SCP-1152「アライグマ」について

オブジェクトクラス:safe


 SCP-1152は、ざっくり簡単に言ってしまうと「人間並みの知能を持つアライグマ」です。身体は一般的なアライグマ種のもので、鼻から尻尾まででたったの60cm、栄養失調の症状にも関わらず体重は75kgを計測しています。おでぶちゃんですね。

 ここから特異性なんですが、ゲノムはアライグマのものではなく人間のゲノムにほぼ完璧に一致します。さらにSCP-1152の遺伝子情報をデータベース上にぶち込んだところ、なんとかつて勤務中に消息不明となったエージェント・████の遺伝コードと99.87%の一致が確認されたそうです。不思議ですね。

 さらにSCP-1152はヒトにのみ感染する病原体にも敏感で、他のアライグマよりも寿命がはるかに長く(収容から6年たった現在でも元気に収容中)、知能も一般的な思春期前後の人間と同じレベルを保有していて、あの財団の監視、防犯体制に対し初発見から二週間職員の捕獲の手から逃げ続けました。なお捕獲後、長期的な鬱の症状が現在まで確認されています。あの天下の財団様に捕まったのがそんなにショックだったんですかね…

 またSCP-1152はアライグマの関節可動範囲を超え、本来ではありえない器用な前脚の使い方で南京錠だったり鍵だったりを開けることが出来ます。そのため鍵は収容違反の可能性を減らすためキーカードシステムに変更されました。


 …ここで一つの意味不明な収容違反をひとつだけご紹介します。

 SCP-1152が壁を掘り抜いて脱走しようと推測される行動をとったので、財団側は静止するため一人のエージェントを派遣したところその派遣されたエージェントをブン殴り気絶させ、キーカードをぶんどってSCP-1152が収容違反を起こしました。

 大体三時間後、SCP-1152は再収容されたのですが、収容違反中、SCP-1152はどういうわけか盗んだ携帯電話をでたらめに押しまくり、あの消息不明となったエージェント・████の妻にダイアルしていたようなのです。その通話は記録を見るに五分間通話が続けられ、会話は全てSCP-1152の鳴き声があるばかりでした。

 SCP-1152は一体何がしたかったのでしょうか。少なくともSCP-1152には知能があるので意味もなくそのようなことをすることはないと思うんですが…

 どうなんでしょう、もしかすると俺が確認出来なかっただけでもう解明とかされてるのかもしれません。元記事のURLは怖くて貼れないのですが、俺の代わりに元記事の方へ行って確認して頂けませんか?


おまけ(ネタバレ)↓


https://kakuyomu.jp/users/misoshiru_setyura/news/1177354054894424934

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る