目から鱗でした。
朝鮮戦争で儲かったわけではないんですね。入試で書いたら減点されそうですが……。
ただもしかしたら、鉄鋼業関連が活気づくことで日本の産業界全体に明るい雰囲気が漂い、それがその後の経済成長を後押しした、みたいな精神論は成立するような気もします。
ただ、途中の在韓米軍については少し違うと思います。地政学的な問題です。
朝鮮半島から米軍が撤退した場合に第二次朝鮮戦争が起こった場合、北に近すぎるソウルは間違いなく火の海になります。韓国は虎の子のF35搭載韓国型空母(完成したとしてですが)を出撃させる前に核で脅され、あっけなく降伏すると考えます。中国からの圧力もあるでしょう。
このシナリオで最悪なのは、朝鮮半島に核兵器と高い技術、そして鉱産資源を持った統一国家が誕生するという点です。ただでさえ韓国には短距離弾道ミサイルがあるというのに、核まで持たれては日本にとって重大な脅威となります。核武装は待ったなしでしょうが、それでも安全保障環境がさらに地獄になることは明白。
つまり、韓国の現政権にとっては残念なことかもしれませんが、朝鮮半島は永遠に南北で分断することこそ、日本の利益になるはずです。そしてそのための駒、北朝鮮と中国に対するアメリカの意志表示のために、在韓米軍は維持すべきだと思います。
日本人は韓国人を目の敵にしがちですし、それはもちろん理解できるのですが、そのために漁夫の利を他国から得られてしまうようでは国が滅びます。
作者からの返信
彩月様、いつもありがとうございます(^^)/
>鉄鋼業界
精神的な面はあるかもしれません。景気は「気の影」とはよく言いますからね(^^)/
とはいえ、この時代「傾斜生産方式」〜石炭と鉄鋼業に重点的に資本を投下し、国力増進を図るというもの〜があり、実行されたらしいのですが、その効果は微妙でした。そもそもこの傾斜生産方式という言葉、ワイらのようなオサーンの時の歴史の教科書には必ず載っていて、しかも必ず試験に出たものでしたが彩月くんたちの教科書にはもう載っていないかも知れません(爆死
傾斜生産方式に関しては、その後の研究から「石炭という日本国内で十分にまかなえるエネルギー資源があった」事は大変重要で、戦後の産業復興に石炭火力がその役割を果たしたことは本当だと思います。石油に関してはしばらくの間、輸入禁止措置がGHQによって出されていましたので。よって「黒いダイヤ」と呼ばれたものでした。他方、鉄鋼生産に関しては「?」のようです。ワイも「あまり関係なかったのでは?」派です。日本の場合、戦後の金融整理によって五年ほどで復興への道のりの足がかりが出来、その後の国土復興事業の一部として鉄鋼業界も潤ったと考えるべきと思います。
鉄鋼業が日本を引っ張ったのではなく、戦後の復興需要の中で全ての業種が規模拡大に成功し、この時に鉄鋼業もまた伸びたと考えるべきで、確かに1ドル360円という破格の円安なら鉄鋼業も海外輸出はしやすかったでしょう(帝国の時には1ドル=1帝国円なので、1/360まで価値が瀑下がりした)。
しかし鉄鉱石は海外からの輸入品であり、当時はまだ安かったにしても価格は360倍はあったはずで(理論上)、その分を考えても輸出で安く製品を作ることが出来たというのは「立派」というべきかも知れませんね…(^_^;)
日本は帝国の時、フランスやイタリア以上の産業国家だった事は事実で、産業基礎力は米国ほどではないにしろ、それなり以上に強固でアジアでは最強だったということだと思います。造船業などは特に一時期、世界シェアの多くを押えましたからね。ちな、それでも造船などの輸出は50年代以後の話であり、特に当初は東南アジアへの輸出がメインでした。これは朝鮮が朝鮮戦争で徹底的に潰滅し産業復興さえできなかったために日本の輸出先にならなかった事や中共成立があげられ、特に後者は戦前の主要輸出先が消えたことは痛手で、結局、日本は米国への輸出を模索するしかなくなったようです。ちな、造船業はすでに70年代から慢性的な人手不足に追い込まれ、熟練工の不足と相まって斜陽産業化しつつあった事は意外と知られていません←ワイらはNHK教育のテレビで見せられたほど。なので、その後の円高のせいで韓国中国に造船が追い抜かれた…は違うと思うのですが??
