大変読みやすいです。ヤマト小さい頃に一度見たくらいで大まかなあらすじしか知りませんが、それでも大丈夫な内容でスラスラと読めます。
経済も戦争も傲慢さが敵なのかも知れません、そんな印象を受けました。
私、経済オンチでしかも脳みそが残念なので普段あまり考えた事がありませんでしたが……。
しかし、現実世界で起きている色々な事象の因果関係が描かれていてとても勉強になります。
それにしても、開国シテクダサ〜イ!
っていうノリだったのかも知れないのですねw
作者からの返信
N岡様、ご来訪ありがとうございますm(_ _)m
思うにガミラス人も人類も同じホモ・サピエンス(←仰天。しかしそういう設定)なので、構造主義的な解釈から考えれば「同じ思考の持ち主たち」ということになります。そう考えると人類史がそのまま当てはまり(←というのかヤマトの本来の世界観)、ただ単に地球の上でやっていた事を局部銀河団規模でやり始めた人たち…に過ぎません。そして人類史を見てみると、最初の接触は大抵「友好的」だったようです。驚くべきことに…。
どの異文明との接触でも、最初は互いに接点を見出そうとする試みから始まり、彼我の優劣を確認し、富の量を認識した上で侵略なり通商なりの戦略を採用しています。幕末期の日本と中国(清国)との違いは、国家が欧米に対して積極的に国を開いたか否かの違いであって、その意味では「カネ儲けがしたい」という欧米人の欲求をどの形で受け入れるかという各民族の選択だったようにさえ思えます。日本は欧米列強のような対外侵略覇権国家を目指し、欧米列強の一員になるという大胆な決断にシフトしました。中国は中途半端で場当たり的な対応を繰り返して自滅していきます。この大局的世界観(だからといって侵略がよいとは言えないにしても…)の有る無しが国家の命運を分けることはよくあります。2199年のヤマトは「地球人の判断ミス」が全てです。
実際にはガミラスから、かなり飲みにくい政治通商要求が突きつけられての結果の戦争だったように思います。無印ヤマトでは、ガミラス人が地球に移民したがっていた…という、まるで中世のドイツ東方植民のような話でしたし、新番2199はより「現実的」な話に再構成され、おそらくは通商を求めに来たガミラス人に対して地球人側が先制攻撃を加える…という「実にありえそうな」展開になっていました。おそらく、後者の方が正解でしょう。その意味ではガミ公ははるか以前から地球に接触していたと思われ、2180年台に勃発した第二次内惑星戦争なる戦争にさえガミラスが介入していたと考える方が正解です。幕末の日本=地球、ガミラス人=欧米列強(のうちの一国)と考えると、実にすんなりとする展開です。
しかし大日本帝国は日米通商修好条約のような不平等条約を各国と結びつつ、条約改正と対外侵略により帝国主義化を完遂したことを考えると、むしろこの2190年代の人類の決断の愚かさの方が気になります。ごく普通に考えて、一時的な不平等関係をも甘受しつつ、ガミラスの優れた技術等を習得すること、そしてガミラス帝国国債の購入等を通じてガミラス帝国経済圏への侵食と輸出等による交易による収益と国際的な地位の向上を政治的に目指す…という、まさに大日本帝国のような決断こそが求められたのであろうと思われます。そう出来なかった政治的な決断の甘さ、判断の悪さが結果として人類の破滅を招いたと考えるべきかもしれません。結果、イスカンダルという奇跡がなければ人類史はオワッていました。
もっと言えばイスカンダルでさえ「女神の天使」とは言えないかもしれません。極めて悪意ある侵略的国家が隣国にあり、これを苦々しく思っていたイスカンダル国が、地球という野蛮人の発展途上国に技術供与という支援によってガミラス討伐に駆り立てた…という国際的な戦略の一貫と捉える事も可能です。ガミラスを叩いて弱劣化させることはイスカンダルの自由と権益の保証になるかもしれないからです。単なる国際政治で語れる内容です。僕は無論、この考え方です。
「宇宙戦艦ヤマト」という作品は、おそらく日本のアニメ史の中でも出色の作品で、その本質は「人類史の全てを語ることの出来る世界観を持っていた」←これに尽きます。当時の「悪い奴が、なんだか知らないけど正義を振りかざすワイらに攻撃しかけてくる」という勧善懲悪で単純な世界観から一歩踏み出し、「実は人類の歴史そのもの」に置き換えたところから深い世界観の探求が可能になりました。彼らの歴史は「過去の人類史そのもの」であることがより重要です。
