§2-8・「日本が破滅するわけない」という理屈を、古代進さん家でたとえてみる

  ※     ※     ※



 日本は黒字体質の経済国家であり、また国内外に多数の資産がある。換金できるものだけでなくそうでないもの、また有形無形の産業資本があるということが分かる。

 経済成長が過去三十年に渡って常に右肩上がりだったことも重要だ。デフレの時でさえトータルで右肩上がりだった。

 それは日本経済が時代の流れに柔軟に対処して構造改革を行ってきた結果でもあるだろうし、またある意味、国債発行の効果によって日本経済にドーピングを入れていたことも理由になるだろう。

 全てが世界一でもなければ、世界最大でもない。しかし強靱であることは間違いない。



----

 これらを踏まえて、一軒の日本人家庭・・・古代進さんという日本人のお宅を拝見する形で総資産と貸借たいしゃく、キャッシュ・フローを例えてみる。


 古代さん家は奥様のユキさんと、娘さんの美雪さん一人。ご両親や親族の兄の守さんがいたが、残念ながら若くして亡くなっていた。しかし超資産家の永遠に17歳真っ盛りの義理姉スターシアと、守さんとの間にサーシャさんという名前の娘さんがいた。ただしサーシャさんは真田さんの養子になっているので古代さんの家にはいない・・・。


 進さんはおっきな戦艦の艦長さん。祖国のため・家族のために必死で働いている。おかげで少し家計がよくなった。ママのユキさんはエリートで財務畑を歩いて来たしっかりモノだ。おうちのお財布を管理していたし、副業として金貸しや不動産転がしみたいな事もやっている。


 またこの家ではパパ以外の人達が内職をしていた。義理の姐さんがエラい技術力のある町工場をやっていた。時に外国人やガミラスさんたち異星人たちまでもが喜ぶようなモノづくり職人だった。おまけにカネ計算にも敏感な女性だった。

 娘の美雪さんはかなり優秀。世界的にもハイレベルなコだ。なんだか最近YouTubeだかFBだかTwitterだかをやっているらしい。スマホはiPhoneで、この分は米国景気に貢献したと言えるだろう。トランプ大統領がGood Guyと褒めてくれるかどうかは判らない。そもそもGuyの数が足りないのが問題なのだけどね、古代さんちは・・・。


 ではまず世帯収入を見てみる。現在、この家の年収は約546万円だ。収入の伸びは決して大きくない。むしろ横ばいだった。しかしそれでもジリジリとだけだ右肩上がりではある。パパの仕事ぶりは近所でも評判で、しかもまだバリバリ現役だ。これからも手堅く敵対星間帝国を抹殺できそうだ。特にここ数年、頑張っている。


 この他にも収入がある。大体毎年20万円くらいだ。これは古代さんの家単位で海外とやり取りして得たお金だ。

 まずはウチで作ったものの物品販売だ。自宅の屋敷のなかにある時間断層のなかで、高級品もしくは他ではマネの出来ない高性能な製品を作りまくって売り飛ばしていた。たとえば『男の艦・BBY-01ヤマトの女子だけ集合! 全員スケスケ超ビキニフィギュア』シリーズの販売などで、だ。この出来が非常に良いと海外では評判だった。結果、4万円ほど稼いでいた。意外と少ないと感じるかもしれない。これにはワケがあった。


 そもそもの売上が物凄くデカいのだが、逆に製品製造なんかのためには資源やらガミロイドやらのコストが大量にかかっていたからだ。しかも今年は少ない方だ。本当はもっと稼げる。大抵は10万円くらいだ。そのため古代さんの家は「そんなに贅沢してないよ」と言いながらも、ハイテク製品やら、冷蔵庫の中には市場規模が3兆円もあるお菓子市場が供給する様々なお菓子やスナック菓子やらが一杯。あと飲んだくれの医者が飼ってたペットのネコのミー君やらと一緒に結構贅沢な生活が出来ていたのだ。豊かに稼ぐので、豊かに輸入が出来る。その結果、トータルでは+4万円程度の黒字ということだった。