あともう一つ言わねばならないのは1960年代中頃までは、日本製品は『粗悪品の代表例だった』という事実です。
これはドイツが戦後すぐにワーゲンなどの自動車を米国などへ輸出して国力を蓄えた事と対称的です。当時の日本製品は「安かろう悪かろう」であり、そういうものとして扱われていました。よって輸出は非先進国が対象で、国内の資本整備と「安い製品の大量輸出」によって富を蓄積していったのです。でもこれはごく普通のことでしょう。1990年代までの中共と似たようなものです。本当に国際競争力をつけ始めたのは70年代以後で、品質の向上はめざましく、80年代になると本当に世界でも極めて品質の高い製品を安価に輸出していました。これは現代的な意味でも興味深く、円安の時代に高い品質保持が出来たことは、その後の日本への評価を飛躍的に高めました。現在の中国のように「良いものは良いが、悪いものはチャイナボカン」という事がなく、その意味でスキがなかったと言っていいと思います。当時の日本製品は高くても安くても良いものが多く、世界中が本当にその事だけは称賛していました(向こうの経済系の本にもそう書かれていたものでした)。
なので、昔の日米貿易紛争は現在の米中貿易紛争よりも「市民レベルではひどい」ものでした(笑
なにしろ米国では「日本が第二次大戦の報復で米国を経済的に侵略しようとしている」と本気で信じていたようであり、当時のニュースでは日本車を米国人がよってたかってハンマーでひっぱたいてぶっ壊しては気勢を上げる…という光景がよくみられましたから(爆笑
いまだったら「差別だー(# ゚Д゚)」とポリコレ界隈が大騒ぎするんでしょうけどね(爆
>朝鮮半島の地政学上の問題
…正直、ワイはあまり興味と知識がないのでよくわかりません(爆
しかし、ごく普通に考えると経済規模で1/100の北朝鮮が韓国を征服するなど「絶対にありえない」のであって、始めから全く勝てる相手ではありません。そもそも北は開戦能力さえないほどボロっているので、コスパのよい核兵器に傾斜生産方式したのではないかとさえ思っています(爆笑
ただ、政治は時にカネの合理的な判断をひっくり返すような仰天の決断に至ることはあり、朝鮮に関してはその傾向も強いようには思います。普通は南が北を征服し、愛国心丸出しの厄介な振興民族主義国家が一つ誕生…で終わりのはずなんですが、南がGDP比で100-200%近い債務を…それも不動産バブル絡みの多額の損失が出そうな民間債務を抱えている上に、金利が経済成長率の数倍という高金利の外債を60兆円も建てている事(これは対政府歳入比率においては100年で6回もデフォルトしたアルゼンチンと同じくらい悪い)などの国内問題に加え、北朝鮮がどのくらいの対外債務を抱えているか分からないという状況なので、南が半島を統一したら借金だらけで死にそうになるかもしれません。しかも外債とか対外債務ってのは厄介で、本当に延々と残って国力を削ぎますからねぇ…。要するに「ヤッちゃダメ」な借金なんですよ、これ…(。ŏ﹏ŏ)
こんな状況なので、中国がカネで南北朝鮮を絡め取りにかかる…はあり得る話と思うのですが、しかし中国も莫大な債務を抱えているはずで、果たしてどうなるか…という程ですからね。でも政治的な決断としては「半島は日米には渡さないアルヨ( `ハ´) 」は鉄則だとも思うのです。
ワイ的に気になるのは陸上戦闘では莫大な犠牲者が出やすいという事と、半島は縦深防御に向いてない事や撤退および反攻に際しても難易度が高い事を考えると、第二次朝鮮戦争なんてので米国軍人がまたまた多数の死者を出したら世論的に大打撃という事の方が心配で、ならいっそ、陸戦戦力の殆ど(てか大使館防御要員とかを除く全て)を撤退させ、日本=台湾=フィリピンなどの東南アジア=豪州の、中国で言う所の列島線まで戦線整理した方が軍事政治地政学的戦略上もよいと思ってるんですよね。半島がかつてのドイツのクルスク突出部のような感じにチョコンと飛び出しているくらいなら、先に戦線縮小して予備戦力を創出しておくほうが日米などにとって有益と思うのです。米国の犠牲を出したくないというワイの判断です。その場合、日本本土が最前線になりますが、別にこれはしょうがないでしょうし(笑
