猫をかばってトラックに轢かれた男子高校生が、改造手術で戦隊ヒーローの黄色として蘇り、悪の手先から自分の身を守るために仲間探しに奔走するという、なんともやるせないストーリーが面白い。
主人公の家路君は、勉強も運動も平凡で、いつもエロい妄想ばかりしているけど気になる女の子の前では挙動不審でまともに喋れない。まあ、非モテで地味な陰キャはこんなもんだよねというキャラクター像が、悲しいかな共感してしまう。
戦隊ヒーローの黄色といっても、防御特化型で戦闘力のない彼は悪の手下に襲われても手も足も出ず、世界の平和よりもまずは自分の身を守るために仲間を探し、見つけたかと思えば脳筋な赤色のフォローに回りと、ヒーローらしからぬ苦労ぶりが申し訳ないのだけれど笑いを誘いました。
どうしてこうも世の中、黄色ばかりが差別されるのか! 黄色だって頑張って生きてるんだよ! カレー好きだから世知辛いってか! 次の戦隊ヒーローは黄色を応援したくなりました。
(新作紹介 カクヨム金のたまご/文=愛咲優詩)