 さらに日本国外に不動産や投資案件が多数あった。例えばガミラス帝国領内とかに、だ。この利払収入が約16万程ある。合計して20万ほど海外から入ってくる。黒字だ。ママ、頑張った。さすがユリーシアの違法コピーだけのことはあった。

 なによりこれは海外とのやり取りなので円安になると(こちらの製品は安くなるので、外国人は買いやすくなるために)フリマ収入はより大きくなる可能性がある。また利払い収入に関しても円安になると手取り額が増える。同じ1$もらうにしても、1$=¥100-のときよりも1$=¥150-の方が、手取りが大きくなることからも分かるように、円安は為替差益に貢献する。


 しかしより重要なことは、そもそも「海外に不動産や投資物件が多数ある」ということのほうだ。これは全部含み資産だ。家賃収入や貸したカネなどの収支計算するとプラス330-340万円ほどある。これはいざとなったら売却することも可能だし、持ってることで上述の利ざやがもらえる。先程の16万円の稼ぎの「元手」となるのだ。しかも円安になれば資産価値があがる。根抵当で預けてカネを借りたりすることも出来る。


 この他に貯金がある。約1,800万円ほどだ。これはパパ、ママ、義理の姐さん、コドモのそれぞれの預貯金の総額だ。大体50%が現金と預貯金だ。残りの25%は保険・年金だ。また150万円ほどは米ドル国債であり、円安になれば資産価値が増える。


 さらにこれとは別に150万円相当の米ドルを持ち合わせている。これは、この家族の共有財産として別口座に入っている。

 このお金が実は大変重要だ。もしパパが病気になったり、家が大地震などでダメージを受けた時、この米ドルを「担保金」としてカネの貸し借りが出来るからだ。いざというときに取り崩せるし、取り崩さなくても銀行屋が「まだ150万あれば大丈夫そうですね」という「安心の担保」として使えるからだ。


 あと最近、コドモがFBやツイッターなどでマンガやら何やらを書いたりして、その著作権料が入り始めた。2.5万円だ。これはちょっとづつ増えている。また中国人や韓国人やアメリカ人や東南アジア人やガミラス人やら暗黒星団の団体客やらを自宅で民泊させるようになり、こちらもちょっとづつ小銭を稼ぎ始めた。

 それまでこういったサービス系の収支は赤字だった。海外の映画見に行ったり、大マゼラン星雲まで遊びに行ったりしていたために赤字だったのだ。この部分の収支が、いま言ったように著作権収入と民泊が成功しはじめたおかげで赤字が少なくなっていった。



 一方、お家の負債に関して見てみる。

 この家庭の家は一軒家で庭付き。古代進さんのご両親が住んでいた伊豆半島にあった。ただ、海や山に面していて、災害が多い地域でもあった。しかし家は大変頑丈でしっかりした作りになっており、ダメージを受けることはあっても、大地震や風水害に耐えられるほどだ。家は夜でも電気が付くし、庭も石畳も綺麗だ。年中手入れもしている。停電することもない。家は綺麗だ。いつもどっかで修理している。長持ちさせたいからだ。この家を1,200万円ほどの借金をして作った。

 ただし借金の質が少し違う。

 少しづつ重ねていった借金ということと、この借金の90%以上は「家族内借金」だということだ。17歳、ママ(←義理姉の妹の違法コピー)、そしてなにより美雪ちゃんからの借金だった。ただしその利子は極端に低い。大抵は0.1-0.3%前後。物凄く低い時には0.01%の金利だ。金利が低いのは家族だからという恩情や義理からでは「ない」。ただ単に長期金利が安いのだ。シビアな家だ。


 残りのうち、5-6%が銀行屋さんから借りている「厄介なカネ」だ。彼等はあまり信用できず、すぐに「カネ返せ」と騒ぎ立てる困った人達だ。勝手に騒いだり、債券を売却したりして、我が家の家計簿を混乱させることも、たまにある。そのくせ、「お宅さんたちはまだまだ元気にバリバリ稼げるから、借金してもいいですよ」みたいな勝手な物言いをしたりもする。結局、我が家の借金に応じてくれる。