そもそも今の時代、中共が半島を軍事侵攻するはさすがにないと思うのです。台湾は共産党国民党の歴史から政治案件なので中共による軍事侵攻はあり得る話で、ワイもここ7-10年の間に発生するのではないか?と心配するほどです(杞憂で終わればよいのですが…)。ならば半島は米国は放棄しても大丈夫なのではないかとも思うのですが、しかし、これは単純にカネの話だけですから、ワイが正しいと言い張るつもりもないのですが…(^_^;)
中国、本当に強くなりましたね。ワイも連中と前世紀くらいから付き合いがあるんですが、確かに強国になりました。あとは習近平さんたちが「間違えた政治判断」をしないことを祈るだけです…(๑¯ω¯๑)
我ら日本にとって「最も大切なアジアの隣国」は「中国」なのは歴史上の真実なのですから…
「国富は平和の配当」
素晴らしい言葉です。
作者からの返信
尻鳥様、いつもありがとうございます(^o^)/
このコラムでは『左翼滅多打ち』な内容が多いですが、とはいえ全体を通して『祖国のためであっても戦争はよくない(・A・)イクナイ!! 』感も漂っていて、なんか不思議な感じがするかもしれません。憲法9条維持は左翼のテーゼみたいなものですから。
しかし、どちらも正しいと僕個人は考えています。文明の本質は成長インフレで、インフレは通貨的な現象。ここから翻って考えてみて、より良いのはやはり平和だった・・・という結論に達したために、このような物言いになっております。。。m(_ _)m
なので「戦争絶対反対」でもなく、「辞めたほうがいいよ。でもやるならコスト管理しないと2200年の地球のようになるよ。あとオレは参加しないから、オレの分まで頑張ってきてね」というだけのことです。そもそもリスクを採るのも限度があるので、やはり辞めたほうが良いと思っています。
肉食動物も、生きるために喰う以外では、あまり殺戮はしないもの。ヒトのように組織的に戦う生物種は珍しいと思います。特に共食いするわけでもないのに、です。なによりダラダラとナマケて豊かな生活が出来れば、それがベスト。そんな世界を構築できないかな? ・・・というのも、実はこのコラムのテーゼの一つなんですよ、実は(^_^;)
ラクして生きる。仕事しないで生きる方法がないかも考えてみる。痛いのや怖いのも避ける。←これ、とても大切な理想だと思うのですが・・・(汗
なるほど!
鉄は国家なり、とか言われていた時代もありますけど、本質的には、銀行こそ国家なり! だったんですね。
確かに、いまのようなクラウドファンディングのような民間でお金を集める方法なんか皆無だったんですものね。
何かを始めるために必要なお金を貸し出してくれる部門が一番大事なんですね。
作者からの返信
ぬまちゃん様…m(_ _)m
本当にいつもありがとうございます(^^)/
朝鮮戦争で儲けたという話は、子供の頃から「おかしい」と思っていました。当時を生きた人たちからはそんな話を聞いたことがなかったからです。ワイのいる三軒茶屋は在日部落がある程の場所で(爆)、元々は渋谷の風俗街・円山町界隈にいる人たち(つまりヤクザの安藤組)の居住地区みたいなものでした。そもそも三軒茶屋というのが水茶屋(←昼間から風俗するような場所。江戸時代から明治初期くらいまでの街の風物)の事で、この店が三軒あったから三軒茶屋と言われて出したという程です。ちなみにその末裔が茶沢通り沿いにある瀬戸物屋の田中屋さんで、この辺の超大地主さんです。
そんな所に住んでいたワイらが朝鮮戦争で儲けただのなんだのという話を全く聞いたことがないのに、なぜテレビとかでそんな事いい出してんだろーねー?…とは中学校の頃に在日のクラスメート含めて「歴史」の授業の後でよく話をしていたことでした。全員が貧乏だったんですよ、20世紀の終わりくらいまでは…(´-ω-`)
