合歓木
合歓木というのは、よくそこらへんに生えている(……これは、私が住んでる所がド田舎だからかもしれません)、羽状複葉を付け、初夏に糸があつまったようなピンクの花を咲かせる(と、言ってもピンクの部分は実は雄蕊ですが)、時に10mぐらいにまでなるマメ科のでっかい木のことです。正直花は可愛いけど艶やかとかそんな感じは全くしません。ではなぜ、合歓木にこんな名前が付いたかというと、その理由は葉の方にあります。
合歓木と同じマメ科のオジギソウの葉が触れれば閉じることは、皆さん一度は耳にしたことはありますよね。それと同じように、合歓木の葉も刺激を与えれば閉じるのです。ただし、オジギソウ同様触れれば閉じるのではなくて、周囲が暗くなったり、風雨などの外的な刺激を受けることによって葉が閉じるのですが。このうち「暗くなると葉が閉じる」という性質が仲睦まじい(意味深)男女の姿と結びつき、「夜合木」の由来となったのです。異名の
合歓木の他の異名には、花の形状にちなむ
ところで、中学医学では合歓木の花や樹皮には強壮、鎮静、沈痛の作用があるとされていました。そのため、合歓木は古くから(少なくも三国志の時代には既に)人の心を落ち着かせたり、怒りを和らげる効能があると考えられていて、相手の怒りが静まりますようにとの願いを込めて贈られることがありました。
また、合歓木の樹皮には上記の作用の他に、子宮を刺激しお産を促す作用があります。このことから、陣痛促進効果→安産→男女和合という連想が働き、夜合、合歓といった名称が恋愛や男女の睦ましい仲を連想させることから、合歓木は男女和合の薬としても広く用いられてきたのです。
更に、上記のことから発展して、愛情の花としてやり取りされてもいました。現在の中国少数民族には、青年が想う娘に
創作ではあまり見かけない合歓木ですが、こんな一面があると分かったからには、これからはどんどん創作に取り入れていきたいものですよね! 具体的には、喧嘩してちょっと気まずい感じになった主人公カップルのうち、どちらかが相手に合歓木の花を渡して仲直りしたいと伝えるとか。そうすれば、「歓びをともにする」という意味の名を持つ花の仲立ちで、二人の仲は以前より一層激しく燃え上がるのでは――!? といっても、中華風の話にしか活用できないでしょうけれどね。
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