なぜなら、同じ試みはガンダムでは不可能だからです。やってみると解りますが、ガンダムは「ロボで戦いたいだけの世界」であり、世界観を構築する経済的基盤に対する世界的な普遍性がありません。要するに「なんでジオンとその残党は、そんなに戦いまくるのか?」の理由が全くないからです。唯一、一年戦争だけは解釈出来ます。「リーマンショック系の不動産バブル崩壊による地球圏大恐慌→戦争」です。
人口過多になった人類は、国連よりは権力を集めた(EUをモデルとした)地球連邦政府というのを作って、宇宙移民を始めた。しかしスペースコロニーは建造費が高い。移住にはカネが必要だった。なので宇宙移民する人たちは、最初の頃は金持ちばかりだった。しかし地球での紛争や環境悪化により難民化した「貧乏人」たちを政策的に移民させたり、もしくは地球から逃げるように(アフリカからヨーロッパに行くように)移り住んでいったものの、コロニーへの移民は「湾岸地域のタワマンへの移住」よろしく「カネがかかる」ものだった。
そこで貧乏人(=サブプライムな人たち)相手に、地球連邦政府住宅公団が無理な住宅ローンを組み始め、移民を推し進めた。貧乏人たちのローンは証券化され、市場で売買され、金融機関が自己資本力を遥かに超える規模で購入・運用し、バブル景気を作っていったものの、やがてどこかで破綻して大規模金融恐慌が発生した。このため地球連邦政府と各コロニー自治領との間には、多額の債務を抱えるコロニー側がデフォルト連発という事態に陥り、緊張関係が生じ始めた。この時、スペースコロニー自治領の一つムンゾにおいてジオン・ズム・ダイクンなる人物がコントリズムなる、自分でも何を言ってるのかワケワカラン小理屈を捏ねくり回して厄介なポピュリズムを高揚させつつ、実のところ、「多額の借金踏み倒させろ」みたいな無体な要求を連邦政府に突きつけたことが遠因となって0079年に大規模な世界戦争にまで発展した…ですが、これ以後は「全く理由ない」戦争ばかりです(爆死)。まあ、昔のサンライズがそんなところでしたから(遠い目
ヤマトの世界観は「カネ」の理屈が適用できる世界です。つまり「現実」なのです。この世界観こそがヤマトをして日本アニメ界の金字塔にまで押し上げた全てです。この極上の魅力の一部でも表現できたら、これほどの幸せはありません。もう少し頑張ってみるつもりでいますので、もしよろしかったら、これからもよろしくお願いいたします…m(_ _)m
ガミラス人が何故地球に来たか・・・
そもそもの戦争の原因を「そうだったんだ!」と、つい納得させられてしまいました。
乗せられてしまいました。
"断るお"には笑ってしまった。
潜水艦って凄いんですね。
昔「沈黙の艦隊」という漫画がありましたが、潜水艦の知識なんてないんで、そこすっ飛ばして勝手にヒューマンドラマだと思って読んでました。改めて読んでみようかと思っています。
エネルギーを制する者は世界を制する。
エネルギー作れない日本が戦争しようとか無謀よね。
いよいよ次は大好きなお金の話~( ´∀`)
作者からの返信
@canossa999様、ご来訪、ありがとうございます( ̄∀ ̄)
>エネルギー作れない日本が戦争しようとか無謀よね。
…実は、ヤマトという話はよく出来ていて「戦争それ自体が無謀」という強烈なテーマを含んでいる作品なのです。ヤマトの世界は常に戦争だらけで、その結果、人類は水の惑星に飲み込まれて死滅する…みたいな超展開になっています。無論、ノアの方舟がヤマトなんですが、要するにこの不幸な結末に至る理由は「戦争ばっかりしてたから」に他ならないのです。松本先生にその意思があったのかもしれません。先生のお父様が戦時に航空機のパイロットで、戦後、自衛隊に声をかけられたものの、「仲間が死んでいるのに申し訳ない」と軍属を拒絶し、そのために大変な貧乏だった&しかしそんな父親を敬愛している…という話はつとに知られた話です。沖田艦長のモデルといわれている方です。
