シベリア その⑥トゥバ人、ハカス人、アルタイ人
今回はまずはトゥバ人について述べていきます。トゥバ人はシベリア連邦管区のトゥヴァ共和国の他、モンゴルの北・西部や新疆ウイグル自治区、カザフスタン東部でも暮らしています。言語はシベリア・チュルク語群のトゥバ語で、宗教はシャーマニズムやチベット仏教を信仰しているそうです。生業は地域によって様々です。馬や牛、羊の放牧に加えて大麦や黍の栽培を行うところもあり、トナカイの飼育や狩猟を中心に行っているところもあります。
ところで名称の表記は某百科事典に倣ったのですが、どうして国名だけ「トゥヴァ」なんでしょうね? なお民族衣装については、男性用の毛皮製外衣・トンは丈が長く、歩く際は裾を帯に挟むということしか記載がありませんでした。
次はハカス人についてです。ハカス人はトゥヴァ共和国と隣接するハカス共和国などで暮らしています。言語はシベリア・チュルク語群のハカス語の他、ロシア語も操ります。宗教はテングリズムと、かつて強制された結果正教を信奉しています。
ちなみにトゥバ語とハカス語の関係は以下のようになっております。
チュルク祖語(存在については様々な論争あり)
|
シベリア・チュルク語群
|
________________________
| |
南シベリア諸語 北シベリア諸語
| |
_______________________ |___
| | | | | | アルタイ・ チュリム・ エニセイ・ サヤン・ ドルガン語 サハ語チュルク諸語 チュルク諸語 チュルク諸語 チュルク諸語
| | | |
アルタイ語 チュリム語 | |________
及び諸方言 __________________ | |
| | | | | |
ショル語 富裕キルギス語 西部ユグル語 ハカス語 トファ語 トゥバ語
ちなみにサヤンとはシベリア南部に位置する、モンゴルとの国境でもある山脈の名前でもあります。エニセイはエニセイ川ですね。
なお、ハカス人の民族衣装については以下のことしか分かりませんでした。
男性用の外衣シューバ(トン、クイスカ・タタアルトン)は羊毛や狐の毛皮から仕立てられ、綿布やビロードで覆われるそうです。乗馬用だけれど、夏でも頻繁に着用されるのだとか。
次はアルタイ人についてです。アルタイ人はシベリア連邦管区のアルタイ共和国などで暮らしています。言語はアルタイ語で、宗教はシャーマニズムにチベット仏教、正教を信仰しています。21世紀初頭までは、他にブルハン教(1904年から1930年にかけてアルタイ人の間で栄えた、前述の三つの宗教の
では、以下でアルタイ人の民族衣装について述べていきます。まずは男性の民族衣装について。
アルタイ人もまた冬用の毛皮製の外衣トンを着用するようです。素材も、前述のものとあまり変わりません。
アルタイ人のトンは左の前身頃が上に来るように着用されます。型は袖ぐり(腕を通す穴のこと)が括られた曲線裁ちで、丈は長く、裾の方が広がっています。
トンは一般に羊毛から仕立てられるけれど、貧しい人の場合は山羊皮から仕立てられることが多かったそうです。裕福な人の場合は白い羊毛製で、中国製の絹やビロードで包まれるのだとか。狐の毛皮製の襟は折襟です。前端や裾や袖は黒い綿のブロード生地(目の詰まった平織りの布のこと)もしくは仔馬の皮、稀にカワウソの毛皮の縁飾りが施されます。
他には、チョクペンという夏用の上着もあります。チョクペンは裏地がついた幅広の上着で、肩山(前身頃と後身頃の肩での境目)は輪状に裁断され、脇には
材質は、一般にはロシア製の手織りの毛織物、裕福であれば表地は工場製の毛織物で裏地は絹やサテン、となっているのだとか。襟は身頃とは別の、綿ビロードや色がついた毛織物から作られるようです。
アルタイ人の女性の民族衣装は、装飾が豊富で変化にも富んでいることを除いては、男性の衣服とほぼ同じなのだそうです。
例えばトンの場合だと、女性用はウエストに切り替えがあり、襞も入っています。また左の前身頃の右と重なる部分には、四角い布の飾りも付けられているのだとか。袖口は赤い布や毛皮で縫われて、手首のところから甲を覆うような半円形の垂れが付けられてもいます。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます