第15話「別のモノ」


リーマは不安で心がいっぱいだった。あの置き手紙がそうさせたのかもしれない…。


『俺が帰るまで家から出るな』ユデアの一言がリーマの頭を過る。


プロロロロロ…。再び家の電話が鳴る。


リーマ「もしもし?父さん!?…え?テード保育園?」


リーマ「ルイスはそこにいるんですね!?わかりました!今すぐ迎えに行きます!」リーマは急いでルイスを迎えに行った。


ドライブ「…よし。リーマくんが家を出たぞ。回収してさっさと仕掛けろ!」部下「了解!」


ユデア「急用で家に帰らせてください。…はい…ありがとうございます。」



部下「ありました!D:Rの体毛です!」ドライブ「OK…。では私達も帰るとしようか!」


ピッ!


リーマ「ルイス!よかった~!帰ろうか!」保育士「今日はお兄ちゃんなのね、心配したのよ~ お母さんの電話にかけても全然繋がらないんだもの。」リーマ「…え?」


リーマ「ルイス!早く帰るぞ!」ルイス「え?うん…わかった。」保育士「気を付けて帰るのよー!急がずにね!」リーマ「はい!ありがとうございました!」


ルイス「兄ちゃん…どうしたの?そんなに怖い顔して…」リーマ「…え?な、何でもないよ!」ルイス「…?」


ユデア「帰ったぞー…。…リーマ?」


ユデア「ったく…どこに行ったんだ!?家から出るなと行ったのに…」

ユデア「ん?何だこの箱…」


ユデア「!!?こ、これは…!!」


《ズドーーーーーン!!!》


「な、何だ!?」


「火事!?」


「何か爆発したぞ!?」


「家が燃えているぞ!!」


「あれはユデアさんとリミアさんの家じゃないの!?」


グレイブ「何だ!?今のでかい音は!?」

ルマ「…!?火事…!?」


リーマ「…!!」ルイス「お兄ちゃん…!」


リミア『おかえりなさい!リーマ!』


リーマが家に帰るといつも母のリミアが家で待ってくれていた。


今日、リーマの住んでいる家は炎に包まれ黒く染まり、まるで別のモノに変わろうとしていた。


形のない…辛く苦しい思い出に…。

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ダウン=アップ~奪われた平和と日常~ @kira-kira

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