松本先生のマンガは結構持っていて、それこそ松本あきら名義の時の(絵柄の全然違う)マンガも持っていますが、やはり晩年の凄みの出てきた頃の戦場ロマンシリーズには愛国心は微塵もなく、それが名作に押し上げているのは間違いないでしょう。実際、秀作で、僕らの世代は皆、必ず読んで感激してます。999よりも人気がありました。ちなみに僕は第三巻の潜水艦と戦艦が北極海で戦う話と、第四巻のボロった爆撃機が死の山を越えようとするスタンレーの魔女の話が好きです。
実のところ、戦争とは殺し合いで、生物は「喰うため」と「子孫を残すため」に殺すのですが、人間の場合、これを『経済活動』という社会性で既に成し遂げています。つまり「特に殺し合う必要が、もうない」のです。代わりに『通貨』『国債』『中央銀行』などのツールを開発し、生きるための生産活動=『インフレ』をコントロールしながら皆で喰って子孫を残していける『文明社会』を築いたはずなのです。
僕がこの話しの中で一貫しているのは「戦争カコイイのかもしれないけど、実際にやるのはバカ」、「やったら悲惨な結果になる」、「それでもやりたいなら勝手にどうぞ&やるなら必ず勝ってきてね」というだけです。つまり『必ず勝つ』ことが出来ないのなら、バカな事はやめとけ…です。そして必ず勝ち続けられる無敵帝国は存在していません。これがガミラスに含まれていたテーゼです。
どのくらい悲惨な結果になるのかは第三章がそれで、極東アジア最強の無敵帝国の破滅後の世界がここにありました。特に第32話は僕の家の本当の話です。そもそも戦争になって丸焼けになっても家のローンは残るのです。ガミラスが遊星爆弾落っことして家が消えて無くなってもローンは残ります。放射能によって地価が下がっても固定資産税の支払いは残るのです。必ずです。地下都市に移住するにも新規の住宅ローンが必要で、物品配給時には闇市が出来ているでしょう。いいこと無いのです。第44話でも述べるのですが、勝ったとしても「かなり悲惨」です。WW2のアメリカだけが「かなり特別」で、他の全ての国でゴミを漁って生きていた市民ばかりです。略奪が戦争目的でなくなった段階で、もう必要のない作業なのです←戦争。
それより宇宙開発を進めて一気に星間文明を押し広げたほうが何かと良いでしょう。多分、ガミラスはそういう時代があったはずです。宇宙戦艦は対海賊退治程度で、民間人が一気に豊かさのために生存権を膨張させた時代が、です。それは「個人の欲望が爆発した個人主義の時代」だったはずです。そして、その結果として国民の所得が数倍に跳ね上がったはずです。豊かになったはずなのです。2199年時のガミラスは国家主義になっていたので破滅した…でもOKです。
この話の基本は「新自由主義」です。究極、「個人>国家」という考え方で、より利己的です。つまり此処は反ファシズム・反イデオロギー的な人たちのためのサロンです。実際、フリードマンなども絶対にやめるべき事柄の中に「平時の徴兵制」を上げています。僕も「当然」と思います。なぜなら強制労働であり、人頭税だからです。全世界で必ずやめるべきです。そして貧乏になると、人は破れかぶれになって結構、戦争というヘンな解決法をツールに選択することがあります。最初は「必ず勝てるから」と考え、結局、解決できずに破滅する…です。ということは、皆が豊かになれば平和になると言うことなのです。皆で豊かになることの必要性は僕ではなく、フリードマンらも考えていました。要するに「個人がしたいことをして生きていける」程度のツールは既に揃っていて、それを僕達庶民が再確認しよう…です。ただし、僕個人が新自由主義の中では『左派』であり、福祉国家を最低限の支出でなんとか叶えよう派です。逆はリバタリアンです。強いもの勝ち…に近い社会です。新自由主義のなかでも派閥が色々とあるわけですが…(^_^;)
よって日本は破滅してはならないし、今のところ、破滅を避けるための方法論もあると言っているわけです。これに失敗して戦争する必要など微塵もないからです。日本の問題は国債が多すぎるだけですが、この解決方法も第73話でUPしています。江戸時代は270年対外的な平和が続きましたが、いまの日本の体制ならその数倍は続いておかしくないでしょう。
平和なほうがいいよ(  ̄ー ̄)y-~~
…は不思議なことに、若い時にはあまり感じません。それでいいのです。年をとれば分かります。不思議なほどに、そうなりますから(笑
