マンドラゴラの見た風景

洞貝 渉

第1話

 悲鳴。

 悲鳴。

 絶叫。


 どこまでも高く、広く、響き渡る声。


 ひとしきり叫んでしまうと、憑き物が落ちたかのように気が楽になって、そっと目を開いてみた。





 自室の向かい側にある部屋に入ると、私は口の中だけでただいまを言った。

 部屋の主はベットの上で穏やかな寝息を立てていて、起きる気配はない。

 今日も勝手に借りていた度なしの地味メガネを机に置き、クローゼットを開ける。中にはズラリと並ぶフェミニンなワンピースとウィッグの数々。

 適当に目に付いたものをそれぞれ引っ張り出し、身につけ、奥の方にしまい込んである化粧品を同様に引っ張り出し、アイメイクだけ施すともとのように奥の方へ押し込んで、片付ける。

 クローゼットを閉めて、今度は本棚からまだ読んでいない本を一冊選んで抜き取る。

 借りるよ、と小声で呟くけれど、部屋の主はベットの上で寝息を立てるだけだ。

 私はため息を吐いて部屋を後にする。

 

 何があったのか、首に絞められたような青黒い痣をこさえて帰ってきて以来、この部屋の主はこんこんと眠り続けている。





 リセットすれば良いんだよ、結局の所。

 ゲームだってそうだろ?

 ムシャクシャしてきたら、とにかくリセット! 

 簡単な話さ。

 だから俺は、このムシャクシャした気分をリセットするために、手近にあった何だかよくわかんねえ形のマスコット人形を、持っていた紙袋の中に滑り込ませた。

 それからなにくわぬ顔でスタスタと店の出口に向かう。

 簡単な話さ。

 店の外に出て、俺は堂々と道の真ん中を歩く。

 欲しくもない人形を一つゲットしたっていう、たったそれだけのことなのに、何をこそこそとする必要がある?

 簡単な話さ。

 たったこれだけのことで、きっちりムシャクシャがリセットできるっていうんだからさ、マジで簡単な話だろ?

 俺は紙袋片手にスタスタと人気のない方へ歩き続ける。

 しばらくすると、誰も利用しない廃れたハイキングコースに出た。途中まではコースに沿って歩いて、舗装してあるんだか無いんだか道が曖昧になり始めたところで山道に入る。

 獣道を少し行くと、すぐにぽっかりと開けた空間に出た。コースからそう離れているわけではないが、そもそもコースにだって人っ子一人いないんだ。決して誰も来ない、何をしたってバレない、ここは“安全地帯”だった。

 紙袋から園芸用のスコップを出す。

 見れば、案の定、またあの紫の花が咲いていやがる。

 花のまわりの土を少し深めに掘り返してから、花を土ごと掘り出した。割とがっしりした葉の中心でふてぶてしく咲く紫の花に目を奪われつつ、紙袋からビニール袋を取りだして、その中に入れる。

 掘り返してできた穴には、紙袋に入れて持ってきた、雑巾で包んだ子猫の死体、それからさっき盗ってきたばかりの薄汚いマスコット人形を放り込んで、軽く土をかぶせた。





 外へ出たい。外へ。

 ここはどこだ? 暗くて何も見えない。音もしないし窮屈で、どことなく陰鬱だ。

 外へ、お願いだから、わたしを誰かここから出してくれ!

 ……いや、しかし、そもそも、外なんてものがあるのだろうか?

 いつからわたしがここにいて、ここにいる前はどうだったのか、よく思い出せない。

 だいたい、外がここよりもマシだという保証なんてどこにもない。

 ここよりも、もしかすると明るいのかもしれない。音もあるのかもしれない。広くて、陰鬱さなど影も形もないのかもしれない。

 だが、果たしてそれは、ここよりもいいものなのかどうか、いまいちよくわからない。


 ああ、わからない。

 わからない。

 

 ただひたすらにわかるのは、ボクは、ここが嫌いだということだけだ。

 そう、ボクはここが嫌いだ!

