アフリカ その①ジブチ

 今回からはアフリカの民族衣装を紹介していきます。今回はジブチの民族衣装についてです。

 ジブチはアフリカの北東部に位置し、紅海に面する国です。民族の構成はソマリ系のイッサ人が60%、とエチオピア系のアファル人が35%、その他が5%を占めています。宗教は、イスラームが94%、キリスト教が6%だそうです。


 ジブチの民族衣装の特徴は、鮮やかな色と大胆かつ洗練された柄、そして大変暑い国であるにも関わらず男女ともに日除けとして帽子をかぶらないことです。もっとも、男性は白い布のターバンを巻き、イスラームの証としての白い帽子をかぶることもあるようですが。ジブチの女性には、国民の大多数がイスラームを奉じているにも関わらず、スカーフで頭を覆う風習はありません。ただ、個人の好みによってはスカーフのような被り物をすることもあるそうです。


 ジブチの男性は普段は、上は普通のワイシャツや開襟シャツ、下は東南アジア編で述べたサロンと名称も同じ巻衣を身に着けます。このサロンはしっかりとした木綿の、女性のものよりはやや地味な色合いのチェック地の布から仕立てられるそうです。

 履物は、上流階級の女性ならば外出時はヒールの高いサンダル、普段はヒールの低いサンダルを、一般の人はゴム草履やズック靴を履きます。また、地方によっては独特の靴があったりします。


 男性の正装(結婚式や祭りに参加する際などに着用する)は、上は白いTシャツに下は白いサロン、更に頭には白いターバンを巻き、首からマフラーのような白い布を掛けるという、白づくめのスタイルです。サロンは革のベルトで留め、そのベルトには革のケースに入れられた短剣を下げます。首から掛ける布には、端から5cmぐらいにかけて美しい模様が織られ、更に短い房飾りが付けられています。


 お次は女性の民族衣装について。

 ジブチの都市部の女性は、ブブという貫頭衣を着用しています。貫頭衣型の衣服は結構世界中のどこででも見られますが、ジブチでは女性のみが着用するというところも特徴の一つです。更にブブは、ウエストの部分で下着の紐に挟みこみたくし上げ(この方法は、個人によって様々で、特徴が現れるところでもあります)、そうしてドレープを作って下に着用したペチコートのようなレースの下着を見せるという、これまた特徴的な着方をします。

 更にジブチの女性の民族衣装には、上述のイッサ族の人々が祭りの日に着用する木綿のチェックの巻き衣もあります。この巻き衣は着用方法によってはおんぶ紐の役割も果たすという優れものです。ついでに、祭りの日のジブチ女性はイッサ族でなくともヘンナ(植物染料の一種)で主に手足に模様を描き、頭に鳥の羽をつけ、更に金銀のアクセサリーを身に付けます。

 

 ジブチの上流階級では女性の持参金として宝石よりも金銀が重要視されていてえ、結婚式や祭りに参加するため正装をする際は、アクセサリーをありったけ身に着ける決まりなのだそうです。

 また、結婚する際に交わした契約の証書(イスラームの人々は、結婚の際に事細かな契約を結ぶのが一般的です)を美しい金銀のケースに入れます。そうしてそのケースをネックレスとして、移動の際は必ず身に着けるのです。

 このように、ジブチの女性の間では装飾品を身に着けるのは習慣化していて、働いている際はもちろん、赤ちゃんであっても手足や腰に貝をゴムや布に縫いつけたアクセサリーで身を飾るそうです。

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