スイーツ その②
前回は果物がメインのスイーツでしたが、今回は小麦粉を使う伝統的なスイーツについて述べていきます。
まず最初はプリャーニキ。砂糖がない時代から作られていた歴史ある焼き菓子ですが、現在もクリスマスや復活祭、家族の誕生日などの祝いとして作られているそうです。
プリャーニキは蜂蜜を大量に入れたクッキーのようなもので、「ロシアのパンとお菓子」に載っているレシピでは、粉(薄力粉とライ麦粉の混合):蜂蜜=5:3、生地の総重量のうち蜂蜜が占める割合は約27%という、驚きの比率でした。近年は蜂蜜の代わりに砂糖を用いることもあるものの、本格的なプリャーニキならばやはり蜂蜜を用いるそうです。更に、焼きあがったら
プリャーニキは「
お次は復活祭には欠かせないパスハとクリーチ。が、クリーチはパンの回のその②で述べたので、以降はパスハのことについて語っていきます。パスハも乳製品の回でもさらりと触れたのですが。
パスハというのはロシア語で復活祭をも意味します。つまりパスハは復活祭の伝統的で特別なお菓子なのです。まんまですね。
パスハにも様々なバリエーションがあるのですが、トヴォローク(乳製品の回参照)が主材料の、三角錐形もしくは円錐形に成形したチーズケーキです。パスハはかなり大きなケーキで、あるレシピによればパスハを一つ作るのにトヴォロークが一キロは必要になるそうです。
ロシアで人気のあるパスハは以下の通りです。水気を良く切ったトヴォロークをすりつぶし、スメタナ、バター、生クリーム、卵黄、大量の砂糖と塩少々、レーズンなどをよく混ぜる。そして、キリストの墓を象徴するパスハを作るための特別な木型に詰め、重石を載せて一日ほど固めます。木型の側面には「
完成したパスハの周りにはイースターエッグを飾ります。イースターエッグもまた、キリストの復活の象徴です(ロシア正教ではイースターエッグとは呼ばれませんが)。ロシアでは伝統的にイースターエッグはタマネギの皮と一緒に茹でて赤く染められてきたのですが、これは卵が棺とそこから復活する新たな生命を、赤色がキリストの血を象徴しているからなのだとか。
話が少し逸れてしまいましたが、復活祭を祝うためにパスハを作るのはロシア正教の風習の一つなのです。ですが一説によると、チーズとミルクからパスハのような祝日用のケーキを作る伝統は、紀元前のセム系の遊牧民に起源があるのだとか。
ついに最悪の事態が始まってしまいましたが、大多数のロシア人は戦争を望んでいないでしょうし、事実ロシアで反戦デモをして捕まった方が千人以上もいます。一刻も早くウクライナの人々が美味しい食べ物やお菓子を笑顔で食べられる日が来ますように。
今回のスペシャルサンクス
・ロシアの歳時記
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