「なぜ日本経済は絶対に破滅しないのか?」について宇宙戦艦ヤマトの世界観を使って、イヤになるほど説明する!
§3-2-3・戦争は全く関係ない(その2)〜なぜ鈴木商店は潰れ、260兆円とか5000兆円とか負債を抱えていると噂されるドイツ銀行は救われるのか?
§3-2-3・戦争は全く関係ない(その2)〜なぜ鈴木商店は潰れ、260兆円とか5000兆円とか負債を抱えていると噂されるドイツ銀行は救われるのか?
前回の続きです。。。m(_ _)m
では逆に『戦争』で、実際に利益をあげるのは誰なのだろう?
国家か? 軍産複合体か? 実は一般に流布されているように「国防関連企業だけが潤う」みたいな事にはならない。儲からないとは言わないものの、「軍産複合体があり、己が利益のために政府と結託して戦争したがっている」というのは勘違いだ。
ましてやユダヤ人が世界を牛耳っているとか、世界には秘密結社があって彼等が戦争を操って利益をあげ、世界を影から支配している・・・などというのは(当たり前だが)有り得ない。
さしあたり結論めいたものを言うのなら、『敢えて言えば金融資本家』であって、他は『運が良かった』か『おこぼれを拾った』程度のものにしかならない。これは国家も含まれる。
その話をする。
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前述の例を引く。第一次世界大戦時、漁夫の利を得た日本において、最も富を得た企業は鈴木商店だった。彼等は三菱や中島とも違い、軍産複合体ではない。ただの総合商社だった。
「長期の戦争なら株は買い。短期なら売り」とは相場の格言だが、第一次大戦勃発時、殆どの人間は短期決戦で終わると見ていた。普仏戦争の時のように
その富は三井・三菱の資産の合算を越え、大日本帝国のGDP(に相当するものの)一割に達した。またスエズ運河を航行する商船の十隻に一隻は鈴木がチャーターしたものと言われたほどだった。
鈴木商店の特異なところは三井・三菱系財閥と異なり独自の銀行を持たなかったことだ。三井・三菱がいち早く銀行業に手を付け、銀行を中心に資本を再編成したのに対し、これまた「ナゼか?」鈴木商店は資金繰りを主に台湾銀行に頼っていた。理由は不明だが、台湾銀行は不明朗な貸付を繰り返していたので、これで事足りるとでも考えたのであろうか?
自前で健全な銀行を構築するよりも、テキトーにカネを貸してくれ、しかも半官半民の国策銀行ならば、何があっても大丈夫だろうとでも考えたのだろうか?
結果、資本の蓄積と再編成に失敗した鈴木商店は消えて亡くなった。1927年のことだ。鈴木商店のメインバンクである台湾銀行が融資を引き上げたからだ。これには鈴木のライバルの三井による資本引き抜きに屈した台湾銀行が、鈴木商店を切ったからだとされているが、鈴木商店にそもそも債務不履行の危険があったというのが真相だろう。
総合商社という業態は日本特有のモノとされているが、実のところ財閥は金融資本を整備することでちゃんとグループ化を図っていた。特に当時は必須だったと言える。鈴木商店はコレを怠った。総合商社のままで金融再編をしなかったのだ。
それはつまり『金融業』を結果として軽んじていたからと言える。戦争によって儲けたが、金融再編に失敗したから消えて無くなった・・・筆者はそう言いたいのである。
それはつまり、戦時であろうと平時であろうと、民間企業だけでなく国家においても唯一特別なのは『金融業』ということでもあるのだ。
金融業は戦争で儲け、平時に儲ける。悪いことしても儲ける。ごくまれには良いことだってする。並大抵の悪党ではないのだ。
1990年代半ばに起こったアジア通貨危機の時のように、韓国や東南アジアの国がデフォルト起こそうが、リーマンショックの時のように世界経済が破滅しかかろうが、連中はしったことではないかのように悪どく、しかもルール無用・情け無用に振る舞ったりもする。その挙げ句、困った時には国民の税金で救われてしまう・・・。
この世の正義はどこにあるのか? と問いたくなるが、それでも金融が国家の要で有り続けるのだ。他の産業ではない。他の産業はいくらでも変わりがある。例外はエネルギー産業だけだ。ある業種は消えて失くなり、またある業種は新たに生まれてくるだろう。しかし、金融業だけは絶対になくならない。どんなに悪どくても失くならない。なぜなら、『悪どさ』は金融のもつ(負の)一側面に過ぎないからだ。
健全であれば国家の役に立つ。つまり人の役に立つのだ。
なので、戦後の混乱期に日本人の血税を使って金融業を中心に債務整理をしたことは正しい。
これは日本が今後、もし国家破滅に至った場合でも、やはり最優先にすべきことだ。そして日本よりは遥かに危険な中華人民共和国やEUでも同じことは言える。
※ ※ ※