 多分、この銀行屋の多くが白人のおっちゃん、もしくは最近カネ稼ぎを始めた中国共産党員の在米投資ファンドのようだった。


 このお家の不安は三つほどあった。永遠の17歳の義理の姐さんはともかく、古代さん夫婦の高齢化がいずれは問題になってくるであろうということだ。つまり年金・介護費用の心配があるのだ。二つ目はコドモが少ないことだ。コドモは可愛いので沢山ほしいが、教育費などが掛かってしまう。よって一人しかいない。夫婦は二人なのにコドモは一人。これでは先細りだ。


 最後の一つはやっぱり1,200万円の借金の利子の支払いだ。確かに家族間の借金ではあっても、やっぱりキチンとしなければいけない。

 ただしこの借金は少しだけ有利な点もある。「債務の付替え」が出来ることだ。この借金は、ある一定期間の後に全額返済しなくてはならない。相手が家族であろうとなかろうと、だ。


 しかし、その時に美雪ちゃんが「別に今さらカネに変えなくたっていいぜ。もう一度、その借金の証書にサインしたるわ」と言ってもらえる可能性が結構ある。これは不思議なことだ。「絶対に返さねばならない」証書だったのに、「返さなくてもよい」債務に化けるのだ。こうなれば実質、利子の支払いさえすればよくなる。


 ただし5%は銀行屋が押さえている。まあ、彼らはこの家が危ないと踏んだら、さっさと売り抜ける連中だし、なによりも周り近所で「あの家、借金返せずに潰れますよー」と大声で叫び倒すイヤな連中だからだ。この連中に対してだけは常に注意を払わねばならない。テクニカルに動かそうとする奴ばっかりだからだ。特にクレディ・スイスには要注意だ・・・。


 今年に関して言えば、政策金利が下がったりしたおかげで24万ほどの支払いで済んだ。高金利になれば、当然負担は大きくなるからだ。

 しかし支払いに関しては、家族の中でも厳格に守られている。親類縁者であっても「なあなあ」はない。親のメンツにかけて遅配のないようにしなくてはならない。銀行屋にも勿論、きっちり支払う。



----

 別の言い方をするとこうなる。

 この古代さん夫婦には毎年500-550万円の固定収入があり、その他に20-30万程度の海外からの定時収入がある。また1,000-万円の海外コテージ(実際は工場が多いのだが)やら何やらの不動産や動産などの海外資産と、家族が個々、個人名義でトータル1,800万円の預貯金を、これとは別に夫婦名義の「イザという時のタンス預金」が150万円分のドル建て貯金を持っている。不動産は土地付き一戸建ての家だ。築七十年少々。家は時価評価額によってマチマチだが、家自体にも根抵当に入れられる程度の財産価値はある。また部屋の一部を貸したり、家の一部の資産を売却することも出来る。イザとなったら、だ。


 これとは別にちょっと変わった財産も持っていた。古代さんたちを『有能!』と高く評価していた外国人のデスラーさんが・・・


デスラーさん「白色彗星帝国に身を寄せていたとはいえ、私の心は遥かに君たちに近い・・・」

・・・みたいなウレシイ事を言って、彼の家の時間断層の中にある工場の株式なんかに約700万円ほど投資してくれていた。主に株式投資だ。


 このカネは工場運営の原資みたいなものだが、証券なので国債のような借金ではない。売上が出なかったら配当金出さなくてもいいのだ。ただし、その時には売り飛ばしにかかるだろうけど・・・。なので引き抜かれると、たしかに困るカネだ。なによりデスラーさんのカネであるのは間違いないので会計上はガルマン・ガミラスという外国の利益にしかならない。よって本来は、工場からすれば『資産』なのだけど、ここでは敢えて『負債』に勘定しておく。


 家計簿の上からは、古代さんの家が持ってる対外資産1.000-万円と、このデスラーさんの投資資本分700-万円の差額である330-340万円のプラス分が古代さんの対外純資産ということだ。

 このアガリが年16万円くらいの雑所得として入ってくるし、円安になればますます増える。そして対外投資は撤退するのでなければ増える一方だ。ただし、時価総額なので状況によっては目減りする・・・特に外国の経済状況に依存することはやや不安要因だ。ガミラスさんやボラー連邦さんにも頑張ってもらわないとね。

