オセアニア

 今回で長かった民族衣装編も終わりです。本当に長かったですね。次は何についてまとめようかな~。

 なんて考える前に、オセアニアの民族衣装について述べないとですね。もっとも、オセアニアの民族衣装はその気候や風土ゆえか、腰布とボディペインティングだけというのがほとんどです。それが彼の地で生活するに最も適した格好なのだから当然なのですが、それ以上に述べようがないのも事実です。

 ただ、


 アボリジニ:白土でボディペインティング。男は成人式で体に傷をつける。

 マオリ族:男女ともに亜麻のような葉製の腰みのを装着。男は上半身裸だが、女は亜麻布を羽毛で飾った儀式用マントを着用する。

 

 というような差異もあります。

 また、オーストラリアの北に位置するニューギニア島は、東側はパプアニューギニア、西側はインドネシア領イリアンジャヤとなっています。そのうちイリアンジャヤの民族には、キオと呼ばれるペニスケースを身に着けるグループもいます。

 キオは完熟した瓢箪の中身をくりぬいて作ります。と、いってもニューギニア島の瓢箪は我々がイメージする瓢箪とは全く形が異なり、細長かったり弓なりに湾曲していたり、渦巻き状だったりするのですが(どうやら成長の段階で、ある程度実の形をコントロールできるようです。日本の四角い西瓜みたいですね)。

 とにもかくにも、中身をくりぬき、豚の油で丹念に磨き、上に穴をあけて紐を通せばキオは完成します。男の子は七歳ぐらいになると、父親の判断に従ってキオを付けるようになるそうです。イリアンジャヤの男性はキオを何個も持っていて、形や大きさに応じて使い分けているのだとか。


 また、イリアンジャヤの先住民の男性は顔を白土で化粧したり、肌を炭で真っ黒に縫ったりします。祭りや戦闘のため正装する際は、鮮やかな色の鳥の羽根や動物の毛皮などで作った冠を着用します。もちろんキオも、鳥の羽根などで飾ります。それだけでなく、首には動物の骨や牙、ビーズなどで作った首飾りもつけます。

 首飾りには富と力の象徴である貝(宝貝や小安貝など)製のネクタイのようなものもあるのですが、贅沢品とされています。彼の地では貝は非常に高価なこともあって、上記のタイプのネックレスは財産がある年配の者が沢山つけているそうです。


 イリアンジャヤの先住民には、女性の恰好が既婚か否かで異なる部族もあります。未婚の女性は束ねた水草製の腰みの、既婚の女性はヨカールという木の皮と蘭の茎を組紐状に編んだものを腰骨よりやや下で身に着ける、というように。もっとも、ヨカールは結婚の際に男性が女性のために作って贈るものなので、未婚の女性はヨカールを身に付けられないというより、ヨカールを持っているのは必ず既婚女性である、という感じでしょうか。

 イリアンジャヤの先住民の女性は、他にもノーケンという網袋を二つ、眠る時を除いて常に背中に垂らしています。背中に垂らした二つのノーケンのうち一つは、食物、時には赤子を入れるという実用に即したもの。しかしもう一つは何も入れないただの飾りです。ノーケンは木の皮の細い繊維を足も使って撚り、指で袋状に編みます。この繊維は焼いた赤土を用いて赤く、野ボタンの実を擦りつけて青く染められたりもします。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る