驚くかもしれないが、EUはリーマンショックの時に大量の債務を抱えている。公にはしていないだけだが。特にドイツが、だ。それ以外ににもEU域内での各国の負債などが蓄積しているはずだ。丹念に調べれば計算が合わないし、丹念に調べたくても各国の指標がテキトー過ぎる。日本では国家債務に当たる項目が、平然と記載されていない。つまり『隠れ借金』だ。実はヨーロッパはコレが多い。その結果、ある日突然、降って湧いたようにカネの騒ぎを始めることになる。2009年のギリシア危機の時のように、だ。
「実はドイツはギリシアの債務を肩代わりしてました・・・」と、彼等は突然言い出した。その金額、40兆円。東日本大震災の時、日本の損害は20兆円とされている。約半分は原子力発電所の事故処理関係と言われている。一万人以上が死んだ地震災害で、正確な記録が残っている中では世界史上10指に入るほどの未曾有の大震災の損害だった。
つまり、ドイツは突然、二度の東日本大震災の直撃を受けたのと同じ損害が出たということだった。隠れ借金の恐ろしい病巣の一端だった。
ドイツは一切の減額を認めず、とっとと払えの一点張りだった。世界中が意地汚いドイツのメルケルを叩きまくった。多分、シャイロックでさえ涙を流して嘆いたことだろう。多分、アウシュビッツかビルケナウで。武装親衛隊『ライプシュタンダルテ・アドルフ・ヒトラー連隊』以来、久方ぶりにギリシアはドイツに蹂躙された。総統も、さぞお喜びのことだろう。ドイツ第四帝国と揶揄されたEUの、ある意味、真の姿が浮き彫りになったわけだ・・・
いずれこの件に関しては別に話しをするにしても、しかし現在、ドイツ銀行には2017年時において、実に5,000-兆円の債務を抱えていると噂されている。(嗤)だ。この数字は全く信じがたい。ただし信頼の置ける外信が配信元であることや、ギリシアを始めEU域内の弱い国々の債務保証をドイツが行い、その肩代わりをドイツ銀行が行っていたとすれば、まあ、あり得る数字だ。あとリーマンショック等の時のCDS等の契約をバンバン結んでいたとすれば、だ。
とはいえ、260兆円くらいの債務を抱えているのは確実視されているようだ。こちらの数字はかなり信用出来る。
なにしろドイツは日本やアメリカ・イギリスに比べて銀行業が弱く、ドイツ銀行を除けばコメルツくらいしかない。最大手ドイツ銀行がドイツの国策銀行化していても、なんの不思議もないのだ。ならばドイツ銀行がEUの屋台骨を支えるしかない。しかしドイツ銀行は国際競争力に劣るとされている(とはいえ東証始め日本の市場などにも、かなりの額を突っ込んでいる多国籍金融機関ではあるが)。また収益率は非常に低く、収支状態も悪い。そのくせ行員の給与は高い。いかにも『悪いドイツ』そのものだ。なによりドイツのGDPの10倍を超える債務を一企業が抱えてるとしたら、これは終わりだ。企業としてオワットル・・・。
しかしドイツ銀行は銀行なのだ。そして、オワッタ時には税金を投入するしかなくなるはずだ。しかも戦後日本より遥かに悪い。全ての状況が絶望的に悪いにも関らず、だ。
もしドイツ銀行が経営破綻したならば、とんでもない額の負債があることが明るみになるはずだ。しかし、ごく一部だけだ。なぜならドイツ政府がコソコソと隠すからだ。まだなお悪あがきするだろう。当然だ。自らの失態を晒すことは民主国家においては政権の瓦解に直結する。だから将来、負債の総額が明らかになることはないだろう。メルケルには「悔しかったら、いますぐ査察入れろ」とだけは言っておく。
ドイツの運命、果てはEUの運命は既に決まっている。
不明瞭で底なしの負債を抱えていたとしても、それでもドイツ銀行救済のためにドイツは国税を投入することになる。必ずだ。しなければドイツ銀行は瓦解し、ドイツにおんぶに抱っこに肩車のEUが傾く。なので、ドイツ人の猛反対を押し切り、ドイツ銀行に公的資金を投入するしか無い。それはドイツ人の血税を犯罪集団にくれてやるのに等しい。少なくともドイツ銀行の違法行為に関しては処罰されるべきだ。
しかし、それでもきっと救済される。銀行を救わねば、国家が救われないからだ。それは国民が結局、救われなくなってしまうからだ。
これが鈴木商店とドイツ銀行の違いだ。片方は『商店』なので潰れるに任されてしまう。もう片方は銀行ゆえに救済される。それは銀行には特別の役割があるからなのだ。
中国の場合も同じだ。将来、EUや中国が破滅した場合や、そこまでいかなくても彼等の主要銀行を助ける必要が出た場合、結局は金融帰還に国税を注入する・・・この苦渋の選択をとるしかない。
銀行を救うしかないことを、彼等も身を以て知るだろう。結局は戦後日本の歩みが証明されるのだ。我々は先駆者だったのだ。しかも『預金税』という、他の人類がやったことのない手段を使って、だ。これに関しては、忍耐力のない他の国が出来るとも思えないが・・・
さて、申し訳ないが、もうあと二回だけ、この話しの続きをする。長くて申し訳なく思う。。。m(_ _)m
次からは『国家が戦争で儲けられるのか?』だ。
我々の結論は判っている。答えはNOだ。では儲けるのは誰か? 『金融資本家』だ、という話しだ・・・
【 この項目続く 】
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