 ……ボク? ああ、そうだ、ボクだ。わたしはボクでボクはわたしで、あれ? なんだ? よくわからないぞ?


 ああ、もう、わからない。

 わからない。

 

 唯一はっきりしているのは、ここが嫌いだというただそれだけ。





 マンゴラドラのページにドックイアーがされている。

 パラパラと本の最初から最後までめくってみるけれど、他に端っこが折られているページは見当たらない。

 私は再びマンドラゴラのページに戻って、白黒で描かれたイラストに目を落とした。

『ナス目ナス科マンドラゴラ属。紫色の花を咲かす。』

 何の面白みもない本から顔を上げ、空を見る。

 利用者のいないハイキングコースを少し外れた山の中、さわさわと風に揺れる葉の向こうにある青空は、どこまでも澄み切っていた。

 そう遠出をしているわけでもないのに、日常から切り離されたような、どことなく不安で、そのくせワクワクするような、そんな不思議な気持ちが湧いてくる。

 この本の持ち主も、今までずっとこんな気持ちを味わっていたのだろうか?

 私はなにやらくすぐったいものを感じ、また、借り物の本に目を落とす。

『根を引き抜くと、金属と金属とが擦れ軋むような非情に不愉快な悲鳴を上げ、その声を聞いた者は発狂もしくは死んでしまう、という伝説があるが、それはマンゴラドラの持つ幻覚、幻聴を伴う強い毒性によるものであると考えられる。』

 ふいに、背中に薄ら寒いものを感じて、振り返る。

 けれども、平和そうにさわさわと木々の葉が揺れ動く以外、特に何があるわけでもない。

 私はため息を吐いて、本を閉じた。





 朝起きると、まず最初に昨日持ち帰った紫の花を確認するのが、ここ最近の日課になっていた。

 俺はビニール袋の中を覗き込んで、舌打ちをする。昨日まではちゃんとあったのに、今は土しか入っていない。

 これで一体何個目だ?

