美男小説

第1話

男が男を求め彷徨う…事もある。広大な自然や男の薗、男子寮や男子校がある世界、モエルンデスに生まれ育った美青年、ビャクヤはオメガの妊夫。数ヶ月前、アルファの漢に出会い惚れ発情し抱かれ妊娠したビャクヤは男感のある美貌の持ち主。臨月で一途なビャクヤは中肉中背で子供に会える事を心待ちにしている主夫。

「…あっ動いた」

ベビー用品と二人分の男用品がある室内。そこで赤ちゃん用の何かを編んでいたビャクヤは自分の丸い腹を撫でながらその口を開いた。

「もうすぐ会えまちゅよ」

――青海のような瞳。黒い絹糸のような髪の毛。中肉中背でお腹が大きく見えない洋服をその身に付けているビャクヤは椅子に腰をかけている頑張り屋の好青年。ほぼ毎日夫の帰りを家事をしながら待つ…と言う生活をしているビャクヤは後日、夫の部下に会い夫が仕事上のトラブルを抱えている事を知った。

「…そうなんですか」

喫茶店員やビャクヤの夫の部下の姿がある喫茶店内。少し前、たまたま夫の部下に会ったビャクヤはビャクヤが一肌脱げば解決するトラブルを夫が抱えている事を知った。

「…解りましたオレが一肌脱いで何とかします」以前からもっと夫に尽くしたいと思っていたビャクヤはそう言いトラブルを解消すべく動き始めた。