人間は不思議な生き物で、老い先が短くなればなるほど、戦って死ぬ…みたいな考え方が何故かできなくなるのですよ。
死ぬのが怖くなるんですわな… ┐(´ー`)┌
おー!確かに。ガミラスは地球人を殲滅させるつもりはなかったのでしょうね。
あれだけの科学力の差があるなら、一瞬で終わったであろうに、わざわざ首を真綿で締めるような作戦を実行してる。彼らに降伏と服従を求めていた。
その隙を突いて、波動砲というヤッパを持った鉄砲玉に本家を襲われた?感じですかね。
作者からの返信
ぬまちゃん様、いつもありがとうございます(^^)/
ごく普通に考えると、ガミ公が侵略する理由が今ひとつわからないのですが、無印旧作では「人類を滅ぼして地球に移民する」が、新作ではおそらく植民地獲得戦争の結果、思った以上にテロン人が反撃してきたため大規模消耗戦になってしまった…のようです。実際、2199では冥王星基地司令官が「はやく降伏して楽になればよいのに…」的な発言をしています。彼もまた帝国二級市民であったことから、ますます18-19世紀の植民地獲得戦争の色彩が濃くなっていたと推測はできますね。
ガミラス自体が国力以上に戦線を広げすぎていて、最前線に駐屯軍を配置できても、本国と最前線の途中には適切な量の軍を配備できないほどガミラスが衰退していた可能性は高いと思われます。そのためBBY-01一隻に帝国を劫略される不様な失態を演じたということですが、これは帝政末期のローマ帝国でもよく見られたことで、特に不思議でもありません。昔のローマは異民族や蛮族に何度も略奪されていたのですから、今回もテロンの野蛮人によってやられたということです。
本当の問題は、ヤマト一隻を叩くことができなかったということと思うのです。どれほど帝国が混乱していようともたった一隻を始末するのが困難…というお寒い帝国の現状です。四隻の空母でヤマト迎撃戦隊を編成し、逆に返り討ちに合うのですが、この時昔から言われていた謎…「なぜ空母四隻に護衛艦隊がついていなかったのか?」という疑問がついて回るということです。空母は航空戦力のキャリアに過ぎず、攻撃・防御の双方を艦載機に追う所が多いこと、またテロンの歴史においても空母艦隊に対して多数の敵航空機による波状攻撃にさらされた場合、空母艦隊に多数の犠牲が出ることは判っていました。特に太平洋戦争後の米国海軍の戦闘演習で、「もし米国空母機動戦隊のように、一度に100機近い経空攻撃を受けたとき、どうなるのか?」のシミュレーションを行ったことがあり、この時には300機の敵航空機が米国空母機動部隊を空襲。うち100機は要撃機による迎撃・阻止、残り100機は艦隊対空戦闘により迎撃・阻止できるものの、1/3は艦隊に接触。多数の艦艇に被害が出るという結果になったそうで、これをもって米国はミサイル防空〜ターター・タロス・テリアの3T防御→イージスシステム搭載艦という「対飽和攻撃」に必死になるという戦略を採用したそうです。
同じことは多数の戦闘を繰り広げていたガミラスでも判っていたであろうことで、事実、エルク・ドメルは白色彗星帝国の対ガミラス領攻撃部隊に対して艦隊白兵戦で要撃に成功しています。この時、白色彗星帝国には空母部隊があり、この空母にガミラス艦艇が肉薄、撃沈破していることから空母部隊の脆弱性についても熟知していたと考えるべきで、ならば対ヤマト艦隊に多数の護衛艦がない編成は「イスカンダルの技術をもった無敵艦」相手に対して、本質的な脆弱性を持っていた艦隊であったことは否めないということでした。多数の護衛艦隊をつけるべきで、もし空母艦隊を守る艦隊があればヤマトを始末することも可能だったかもしれません。それが出来無かったということは、それだけガミラスの国力が衰退していたということで、艦隊の維持編成にさえ苦労するほどだったと考えれば、隣の水の星に地球環境保護装置を取りに行く宅急便一本阻止できなかった理由も「もうカネがないから…(T_T)」であることは容易に推測できます。
こう考えると、テロン人は運が良かったのかもしれませんが、他方、ガミラスは早晩、誰かに木端微塵にされていたように思いますね( ・᷄д・᷅ )
ガミラス帝国の経済について考えることは大変魅力的なことです。これらについても考えてみたいと思いますです…m(_ _)m