 部屋を埋め尽くさんばかりに溢れかえる、土のみ入ったビニール袋を見回して、また舌打ち。数えるのも馬鹿らしく、面倒だ。

 ムシャクシャした気持ちがぐんぐん脹れていく中、俺は紙袋にスコップと雑巾とビニール袋を押し込んで、出かける準備をした。

 リセットしないことにはやってらんねえよ、まったく。

 足に馴染んだ汚らしいスニーカーを履いて、俺は人の寄りつかないスポットを歩き回る。

 幸い、それはすぐに見つかった。

 背の高い草が生えまくってるせいで中の様子が全く見えない、小さくて古くさくて人の寄りつかない公園に、チビ犬とチビ犬のリードを握るガキが一人。

 俺はぶらぶらとガキに近づく。

 ようっと言って片手を上げると、ガキもチビ犬もポカンと俺を見た。

「なあ、これ、知ってるか?」

 紙袋に手を突っ込んで、園芸用のスコップを取り出す。そしてそのまま、ガキが何か言い出す前に、チビ犬に振り下ろす。

 鈍い感触が手の平に伝わり、チビ犬から血が噴き出した。続けざま、二、三度振り下ろすと、チビ犬はぶっ倒れて動かなくなる。

 ガキがこれでもかというくらいに目を見開いたから、大声を上げられる前に全力で腹を蹴り上げてやると、おもしろいくらいポーンと吹っ飛んで、動かなくなった。

 俺はうるさいのが嫌いだ。大声でわめかれたり、叫び声を上げられると、ひどくムシャクシャする。

 前に、勝手に俺の“安全地帯”に入り込んで、一人で大声上げて叫びまくっていた奴がいたことがある。あれは本当に最悪だった。

「これな、リセットって言うんだ。こーすると、ムシャクシャした気分が魔法みたいに消える。すげえだろ?」

 誰にともなく口を動かし、チビ犬の残骸をスニーカーで踏みつけた。生々しい肉の感触。

 脳裏になぜかあの紫の花が浮かぶ。

「でもさー、なんかダメなんだよなー」

 紙袋から雑巾を出して、毛むくじゃらの肉塊に被せ、雑巾の上から肉塊を持ち上げて紙袋にしまう。すっかり手慣れたもんだ。

「なんての? 物足りないってやつか?」

 濃い緑色に、守られるように囲われ、ヌクヌクと咲きやがる紫の花。踏みつけたらあっという間にグシャグシャになる、脆くて弱っちい花弁を微塵の躊躇いもなく悠々と広げ、まるで嘲笑うかのように俺の手から、何度も何度も何度もするりと抜けていく、性悪な、あの、小さな小さな紫の……。

 変な音がした。

 見ると、ガキが呻きながら立ち上がろうともがいている。


 そういえば、と俺は不快なことを思い出した。あの時、勝手に俺の“安全地帯”で喚いていた女、ちゃんと殺せたと思ったのに、後から見に行ったら死体が無くなってた。つまり、殺し損ねてたんだよな、あれは。

 ガキは俺の見ている前でなんとか立ち上がると、今度はよろよろと歩き出す。その姿が、殺し損ねたあの女と重なった。

 無造作に突き飛ばしてやると、ガキはちょっと大げさなくらい派手にすっころぶ。足でガキの身体を押さえつけ、細い首に手をかけた。





 悲鳴。

 悲鳴。

 絶叫。


 自分自身の耳にさえ聞こえないのだけれど、ボクは声を出せているのだろうか?

 声を出すこと、これは好きなことだった。

 何か嫌なことがあったときなど、思いっきり声を出すとスッキリするから。

 ボクはひとしきり声なき声で叫んでしまうと、そっと目を開いてみた。

 でもそこにあるのはやっぱり暗闇だけで、何も見えない。

 ここは一体どこなんだろう?

 ボクは一体どうしてしまったんだろう?

 暗闇にじっと目を凝らし、わたしは考える。考えること以外にすることがないのだから、この際、腰を据えてじっくりと考えてみようじゃないか。

 

 さて、まずは何から考えようか?

 ここがどこなのかについて? いや、これは却下だな。これに関してはずっと考えてはいるけれど、あまりにも情報が少なすぎる。

 では、ボクは一体どうしてしまったのかについて? わたしは目を閉じ、開く。ボクは声を上げる。でも、できるのはこれだけだ。手足を動かそうとしても、わたしの身体はピクリとも反応しない。ボクの身体は一体どうしてしまったんだろう? ボクは、わたしは――ああ、もうまぎらわしい!

 ボクなのか、わたしなのか、はっきりしない。どうしてボクは一人称を二つも持っているんだ?

 一体なんなんだ?

 ああ、わからない。

 わからない。





「どうしてそんな格好するの? どうして喋り方を変えるの?」

 寝ても覚めてもマンドラゴラのことが頭から離れなくなった。白黒のおどろおどろしい伝説のこと、それから強い強い毒性について……。

 こんな薄気味悪い植物の、一体何が気になってドックイアーをしたんだろう、この人は?

 背中に薄ら寒いものを感じた。

 なんだかとても嫌な感じ。

 声に出してはっきりと言ってみる。

 こんなことなら、もっと早く、ちゃんと聞いてみるべきだった。

 部屋の主は相も変わらずベットの上で眠っている。

「どうしてそんな格好するの? どうして喋り方を変えるの?」

 やってみたら、わかるのかもしれないな、と思っていた。なるべく関わり合いにならないよう距離をとりながらも、ずっとずっと、どこかでそんな風に思いながらこの人のことを眺めていた。

 でも、今、どんなに真似してみても、全然わからなかった。わかるわけがなかった。そもそも女の私がワンピースやウィッグや化粧を使ったところで、そんなの全然真似でも何でもないんだ。

 そのうちに目覚めるんだろうな、そしたら、聞いてみようかな、何て思っていたし今も思っているけれど、この人は果たして本当に目覚める気があるのだろうか?

