今年の冬から急激に燃料代が上昇、そのまま景気後退に陥るだろうと予想されています。この状況ではドイツは金利を上げることは阻止したいはずなので(インフレが爆発的に進むので)低金利政策は維持したままになるのではないかと思われます。
以前から申し述べている通り、低金利政策下では流動性の罠に陥り、投資が進まなくなるため成長力が鈍化し、国民の所得(特に下層労働者の手取り)が伸び悩む…という事が発生します。これは日本も同じなのですが、もし此処に急激な燃料不足に伴うインフレが発生したとしてます。インフレは物価高であり、特に食料代・燃料代が高騰すると金持ちよりも貧乏人の生活苦が激増します。ドイツはこの状況に陥る可能性があり、このままでいけばスルスルとインフレ上昇+景気後退のままという(準)スタグフレーション下になるかもしれません。もしこうなった時、それでも政策金利を上げることが出来なかったとすれば、それは「ドイツが多額の債務を抱えていて、この金利負担に耐えられなくなる」という日本が抱えているのと同じ理由から「政策金利を上げない」という判断がなされるかもしれません。他の国は低金利政策をやめつつあるのにドイツだけがやってる(1%以下)のであれば、何か普通でない状況がバックボーンにある「おかしい」状態という事になるかと思われます。
ドイツの政策金利の推移
https://www.ceicdata.com/ja/indicator/germany/policy-rate
…(・∀・)ニヤニヤ
もう一つ謎なのはヨーロッパの債権の立て方です。日本のような普通の国は、国民の代表たる政府が国債を発行し、中央銀行がこの国債等に従って紙幣を印刷するというプロセスなのですが、EUは違います。EUはECBというヨーロッパ全体の金融組織(欧州の主要中央銀行の集まりみたいな組織)があり、ここがユーロ債を発行します。またイタリアなどの弱い国を救済するためにイタリア国債を買い込んで支えたりもします。しかしこの時のイタリア国債を購入するプロセスが「異常」なのです。
日本の場合、日本政府の国債は市場を通じて日銀が公開市場操作などで購入します。もしイタリア単独ならばイタリア中銀が市場からイタリア国債を購入することで市場にリラ(かつてのイタリアの通貨)を放出。これで市場に資金供給をするのですが、ECBは違います。ECBが救済目的でイタリア国債を購入する場合、購入総額を決定した後でドイツやフランスなどのECBを構成する主要国の中央銀行が、このECBの買い込んだイタリア国債を買い取る…という構造なのです。要するにイタリア国債を(余力の大きい)ドイツ中銀が購入するということです。この場合、130兆円近い米ドルを買い込んでる日本と似て非なるのは「イタリア国債という、普通なら余り買いたくないジャンクっぽい債権をドイツは買い込まねばならない」という事で、世界のテッパンたるドルを大量に購入し、ドルの高金利からの利回り配当にウハウハの日本とは全く違うリスキーな出資をドイツは強いられているということを意味します。
ワイはこの点を持ってして「EUもECBも長続きは出来ない」と断じているわけですが、そもそもこれではドイツがジャンク債を高づかみしているという「大損」の構造でしかないということです。多額の損が出ていておかしくないということです(爆)。勿論、イタリアが経済回復してイタリア国債が安定してくれば放出すればいい…と言われそうですが、債権の放出という出口戦略は同時にデフレを招くということでもあり、各国のナショナリズムと予算の兼ね合いからして、GDPにして1600兆円規模のEUをGDP450兆円のドイツで支えられるのかは微妙なのではないでしょうか?
この辺はさらに調べて見るつもりでいます。しかし「おかしなことやっとる(by どんでん)」な事は間違いないと思われます。この後のEUの展開は非常に興味深く、ワイもどうなるか見極めたいものです…(・∀・)ニヤニヤ