秋海棠、檳榔、木犀
早いもので、この章も今回と次回で終わります。最近は明るい話題が続きすぎたから(←そうなのか?)、次は売春の歴史の本について纏めていきたいなあと思っています。でも最近すっかり古代オリエント文明に魅了されてるから、そっちにしちゃうかもしれません。古代オリエントにはとっても面白い神話があってですね……。
ヒッタイトの主神・天候神テシュプの出生に関わる話なのですが、クマルビという男の神様は、ウィキ大先生によると父親でもあるという神アヌに大臣として仕えていた。が、その九年目、クマルビはアヌに対して謀反を企てたのです。
クマルビはアヌを追い詰めた時に何を考えたのか、剣でカットするとかでも良かっただろうにアヌの急所に噛みつきアレを食いちぎり、どうしてそうなったのか勢いで白濁したものを呑みこんだのです。噛みつかれて放出するとか、アヌがマゾだったとしか考えられませんね。
アヌを二度と子を作れない身体にして喜ぶクマルビですが、アヌは「お前は私の子種を呑みこんで、私の子を宿したのだ。その子がお前を破滅させるだろう」とか言って来て――!? はい、超展開が来ましたね。この続きが気になる方は、ググってみましょう! 嫌々ながらも腹を痛めて産んだものの、アヌの側についたテシュプに対抗させる子を儲けるため、クマルビが岩にアレを放つとか、他にも超展開がありますから。
さて。話を本筋に戻します。
今回始めにご紹介させていただく花は
お次は
檳榔は太平洋に接する温かい地域や東アフリカの一部で見られるヤシ科の植物です。檳榔の実は虫下しや胃の薬となるほか、アジアの広い地域で嗜好品として、噛みタバコに似た使い方をされます。生、もしくは乾燥させた種子に石灰をまぶし、
檳榔の実にはタンニンが大量に含まれているため、慣れないうちは渋みばかり感じてお世辞にも美味いとは言えない。だけど慣れると頭がすっきりして、身体も温かくなって、一日たりとも檳榔なしではいられなくなるそうです。まあ種明かしをしてしまうと、檳榔の種子には、ニコチンと同じ作用を引き起こすアルカロイドが含まれているのですけれどね。
また檳榔は食後の果物としても嗜まれていたそうなのですが、この風習は既に四、五世紀の南北朝の頃にはあったのだとか。特に南方の
なお、檳榔を嗜む風習は元来南方のものだった(宋代の詩人・蘇東坡は海南島に流された時、この土地の人々が檳榔の実を嗜むことに言及している)けれど次第に北方にも広まって、明代や清代では貴顕の子女たちは巾着に檳榔の実を入れて持ち歩いていたそうです。
ちなみに檳榔は、客人のもてなしだけでなく、婚礼の祝いにも欠かせない品とされていたそうです。今日でも檳榔は男女の愛の証や結婚の贈り物として贈答されていて、中国南方の少数民族、たとえば海南島の
最後は
みんな知ってるいい匂いがする植物・木犀。ちなみに木犀は中国では桂花と呼ばれているそうです。木犀は中国原産の植物で、花の色によって
ところで、日本(とアステカ神話でも)では月に兎の姿を見るのですが、中国では月には巨大な桂花の樹が生えていると言う伝承があります(他には、
一方、地上の桂花は晋代のある逸話から、「学業成就」や「栄誉」またこれらから容易に連想できる「科挙及第」を象徴しています。そのためなのか、桂花は中国伝統の吉祥図案の一つにもなっています。
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