 首の痣はすっかりキレイに消えている。

 

「……ねぇ、そろそろ起きたら? お兄ちゃん」

 




 紫の花を掘り出し続けてて出来た深い深い穴の中に、財布だけ抜き取ったハンドバックを放り込む。

 一体これで、何回目なんだ?

 俺はビニール袋の中でふてぶてしく咲く花を睨み付ける。

 何もかもこの花のせいだった。

 何度掘り返しても、この花がビニール袋の中から消え、もとあった所に戻ってしまう。だから俺はどうしたってムシャクシャしてしまう。

 そうしてムシャクシャした気分をリセットするために、万引き、ひったくり、時々殺しなんてことをしなくてはならなくなる。

 まったく、ひどい話だ。

 ビニール袋の中で、悠々と咲く紫の花を見る。ちょっと力を入れて握ってやれば、あっという間にぐしゃりと潰れちまうような、脆い花弁。思い切り踏みつけてやったらどれだけスッキリすることか。

 簡単な話だ。

 こんなまどろっこしいことなんてしてないで、さっさと踏めばいい。踏み潰しちまえば、それで終わり。ムシャクシャともおさらばで、めでたしめでたしだ。

 ……そのはずなのに。なのに、できない。舌打ち。


 俺はもと来た道を戻ろうと顔を上げ、ハイキングコースから女が一人、こちらに向かって歩いてくるのに気が付いた。

 とっさに女とは逆の方へ足を向け、ものかげに隠れる。





 ぼんやりと、ただひたすらにぼんやりと時間を浪費する。

 少しずつだが、思い出していた。

 あの日もわたしは叫んでいたんだ。

 何かあったのか、何もなかったのか、ともかく声を張り上げたい気分だった。

 ボクはスカートが好きなんだ。別に女になりたいというわけではなく、ただただスカートが好きだった。

 だから、普段はわざわざ度なしの地味な眼鏡をかけていた。スカート姿の時と、少しでも印象を変えたかったから。スカートを着用する時は眼鏡を外し、かわりにウィッグや化粧をした。

 ウィッグや化粧はあまり好きではなかったけれど、外でも堂々とスカートを着るためには必要な努力だった。

 女装をしている時、ボクは極力喋らないように気を付けていたけれど、どうしても喋る必要のある時は一人称をわたしとした。男の割に声が高い方だったので、誰にも男だとは思われていなかったはずだ。

 

