ロボットと人類が共生する社会は来るか。

新宿でテスト運用中の都市整備ロボット(通称キノコ人間)。
都市芸術として、様々な手段でハッキングを試みる大迫徹。
技術者の加藤直子はハッキング対策し、慎重にテストを進める。
菌で生体発光するロボット。自己改良する生体回路。
会社側は元をとるため、掃除以外の分野にも納入を急ぐが……。

掃除と警備での求められるアルゴリズムの違いとか。
どこまで中央制御で、どこから中央を通さず個体の判断に任せるか。
利益追求する上層部が、慎重な運用を説く現場技術者を押し切ったり。
キノコ人間の運用拡大で、人間が職場を奪われたり。
大事件は起きないし、必ずしも未来が暗いわけでもなく、
キノコ人間たちが不可逆的に人間社会に浸透していく過程が
淡々とリアルに描かれていて、非常に面白かったです。