南アジア その③ネパール
今回はネパールの民族衣装についてです。
北側でチベットに、南側でインドに面したネパールは、気候的にも文化的にもチベット的なものとインド的な物に分けることができます。そしてネパールは、特にインドの影響を強く受けているそうです。主な宗教もヒンドゥー教ですしね。
上記の傾向は民族衣装においても同様で、ネパール南部の低地にすまうインド系の人々の服装は、インド人と全く同じ格好をしているそうです。また、材質も北側はチベットの羊毛、南側はインドの綿布というように分かれるのだとか。
ただやはり、ネパールにも民族衣装と呼べるものは存在します。それが、主に首都カトマンズがあり、ネワールという民族が暮らす山地底部の、男性用の衣服「ネパール服」です。白い木綿で作られるこの服は、他の地域にも普及しているそうなので、民族衣装と称して差支えないでしょう。
ネパール服はラベタもしくはバガルバンディという上衣とズボンのセットになっています。上衣は丈が膝までで、左前で打ち合わせます。両脇に深いスリットが入り、肩口と脇で細い紐を結び合わせるのが特徴です。
ズボンは膝から下は細い(足首周りは、少しゆとりがあるくらい)ですが、腰回りは身体の腰回りの二倍もの長さがあります。そのため、ギャザーを沢山寄せて穿くことになります。これらから成るネパール服に、つばがない帽子(トピ)と上着を合わせるのが一般的なのだそうです。なお、黒の上着は礼装なのだとか。
女性の服装は、上流階級や都会に住む人々の場合は、著しくインド女性のものに似通っているそうです。つまり、布の端を片方の肩にかけるサリーを着用しているのです。
ただしそれ以外の女性は、巻き方はサリーと同じでも布の端を肩に掛けず、腰に巻きつけるのだとか。なお、女性がサリーの下に着用するブラウス(チャウバンディもしくはチョロ)は長袖で、男性同様に左前で合わせるそうです。
お次は前述のネワール族の衣服について述べていきます。
ネワール族の服の原料は、一般的には羊毛になります。脂付きの羊毛で織られた布は、厳しい風雪に耐えることができるのです。これは、農牧に従事するにあたって重要なことでもあります。ただ、上流階級は内着(普段着や部屋着、もしくは下着や肌着のこと)に綿、上着に絹を使うこともあるそうですが。
とにもかくにも、ネワール族男性は筒袖で身長と同じくらいの丈のガウン状の上衣と、毛織物の丈が短いズボン状の下衣を着用します。
上衣は右前で、裾が膝当たりに来るように腰のあたりでたくし上げ、帯を結びます。すると胴の前後に着物でいうおはしょりのような部分ができるので、そのスペースに茶碗やスプーンなどの日用品を入れるそうです。
ネワール族の女性は、下はハクパタシという布を巻き、上はブラウスのような上着を着用し、それらに加えて前掛けをするそうです。
上着は直線裁ちで幅広の長袖で、右前で脇まで布が重なるように打ち合わせて着用します。その上に、ジャンパースカート風の袖なしの長衣を重ねるそうです。この長衣には着物のような衿が付けられ、その周りにはほどよくギャザーが寄せられています。
以下からはネパールのチベット系の民族の衣服について述べていきます。もっとも、数多いチベット系民族の全ての民族衣装について述べることはできないのですが。
何はともあれまずは、中部ネパールのマガール族男性の衣服について。彼らの礼装は白のネパール服に黒の上着を重ねるスタイルで、また腰に帯をぐるりと巻いて、その中にネパールの短刀ククリを包みこんだりするそうです。
同じく中部ネパールのグルン族の男性は、上はシャツ、下は腰巻というスタイルで、その上に大きな白い布を袈裟のように両肩に掛けるのだとか。グルン族女性は半袖のブラウスのような上着と巻きスカートというスタイルで、首飾りや鼻飾り、腕飾りで華やかに身を飾るそうです。
東部ネパールのリンブー族女性は、グルン族女性と同様にブラウスのような上着と巻きスカートを着用します。礼装には、大小様々なスカーフを用いるのが特徴です。同じく東部のライ族の女性の上着は左前で打ち合わせます。首の周りには細い着物のような衿が付いているそうです。そして彼女たちも、首飾りや鼻飾り、腕飾り、耳飾りを用います。
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