【エピローグ】
「なんだこれ」
蔵の入り口、扉に張った紙を見てユキ兄が言った。そこにはこう書いてある。
みら☆メガ! トラブルバスターズ
あの作戦から何日かたち、アタシたちは、いつものように蔵に集まっている。
水明桜も、いつものように元気な姿を見せてくれている。未来メガネでみても、元気だった。
「アタシたちのチーム名だよユキ兄」
「はい、さゆちゃんが考えて、アタシがロゴにしました」
「へええ、うまいもんだな」
「トラブルバスターズってなんだ? なんかかっこいいな」
そう言うのは、いつの間にかちゃっかり蔵のメンバーに溶け込んだ空野だ。
「トラブルバスターズってのは、訳すなら厄介事解決人って感じかな」
「へ~、いいっすね!」
「未来メガネ、これからも使うか分からないけど、そのために集まったアタシたちにぴったりだと思うんだ」
みんなが蔵に入っても、アタシはその張り紙を満足して眺めてた。すると、ユキ兄が戻ってきて言った。
「なあ、さゆ吉、春休みに最初に会った時、オレのことおじさんに見えたって言ってたよな」
「うん」
「あのこと時々考えてたんだけどさ、未来にピントを合わせる見方を、無意識にやってたからだと思うんだよ」
「あ、そうかなるほどね」
つまり、アタシはずっと未来のユキ兄の姿を見てたってことか。
「でさ、気になったんだけどさ、オレ、ハゲてた?」
「え?」
「だから、髪の毛あったかって聞いてんの」
ユキ兄は心底まじめな顔でそう聞いてきた。
「ぷっ、あっははははは。そんなこと気にしてたの?」
「ばっか、重大なことだぞ、これは」
「おしえてあーげない!」
あたしはユキ兄から逃げて駆け出した。空を見上げたらきれいな青空が広がってる。これはメガネをかけなくてもわかる、明日も晴れそうだね!
みら☆メガ! ~アタシと未来メガネの日常と非日常~ 荒霧能混 @comnnocom
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