官僚と宦官

 前回は宦官のタイプについて述べていきましたが、宦官と官僚の関係もまた幾つかにタイプ分けすることができます。

 一般に、官僚にとって宦官とは「儒教の教えに逆らって親からもらった体を傷つけ(親不孝)、跡継ぎを作れない体になった(親不孝)」という、親不孝のダブルパンチをやらかした不届き者でした。またそもそも、性器を切除した宦官は、ヒゲが生えなくなる、声が高くなるなどの変化が生じ、中性的な体つきになります。そういった男でも女でもない者たちは、社会から容易には受け入れられない存在でした。歴史的に宦官が王朝内での争いや政変に絡んできたことも、官僚の警戒心を煽っていました。いや、官僚だって後継争いや内紛に絡むだろ、というツッコミを現代の私たちがしたところで、彼らの耳には届かないので無意味なことなのです。

 というか中国史において官僚になれる人たちって、平均と比べたら余裕がある家庭の者が多かったでしょうから、現代日本にも当てはまる構図が見えてきますよね。こいつら何も理解してないし、理解しようともしねえよな、という感じ。たとえば科挙とか、ただでさえ合格するのは難しいのに、裕福な家に生まれなかったら合格はほぼほぼ不可能なのでは? 受験勉強をしたくても、テキスト代を捻出できなかったらスタートラインにすら立てませんからね~。


 とはいえ官僚たちも、ずっと宦官と敵対していたわけではありません。宮廷が宦官に牛耳られた時代もありましたし、また前回述べた参政型の宦官と仕事の付き合いをしていくうちに認識を改めた者もいたでしょう。そうして協力しあっていくうちに友情が芽生えたこともあったかもしれません。あと、偉い相手にはゴマをするというのは処世術の一つでもあります。もっとも、官僚との関わり合いができるのは後宮の奥深くで雑務の処理に追われている下級の宦官ではなく、高級宦官たちなのですが。……ぐだぐだ述べるのはやめにして、ここら辺で本題に入っていきましょうか。


官僚と宦官の関係

①盟友型:宦官が権力を持ち始めると、立場をより強固なものにするため官僚と手を結びました。そうして宦官の地位が向上すると重要な職を占める者も出てきました。そうして官僚と宦官の深い繋がりができあがったのです。


②天敵型:とはいえ上記の盟友型の関係は政略の上に築かれたものでした。そのため、条件が変われば官僚と宦官は敵対するようになったのです。官僚にとっての宦官とは、自らの地位を脅かし、政治の正常な運営を妨げる存在でした。宦官たちも機を見ては官僚たちを殺したりしていました。


③屈従型:内心はどうあれ、宦官が実質上のトップになった宮廷では、科挙に合格した英才すら宦官に頭が上がりません。実際、宦官に跪いたり賄賂を贈ったりして、保身や出世、財産のために媚びへつらった官僚もいたのです。



 ……このままでは文字数がちょっと寂しい気がするので、以下は私が蓮の実でチェ―を作ってみたレポになります♥

 中華もの、もしくは中国を舞台にしたお話を読んでいると「蓮の実」という食べ物がたまに出てくるじゃないですか。読んで字のごとく蓮の実(種)なんですが、私アレの味がずっと気になってたんです。なので蓮の実(乾燥)を買って、チェー(ベトナムの冷やしぜんざいのようなもの)を作りました。ちなみに蓮の実は生でも美味しく食べられるそうです。


 まずは乾燥した蓮の実を一晩水に付けます。戻し汁はちょっとジャスミンに似た甘く爽やかな、でも清々しい香りがしていました。おそらくこれが蓮の匂いでしょう。水で戻した蓮の実は、一粒一粒チェックして芽があったら取り除きます。この芽はとても苦いので、取らないと美味しくならないそうです。ただ、取り除いた芽は上記の蓮の匂いを濃縮させた中に苦味が混じる、独特の香気を漂わせていて、調理法次第では美味しく食べられそうでした。ちょっとした香りづけにも使えそうです。

 芽を取り終わった蓮の実は柔らかくなるまで煮て、更にシロップで五分ほど煮ます。そうしてしっかりと冷やします。このシロップはココナッツミルクで作ったり、パンダンの木という東南アジアではメジャーな香料で香りづけすることもあるそうです。でも今回は蓮の実を味わうために砂糖と水だけでシロップを作りました。

 肝心の味の方は、淡白な味わいの中にピーナッツのような風味が感じられて美味しかったです。舌触りは小豆や栗のようにほっくりとしていました。蓮の実そのものは栗と同じかそれよりも控えめな程度の甘さなので、料理に使っても美味しい一品ができるでしょう。

 私が通った高校にはお濠があり、そこには蓮が生えていました。なのでこんなに蓮の実が美味しいのなら、高校の濠に生えていた蓮から実を取っていれば良かったです。でもそんなことをしたら反省文を書かされていたでしょうから、やっぱり高校時代に蓮の実が食べられることを知らなくてよかったです。


 今回でこの章は終わりです。結構サクサクまとめられてしまった……。何はともあれ、少しでも皆様の力になれますように。

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