歌を聞いて、涙する。







お恥ずかしい話ですが、割りと多いです。

映画やドラマ。スポーツ観戦にドキュメント。大舞台の裏側。

……等々。


泣きます。


年齢を重ねると、本当に涙腺は安売りを始めるのだと思いながら、未だに感動し、新しい感覚を受け容れる余白がある事に驚きます。


本来は、

年頃の可愛らしい、お嬢さんに向けられた歌だろうに。

前途ある若者を、励ますための歌だろうに。


歌詞が刺さり、ホロリとします。

もちろん、周囲に誰も居ない事を確認してからです。


以前は、歌を聴いて涙する事はありませんでした。

アーティストが世に出して下さる美しい作品を、享受する日々。

テーマに添えられたものであったり、

世界の情景を、世情を、信念を歌に込める人が生み出した共通の美意識。


歌は、アーティストのものであり、テーマのものだと思っていたのです。


美しい作品に触れる機会は、

知り合いの勧めや、ラジオです。


ある日。

あるアーティストの曲がラジオから流れて来ました。


いつもの、ながら聴きだったので、どこの誰が歌っているのかも分かりません。


縁がなかったと残念な思いのまま、日々は過ぎました。


およそ半年後、聞き逃した例の曲が再び流れたのですが、タイトルを聞き逃す失態。

ただ、アーティスト名は押さえました。


便利な世の中にはなっていたので、曲に辿り着けたのです。


最初は、

拙作のイメージに近い歌だと、親近感に似た思いが起きていたのですが、

いつの間にか、自身の思いや状況に落とし込んでいました。


気付けば、涙しておりました。


自宅で良かったです。

誰もいなくて、本当に安心しました。


正直な話し、歌を聴いて涙がこぼれる日が来るとは思いませんでしたし、

納められたテーマや、作品、ファンの方々のための歌を、個人的に落とし込んでも良いのだと、その時に気付く事が出来たのは驚きでした。


遅いです。遅過ぎます。

私は、何もかもが遅いです。


童話の『人魚姫』のラストを知ったのは、成人を過ぎてからでした。


遅くはなりましたが、気付く事が出来て、知る事が出来て良かったと感じました。


死ぬまで、学ぶ事が叶うのだと、改めて実感しております。


「脳は、生きているうちにしか使えないんだぞ。死ぬまで考え続けろ」


恩人の一人に掛けられた言葉です。

面と向かっての事ではなく、去り際に、ポツリと。


聞き取れたら、それで良い。


そんな響きがありました。


言葉に声が乗るだけで、これだけ脳に刺さるのだと、これまた思い知ったのです。


その上、節や音が付く歌、観衆と作り上げるライブは、殊の外、特別な空間になるのは、当然なのですね。


しばらくはY氏と、グループA、グループBに注目したいと思います。





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