 この他に古代進さん自体が『タンス保険』を約700-万円ほど持っていた。へそくりもしくは『隠れ政府財源』と呼ばれているものだ。このカネは全額が現金というわけではなく投信とか投機とかもかなり含まれているが、それでも70万円くらいは即金で引き出せる。


 また1,200-万円ほどの借金を持つ古代さんちだが、この投資の殆どがお家の補修や改修、もしくは庭整備・時間断層内の工場設備の拡充などに当てられている。つまり家の減価償却は免れないとしても、家屋敷自体はよく補修されているということだ。


 また自宅の警備に年4万円ちょっとを使っているが、大抵の他のお家の収入に比べれば半分程度の1%前後にとどまっている。これはドイツ人の家庭とほぼ同じくらいで、お金持ちの家にしてはセキュリティへの投資は低い方だ。通常、このお金は回収するのが難しい投資だが、古代さんちにおいては災害発生時にすぐに駆けつけて対処してくれる、即応性と習熟度に長けた非常に有能な組織であって、投資分に見合う働きをしてくれている。他の家の場合、このお金は番犬を飼いならすのに必要で、他のお家との争いなどに突っ込まねばならないことも結構ある。そういう刃傷沙汰が起きた時には、家屋敷が燃やされたり、家族が殺されたりとイロイロと大変でカネもかかるが、古代さんちはコレには無縁でいられている。よって財産のムダな垂れ流しには無縁だ。


 こうして借金の大半は自宅や家族のために使えているものの、それでも気になるのは借金の金利だ。これは返せないとヤバイ。その家族・銀行含めた金利負担が年に24万円程度になる。

 より重要なのは、『本当の負債』といえる銀行からの借入金が60万円あることだ。絶対に返さねばならないのはこの銀行分に対する金利払い(0.1%から0.3%程度。ただしこれは長期国債の話であって、これ以外に金利の低い短期国債があり、実はこちらの金額が大きく、負担のより大きい長期国債は実数で900兆円に満たない。よって諸件合わせると金利負担実数で500〜1,000-億円程度)の5~600円から1,000-円程度だけだ。大体、美雪ちゃんが作って遊んでいるプラモのイージス艦一隻分と同じくらいだ。


 ただしコレを一度でも不渡りだせばイッパツで破産デフォルトだ。ただし、一気に全額を返済する必要はまったくない。分かりやすく言えばこれを日割りした程度・・・たとえば緊急で20円程度が用立てられれば多分大丈夫だろう。ただし携帯電話の料金未納のように「うっかり忘れていた」であったとしても、法律上はデフォルト扱いになるので注意だ。


 あと、災害の多い海と山に挟まれた場所に、土地付き一戸建ての家を持っていることは潜在的なリスク要因と考えねばならない。つまり不動産価値は下がるはずだが、なぜか海外の人たち~特に中国・韓国人やガミラス人やガトランティス人が土地を欲しがるほどテッパンだった。彼らはナゼかこっちに来てくれるのだ。なぜだろね?? 理由の一つは円安で、もう一つの理由は彼らの国の中でインフレが進んでいることだ。これらの理由があれば『日本で飲んだり喰ったり遊んだりが、相対的に安くて楽しい』。ガミラスやガト公が日本に来てはしゃぎすぎて火だるまにしようとするのもハイになりすぎたからだろう・・・。


 時々、「彼等に家や土地を貸したりするのは如何なものか?」という否定的な意見が出ることがある。しかし心配は無用だ。イザとなったら彼等が間借りしている土地屋敷を押えることも出来るし、口座預金を封鎖して海外送金出来ないようにすることも可能だ。なにより土地や部屋に関しては『ポケットに入れて持って帰ることは出来ない』のだ。カタツムリのように家屋敷を抱えて、どっか別の安全な場所に移動することも出来ない。その意味では、ヒトはカタツムリよりもミジメな存在だ。なにより家賃収入が期待できる。


 そして最後に古代さん家の資産に関して総括すると、土地建物有価証券を含んだ総資産は一億円。家屋敷などのローンで負債勘定に算定できるものは7,000-万。ならば純資産は3,300-万円だ。しかも海外(含むガミラス領土)に1,000-万円の動産・不動産資産・株式・国債などがある。こんなにカネを持ってるのは他にはアメリカ人のサイモン教授だけで、サイモン教授と古代君の家だけがぶっちぎりと言ってもいいほどの金満家なのた。

 

 さて、この程度の債務で、家計のやりくりを心配する人は誰もいないのではなかろうか??


