椿、松とヒノキ、菖蒲
今回からは、一話につき一つの植物ではなく、一話で幾つかの植物のことをまとめていきますので、よろしくお願いいたします。
まずは椿について。で、肝心の椿の花卉語について触れる前に、一つ重要なことを説明します。それは、椿は中国語では
椿の近縁種には山茶花(茶梅)の他にもリュウキュウサザンカ(
ではでは、椿(山茶)の花卉語を~。椿は葉が四季を通して常緑で、しかも秋から春にかけてという長い間、花が少なくなる季節に美しい花を付けるので、中国の人は古くから椿に親しんでいました。で、椿は花期が長く耐寒性に優れているという性質から、「色褪せない(不変の)愛情」の象徴となったのです。また、雲南省を始めとする中国南方の少数民族では、椿は「愛情」や「求婚」のシンボルなのだとか。雲南省の少数民族
他にも、椿と同属の茶は「幸福な結婚生活」を象徴するものとして、
お次は松やヒノキ。ついでにこれまた
で、松やヒノキは真冬であっても力強く緑を保つことから、中国では試練に耐えぬく「節操」や「不老不死」を象徴する植物だったようです。が、この性質から「苦難にも変わる事なき愛」を表す植物だともされていたようです。
三番目は
そのためなのか、菖蒲は男女の離れがたい安定した仲を表す縁起物として、唐代では納采の品の一つとされていたそうです。菖蒲の花には群生しているところを見たり人から送られたりすると富貴の子を産む、という信仰もあったそうなので、婚礼にはもってこいの植物だったんですね。
※ちなみに唐代の納采の品は菖蒲を含めて九つあります。そのうち合歓は合歓木の回を参照していただくとして、
他、菖蒲や同属の
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