第6話
目を覚ます。不規則なリズムで体は揺れ、目の前の景色は少しずつ、ほんの少しずつ遠のいていく。
下半身は引きずられ、地面の起伏によって激しく揺れている。
「えいっっ」
『うっっ』
聞こえてきた掛け声と同時に、引っ張られた洋服が首に食い込む。
食い込んだシャツを首からひきはがそうと、もがきながら見上げると、先ほど助けた子が未だに自分を引きずっていた。
よくよくあたりを見てみれば先ほどいた場所から十数メートルほど離れた場所にいた。
先ほどの傷はまだ治りきってない。揺れで無理やり起こされたか……
『おい』
自力で歩けるのにいつまでもこの激しい揺れに身を任せてはいられないので声をかける。
「え?あっおっ起きたなら早く言ってくれない?あんた重いんですけど」
『わりぃな、今起きたとこだ。運んでくれてどうも』
「って、はぁ?いっ意外としっかりしてる?死んでない?意識はしっかりしてるの?」
『あぁ大丈夫だ。もう5分くらい休めば前線に戻れるだろ』
本当なら大事をとって10分は休みたいところだが。
「前線ってあんたさっきの傷は……」
『もう治りかけだ』
そういって傷を見せる。実際、銃であいた穴はもうほとんどふさがっていて、あとは皮膚が治るのを待つだけのような状態だった。
「嘘……あんた何者?」
『お前もなんであんなとこ突っ立ってたのか知らねぇが、落ち着いたら前線もどれよ』
そう言い、前線へと足を向け、剣を引きずって歩き出した。
不死身が転生機で転生しました 狼神ーオオカミー @okami_sin1225
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