 もう一つ言えば、総資産は純資産+負債だということだ。

 たしかに1,200万円の有利子負債を抱えているのは事実だ。しかしこれは彼等の「家」なのだ。つまり総資産の中に含まれるべき「負債」という名の「資産」だ。最悪、これを切り売りすることさえ出来る。土地を売ったり家の一部を貸したり・・・などだ。

 しかも今のトコ、長期金利は低い。そのことが良いか悪いかは別として、まずはカネを返すことに関して言えば「セーフ ⊂(^ω^)⊃」だ。


 そして本当の資産は働くパパであり、家計を管理するママであり、コスモリバースシステムなど作り出す義理の17歳の姐さんやコドモの美雪ちゃんなのだ。彼等は資産をもっていて、これからも稼ぐ力が残っている。その価値をカネで図ることは出来ないかもしれないが、「黒字」を生み出せる職人たちだということは言える。


 あともう一つ。禁じ手に近いが、彼等の借金の九割は「家族内」の借金なのだ。勿論、破産するということになったら家の中じゅう大騒ぎだろう。しかし他人から見れば関係もない。そして、古代さん家の家族会議で「借金チャラにしよう。たとえば借金を株式化して債務をなかったことにしよう!」みたいな話しになり、美雪ちゃんや17歳の姐さんが「よぅがす! OK~。一肌ペロンと脱いだるわ! ねぇさんどばっと丸裸!」と納得したら、それで終わりなのだ・・・



  ※     ※     ※



 これだけあれば「日本は破産しない」と言い出す人達が出てきてもおかしくない。逆に、「莫大な債務があるのに、なぜ日本円が高いままなのか?」の理由だとする考え方もある。


 借金もデカいが、資産がデカい。国債が大きくても、それは日本国内に還元されるのだから「±ゼロ」の国家の「負債」というなの「資産」だ。「国債はただの国家債務では無い」からだ。ここに黒字分があれば国富が減ることはない。そして日本は対外的に稼ぐ力も持っている。放っておけば黒字のままだ。


 また借金の内容がハッキリ判っているので、何処にどんな債務があるかも明白だ。殆どが国債で890-900兆円だ。帳簿がかなり厳格で科目も他の国では「債務にはならない」勘定もかなり入っている。なので、あとから得体のしれない莫大な隠れ債務が、芋づる式に出てくる可能性も少ない。安心だ。信頼できる。


 挙げ句、民間人と公益財団などの国家の両方に莫大な含み資産があると来ていれば、日本円が下がる理由などあるわけがない。

 しかも信頼できる日本政府は、これらを判っていて国債を発行し、日銀は強力な金融政策を実施出来る。市場は強く、健全性もある。カラクリの全てを判ってやっている国債増発だったのだ、と。


 これらの点をもって、「日本は世界最大の借金を持っていてもデフォルトしない」という話しが出てくるのだ。

 少なくとも「国債の利払分(=現金での支払い)が可能な限りは国家は破産しないはず」という立場は正しいと思われる。


 現在の日本でいえば、経常黒字であれば、その黒字分がやがて税金として国庫に入り、それが国債の利払いの補填に回され、利払いが出来る限りは破産はしないだろうと考えられるのだ。その額は、GDP550兆円に対して約25兆円だ(実際の償還費は9-10兆円前後)。

 多いか少ないか・払いきれるかどうかは別として、単純に「国が借金しまくりすぎて、明日にも潰れる」というのは間違いだということだけは言える。


 そして最後に、こういう状態の日本の国債を対外的にどう見るか? について述べることにする。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る