-epilogue-
さて、その後のことについては、取り立てて説明すべきことはあまりない。
河原マキは、毎日女子生徒として元気に桜庭小学校に通っている。
クラスメイトや部活の仲間との関係も良好。家族も、拍子抜けするほどアッサリとマキの希望を認めてくれた。まぁ、両親とも「娘が欲しかった」ようなので、ある意味納得だが。
強いて挙げるなら、5-Aの雰囲気も、6-B程ではないにせよ、以前と比べると随分と和やかになり、またまとまりが出てきたことくらいだろうか。
秋の文化祭、体育祭なども、マキは学校公認で女子枠で参加した。
冬休み、大晦日、お正月……。無論、三が日は振袖姿で初詣と年始回りに出掛けた。
2月のバレンタインにマキは、かつての友人であり、最近また少しずつ話す機会が増えている繁久に、親愛の意を込めてチョコを贈り、周囲から冷やかされたりもした(ちなみに3月14日には、コッソリ彼からお返しをもらった)。
そして、迎えた4月。今年度も無事に蒼井三葉が6-Aの担任になったおかげで、マキは卒業するまでこのままでいられる事が確定する。
加えて、天迫教諭のツテを通じて、着用者の体型を強力に補整する特殊な“ファーストブラ”を入手してもらうことができた。これのおかげで、マキの胸にもささやかだが女の子らしい膨らみができ、体型に関するコンプレックスがいくぶん軽減されることとなる。
今や、河原マキを男の子扱いする人間は、周囲にまったくと言ってよい程いない。それどころか本人でさえ、風呂で股間を洗う時でもない限り、すっかりそのことを失念しているのだ。
中学はどうするのかなどと将来的な問題はまだまだあるものの、現在に関して言えば、マキは全力でガールズライフを満喫しているのだった。
~スクールガールラプソディ・完~
スクールガールラプソディ 嵐山之鬼子(KCA) @Arasiyama
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