なのでこの朝鮮戦争で日本経済復活した説は「左翼のデマもしくは勘違い」だと当時からワイらではよく話してました。左翼は戦争反対と言いたいのと、反自民なので「朝鮮戦争で儲けた大企業と自民党が米国と手を組んで悪の資本主義を復活させた」というたぐいのことを暗に言いたいだけの、いつもの妄想だったのでしょう。歴史の捏造は左翼の得意技ですが、軽く調べただけでも「ウソ」というのが判ります。租税収入から単純に分かることだったのです。もう一つ言えば韓国の漢江の奇跡も日本からの資金提供を元にした産業基盤の整備が軌道に乗っただけで、それ以前には投資するだけのまとまった資本が韓国国内になかったために産業力がついていなかっただけであり、日本からの資金提供がなければ産業化はおこらなかったという、たんなる「投資と産業振興」に過ぎません。途上国にはよくある程度の話であり、特に韓国が頑張ったわけでもなく自画自賛できることなど何もない程度の、実にありふれた「何もない国での産業振興策」のごく普通の展開と事例です。よって世界史的には評価されていません。これは21世紀において顕著になった中国の爆発的な経済成長や、1970-80年代の日本の高度産業化などと比べても極端に低い評価ですが、それも当然ということです。
なぜならば、日本と中国とは「国債を使ったマネタリズム的な通貨膨張政策により、国富つまりカネを一気に増強させた」産業振興策を採用した…という違いがあるからです。他のアジアの国と日本・中国との決定的な違いがこれです。日中は国債を使って自国を爆発的に強化したのです。ここが他の途上国との決定的な違いでした。よって日中は外債(ガイジンから借りたカネ)よりも自国国債(中国の場合はむしろ地方政府債≒公債)の総量と金利負担に苦しんでいるという特徴があるのです。韓国が外債で苦しんでいるのとは「質が違う」ということです。通貨の経済的効用という視点が日中には必要なのです。
なので朝鮮戦争時の日本を見ると、当然のことながら当時は国債発行を禁止していた(されていた)ので産業力の原泉である投資力は債務整理の過程で生じる余剰からひねり出すしか無く、それも多額の戦時債務と高インフレにより大きな余力とは言えないために、本格的な経済復興が1955年以後の10年間にずれ込んだと考えるべきでしょう。
確かに朝鮮戦争は日本にとっては意味がありました。GHQによる占領政策の終了と日本の独立が担保されたからです。これにより資本主義陣営に加わり、米ドルとのリンケージが確約されたために新円も安定し、西側グループへの参入から輸出入や整備された投資環境へのアクセスが(戦前の頃のように)再び可能になったという事の政治的な意義です。西側へのアクセスを確保した事が日本復活の基盤となり、その補償として日米安保があると考えるべきです。日米安保は日本側が強固に維持しようと試みているという意味で非常に不思議です。支配された側が支配国の方にすり寄っているとしか見えないからですが、実際には「日本は常に西側資本主義陣営の一角で、裏切ることはない」の証です。日本は愚直なまでに日米安保にしがみついてきたために半世紀以上を経て、東アジア最強の盾としての立場を確保したということです。これは左右の政権交代によって米国についたり、中立的or中国や共産主義国にすり寄ったり…を繰り返す不安定な韓国政権との決定的な違いですが、こうした「立場」の違い〜つまり安定度の違いは「その国の通貨の強さ」に比例するという極めて重大な価値を生み出すのです。
ある国の通貨はその国の国債によって生成されますが、国債には金利がついているので必ず債務問題が発生します。金利が上昇するか多額の国債を発行しすぎれば国家破綻のリスクが生じ始めます。この時、国債そのものが「政府の債務」であるのですから、「政府が安定しているか?」は極めて重要な要素です。つまり安定した政府であるのか? その安定した政府を生み出す安定した国民性・国家なのか?…という重大な、目に見えない要素が国家破綻を考える上で極めて重要になってきました。特にリーマン以後、「世界最大の債務を抱えた日本ではなく、むしろ日本以外の全ての国が国家破綻ギリギリの恐怖を味わったのはなぜか?」から格付け会社は単に債務総額の量だけでなく「債務総額・外貨準備高と経済成長率・政府の意思」の3つを重要視するように変わってきました。数字で表しにくい定量的な「政府の意思」を日米安保が確約しているのであり、この端初となった朝鮮戦争は日本にとってカネ以上に意義があることだったのは、ワイも本当のことだと思います。他にも確かに朝鮮戦争で儲けを出した人もいるんでしょうけど、日本全土が好景気に湧いた…というのは間違いということです。
朝鮮戦争は政治的に非常に意味のあることであったのは事実ですが、経済復興からみると「…いや、特に何も」という話でした。
m(_ _)m