潰え

第2話:潰え

ぼやける

生命のザワメキ

体内の音が大きく響き やがて小さくなって…葉擦れが木霊する。


『隠して』


最後の祈り叶う


アノ人の記憶から

僕が消える。

樹の洞に在るから、

誰も 僕の遺骸を

見付けられないだろう。

季は流れ出、人知れず花散る。


一度だけ抱きしめた 愛しい人

薄眼開けていても

構わない? 

見えていないのに

視えるから


end

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

「亡き骸」 箔對店主 @hacutai-tenshu

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