キノコ
今回は秋の味覚の一つ、キノコについてです。キノコはもちろん世界中どこにでもある食材ですが、ロシアでは昔からキノコが好まれてきました。ロシアでは公式に食品加工を許されている食用キノコは五十七種類あるそうなのですが、中には日本では流通していないものもあります。
代表的な種類には、以下のものがあります。
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ベニタケ科チチタケ属。塩漬け、酢漬けなどにして食べられる。本では和名はカラハツタケとなっていましたが、ググる先生で調べてみるとアカハツタケでヒットしたのでこちらで。
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ベニタケ科チチタケ属。コショウのような辛味がある。塩漬け、酢漬けにしたものはロシア人に特に好まれている。
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イグチ科ヤマドリタケ属。イタリア料理で良く聞くボルチーニのこと。「Белый гриб」はロシア語で「白いキノコ」を意味し、ロシア人に特に好まれるキノコである。
・アワタケ属(
イグチ科。英語版のウィキ大先生の記事によると、多くの菌類学者は当初、上記のヤマドリタケ属とこのアワタケ(Xerocomus)属を区別していなかったそうです。味はヤマドリタケ(Белый гриб)に劣るのだとか。
・ヤマイグチ属(
イグチ科。
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ウィキ大先生のロシア語版の記事によるとヤマイグチ属(Leccinum)の総称らしい。だったら上のобабокと何が違うのかと思ってしまったけれど、それ以上調べられませんでした。
・アカツブキンチャヤマイグチ(
イグチ科ヤマイグチ属。「красный гриб」は「赤いキノコ」を意味します。なんでこのキノコは
・ヌメリイグチ属(
ヌメリイグチ科。
・ベニタケ属(
ベニタケ科。ベニタケ属は一般にBrittlegills(モロヒダタケ)として知られています。毒々しい色のものが多いため古くは毒キノコ代表のように扱われていたけれど、全てが有毒ではありません。けれど食用になる種も決して美味しいわけではないようです。
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ベニタケ科ベニタケ属。でも
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ベニタケ科チチタケ属。食感はぼそぼそしているが香りが強く、良い出汁が出る。塩漬け、酢漬けにしたものはロシア人に特に好まれている。
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アンズタケ科アンズタケ属。杏の香りを放つことからこの名が付いた。また、コショウのような辛味がある。
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キシメジ科ナラタケ属。美味しいらしい。
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ハラタケ科ハラタケ属。ツクリタケ(マッシュルームのこと)とは同じ属で、近縁のキノコ。ロシア人に特に好まれるキノコである。
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アミガサタケ科アミガサタケ属。欧米では高級食材であるとされていて、生クリームやバターとの相性が良いとされている。ロシア人に特に好まれるキノコである。
……パトラッシュ、僕はもう疲れたよ。中学と高校の計六年勉強したっていうのに満足に英語読めないのに、キリル文字なんて……。ちなみに、キリル文字は正教を布教するため、キュリロス(キリル)とメトディオスの宣教師兄弟が862年から863年に生み出したグラゴル文字を、彼らの弟子が更に発展させて生まれたものなんですよ。
ロシアではこういった種類のキノコを新鮮なうちにソテーしたり、スープにしたりする他、干す、酢漬けや塩漬けにするなどして保存食にもします。酢漬けや塩漬けのキノコはロシアのコース料理ではほとんど必ず前菜に出される、いわゆる「ロシアらしい」食材の一つです。
キノコを使った料理としては、焼いてピロシキの中身にしたものが特に美味とされていて、「キノコのピロシキを食べても、舌は引っ込めておけ」という「口は禍の門」ぐらいの意味のことわざもあったりします。また、キノコは食用としてだけでなく、十七世紀から凍傷に皮膚や胃腸の病気、肺結核などの治療にも用いられているそうです。
ロシアの人々は、ダーチャ(郊外の別荘)で夏を過ごす時、キノコ集めを楽しみにしている人も多くいます。「幸運ならば、キノコ狩りもうまく行く」ということわざもあるぐらいです。
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