ダンジョン攻略ためには何よりパーティーが大事だと思います。
アルク
第1話 ソロが好きな少女と、パーティーができない少年。
(1)
今から数十年前、大地の豊かさが溢れるこのイドシルラー大陸に一つ大きさ変化があった。
大陸あらゆるどころで謎の遺跡や巨大な島、そして洞窟……いわゆるダンジョンと呼ばれる地形が現れた。
このダンジョンが一体どこから、そしてなぜ大陸あらゆるところで現れた理由は未だに謎で残っている。
でも一つ確かなことはダンジョンの出現は人間たちに大きな変化をもたらしたことだ。
ダンジョンの謎を解くために研究し探究する者。
ダンジョンに出没するモンスターを倒し戦利品を獲得しようとする者。
誰よりも先のダンジョンを攻略し名誉を得られるとする者。
時は流れ、いつの間にか人たちはそんな人物たちのことを探索者と呼ぶことになった。
***
「うあぁ!レットゴブリンリーダーだぞ!」
探索者たちが一番集まるルフラム町からそんなに遠くない、ある場所の洞窟の中。層は地下3層でこの洞窟の最下層だ。
洞窟……このダンジョンの名前はパシブルダンジョンでイドシら大陸に現れたダンジョンの中で人間に最初で攻略された場所で有名だ。
一番最初で攻略されたダンジョンほど難易度はすべてのダンジョンの中最下難易度だ。値段がありそうな戦利品はすでに最初攻略した人たちはが全部持っていかれて、金を稼ぐためにはいい場所ではない。
だが低い難易度のため初心の探索者たちがダンジョン探索練習をするには最適な場所である。
「あ、あわてるな!陣形を崩しちゃダメだ!作戦通りすればやれる!」
ここにダンジョン探索をする5人のパーティー。
5人の中、前の4人は初めて見るダンジョン最終ボスの登場にあわてる姿が見えるのが、探索者になってあまり長くない初心者に見えた。そんなに高く見えない装備を着てそのなりの陣形で前に進んでいる。
そしてパーティーの一番後ろで長いローブで顔までかぶった残り一人は、あまり興味がないみたいに遠くから4人を見つめるだけだった。
今このパーティーの敵はパシブルダンジョン最下層に出没する最終ボスであるレットゴブリンリーダー。
レットゴブリンリーダーそのものはそんなに強くないが、リーダーを守ろうとするたくさんの部下ゴブリンと、リーダーという名前を持っていることはあって部下たちに戦術命令を出す。
「きええええええええぇ!!」
レットゴブリンリーダーが声を上げると周りの部下ゴブリンが一斉にパーティーの方へ飛び込んだ。
「させない!」
初心者に見える4人の中それでも落ち着いていたリーダーに見えるメンバーが一番先に出てゴブリンたちを立ち止めた。装備は片手剣と自分の体全体を隠すほどの大きな盾。ゴブリンたちの攻撃を盾で防ぎながら絶対通りさせないとその場の守った。
そんなリーダーの姿を見て心を直したメンバーの一人がリーダーを手伝うために前へ走った。装備は自分の背より長い両手槍。敵を防いてくれるリーダーの後ろから槍という長さを利用してゴブリンを一人ずつ倒した。
「ヒール!」
「すでに準備できた!」
リーダーが叫んだ時、後ろにいた二人の中、小さいワンドを持っているメンバーがワンドを振り回した。その瞬間ワンドから白の光が輝いて前にいるリーダーの体を包み込んだ。回復魔法を受けたリーダーはまた力を入れ盾でゴブリンたちを押し剣を振り切った。
「魔法完成した!下がって!」
そして最後の一人が大きい杖をゴブリンたちに向かったまま話した。魔法が完成したという言葉でリーダーと槍を持ったメンバーは少し後ろに下がった。その直後大きい杖から発射された赤い光が炎になってゴブリンたちを飲み込んだ。
前方を担当するディフェンダーとアタッカー、そして後方を担当するヒーラーと遠距離魔法使い。初心の探索者パーティーなりには最上級と言えるパーティー組み合わせだった。
