第1章 日常に潜む闇
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予見。
それは、未来を予知する能力。
これがあったら……
いや、ifの話をするのはやめよう。
俺は、第三次世界大戦を引き起こした。
一人につき、一つしか与えられないはずの『能力』。
それを、俺は二つ持っていた。
なぜか、と?
そんなのは俺も知らない。
結局、各国が俺を取り合った結果、世界大戦に発展した。
人々は逃げ惑い、また抗い、また戦い。
まさに大惨事。
国境など関係なし、ただひたすら人々は逃げ回った。
──これが、約15年前の話。
つまり、俺が生まれて1、2年たった頃だ。
そして今。
俺の目の前には、数人の友人がいる。
俺が、世界大戦の元凶だと知らずに。
俺に堂々と話しかけてくる。
気安く、と言ってはいけないのかもしれないが、まさにそういう状況だ。
もちろん世界大戦で親や兄弟を失くしたり生き別れになったりした人もいるだろうから、そうすると俺のことも憎んでいるはずだ。
プライバシーの保護、つまり俺の名前を伏せていたため俺が元凶であることは知るよしもないが。
──これが、俺の、物語。
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