 あの日もボクは叫んでいた。

 人気のない場所で、ひたすら満足するまで叫んでいた。

 大声を出して、出して、そして、後ろから近づいてきた誰かに首を絞められ、気が付いたらここにいた。


 ここがどこだか見当もつかないけれど。

 けれども、慣れてしまえば存外穏やかなものだった。


 好きなものを好きなんだと主張するだけで、奇異の目で見られてしまうような、無駄に抑圧された日常に戻るくらいなら、いっそ、このままここにいる方が……。





 利用者のいないハイキングコースを少し外れた山の中、私はお兄ちゃんのスカート姿を真似して、お兄ちゃんの本を読む。

 でも、すぐに本を閉じてしまった。

 なんだかなぁ、と思う。私、何してるんだろう、と。

 空はいつも通り澄み切った青で、風が吹けば木々の葉が穏やかにさわさわ音を立てる。

 ボンヤリとしてしまった私は、背後から近づいて来るそいつに気づけなかった。気づけないまま、殴り倒されていた。

 見知らぬ男に殴られたのだと理解したときには、すでに男が馬乗りになっていて、首に手が添えられていた。

「なんだぁ? わざわざ殺されに戻ってきたのか?」

 男のにたにたと笑いを見て、なぜだか恐怖よりも怒りが湧いてくる。何の根拠もなく、こいつが犯人だと確信した。

 きっとこいつが、理不尽に理由もなくお兄ちゃんの首を絞めたに違いない、と。

 焦点の合っていない男の目が、異様にぎらぎらと光る。首に添えられた手に力がこもり、すっと男が無表情になった。

「ああ、お前のせいかぁ。」

 抑揚のない声にゾッとする。急に息が苦しくなって、私は必死で呼吸しようと口をパクパク動かす。

「リセットしても、さ。ムシャクシャが、全然、収まらないんだよ、いや、マジでさ」

 苦しかった。ぐわんぐわんと世界が揺れ出す。

「そっかぁ。そうだよなぁ。……殺し損ねたの、ずっと気にかかってたもんなぁ。これで、やっと……」

 視界がにじむ。苦しい。

 あまりにも脈絡のない支離滅裂な男の言葉は、耳を素通りしていく。

 なんでもいい。なにか武器になる物はないかと地べたに手を這わせると、ガサリという音と同時になにかを掴んだ。

 ワラにもすがる思いでそれを男めがけて振り回す。

 男は私の反撃に驚いたようで、力がゆるんだ。

 タイミングを逃さず、死に物狂いで暴れる。すると男の身体が少し浮いた。すぐに男の下から抜け出し、立ち上がる。そして、一目散に走り出す。

 とにかく走って、走って、走った。


 ――無事、家に辿り着くことが出来たら。


 苦しいし、怖いし、今にも立ち止まってしゃがみ込んでしまいたかったけれど、とにかく、ひたすら、走った。


 ――そうしたら、呑気に眠ってるお兄ちゃんのこと、絶対に、叩き起こしてやる。 





 女の後ろ姿がどんどん小さくなっていく。

 追いかけるべきだった。

 なのに俺は、女が振り回してこぼれ出た紫の花に目を奪われて、動けない。

 正確には、比較的小振りな紫の花からは想像しがたい、太くグロテスクな形状の根っこに。

 よく見ればそれは、小刻みにプルプルと震えている。

 震えながらパキペキと乾いた音を立てて、口のような穴をポッカリ開いた。そして黒々とした空洞から変な音が聞こえてくる。


 まさかこの植物、鳴いているのか?

 ざらりとする不快な鳴き声は次第に音量を上げていく。

 俺はあわててグロテスクな太い根っこを踏み潰そうとした。そのつもりだった。

 なのに踏み出したその先には何もなかった。

 いや、あった。ポッカリあいた穴が、あった。

 俺は紫の花の根にあいた、穴の中へと落ちていく。

 穴の内は真っ暗で、どこか陰鬱で、なにより不快な鳴き声で満ち満ちていた。

 何が起こったんだか、全くわからない。

 ただひたすらに落下する。

 落下し続ける。


 俺は悲鳴を上げながら、いつまでもいつまでも墜ち続けた。





 悲鳴。

 悲鳴。

 絶叫。


 どこまでも高く、広く、響き渡る声。


 そう、響いている。ちゃんと。

 声を出すこと、これは好きなことだった。


 ボクの声以外にも、苦痛にもがき苦しむ男の声が聞こえた気がしたけれど、気にせずに叫んで、叫んで、叫びまくった。

 嫌なところにずいぶんと長い間閉じこめられていたんだから、いくら叫んだって足りないくらいだ。


 そうだ、やっぱりわたしは、外がいい。

 あんなところに引きこもってたって、スカートを着用したり声を出したりなんて出来ないのだから。

 周囲の反応なんて、気にしなくたっていい。気にはなるけど、好きなことが出来なくなるよりは、断然ましだ。

 そう、わたしは、ボクは……。


 ひとしきり叫んでしまうと、憑き物が落ちたかのように気が楽になって、そっと目を開いてみた。


 見慣れた天井と、怒った妹の姿が見えた。

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