まだ足りない部分もあるが各自のポジションをうまく果たしている。ならば、このダンジョンを攻略するには無理がないはずだ。
そうやって後ろから4人を見つめていた人は考えた。
「よっしゃ!あと残りはリーダーだけだ!」
見える部下ゴブリンを全部倒し、レットゴブリンリーダーだけが残った時、意気が上がったリーダーが叫びながら一人で前に進んだ。
その姿を見たローブをかぶった人は舌を鳴らした。
リーダーがどのくらいレットゴブリンリーダーに近づくと両方の壁に隠された空間からまだ残っていた部下ゴブリンたちが出てきた。
「また、部下が残っているだと!?」
部下ゴブリンたちはあっという間にリーダーを包囲し、一人であまりにも前に進んだせいで仲間の助けをもらうには遅い状態だ。
「ま、まってよ!くああああぁ!」
ゴブリンたちは一斉に包囲したリーダーを攻撃し、諸方から来る攻撃を全部防ぐことができなかったリーダーは致命傷を受けてその場で倒された。その直後分からない青の光が倒れたリーダーの体を包み込みあっという間にその姿を隠した。
致命傷を受けると自動的に発動される加護が働いたのだ。リーダーはきっと町へ強制に召喚され今のところ自分の傲慢さを後悔しているかもしれない。
「バ、バカ!ディフェンダーが勝手に行っちゃうとどするのよ!」
「もう、どうしよう?」
「俺が分かるか!」
リーダーを無くしてパーティーはパニックになった。パーティーにとってディフェンダーは一番重要な役割と言っても過言ではない。まだアタッカーが残っているけど一人で前方を担当するには無理がある。そして前方が突破されると後方は力を使えない。
でも敵の数は少ない。たとえ一人がいなくなっても今3人の戦力ならまだ十分攻略できる。
だが……
パーティーに依存した分、そしてその依存したパーティーが崩れて問題が起こった。
お互いにどうすればいいのか分からないまま迷っている。この様ではダンジョン攻略は無理だ。
このパーティーはダンジョン攻略に失敗したのだ。
「仕方ないか。」
今までずっと後ろから見つめていた人物がため息をしながら言った。そしてローブを脱ぎ捨て前に進んだ。
長いピンク色の髪。強い意思を保ったエメラルド色の瞳。素早さを重視した紅白色の装備。まだいわけない少女だ。
少女は思った。
やはりパーティーを組むことはよくない。そもそも弱いからパーティーを組んで他人に頼るのだ。弱い人は失敗を繰り返すだけだ。だから頼るべきはパーティーではなく自分だけだ。
「パラメオン!」
少女が叫んだ時、右側の赤いイアリングから光が輝き一つの棒になって少女の手に握っていた。
「え…と…あなたたちのパーティーはダンジョン攻略に失敗したと判断され依頼した通り警護の任務を…」
「きええええええええぇ!!」
少女の言葉を無視して走り出す3匹のゴブリンたち。
「は…やれやれ。」
自分の言葉が切られてしまったことが気に入らなかった少女は再び舌を鳴らした。
そして次の瞬間…少女は棒を前の方に出し先っぽを片手で握って手首だけを動かした。ただそれだけの行動…でも棒はまるで鞭のように動いて飛び込んだゴブリンたちを吹き飛ばした。
まるで空気が爆発するような衝撃音。飛び込んだゴブリンたちはあっという間に壁とぶつかって倒れた。
「ああ、やはりパーティーは全然役に立たない。ディフェンダー一人いなくなった程度でこの様。え…どこまで話しただけ?あ、そうそう。攻略に失敗した。初心の探索者様たちは静かに逃げてください。」
そうやってピンク色の髪の少女…探索者上位ランカー……ナレーは笑いながら言った。
ダンジョン攻略ためには何よりパーティーが大事だと思います。 アルク @rostrea
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