もしも冴えかのが異能力バトルものだったら 2
「
詩羽先輩から放たれた、明らかに字とルビが噛み合っていない竜巻のように渦巻く魔弾の一斉掃射を恵はフラットな普段の姿のままで、
「
こっちも字とルビがおかしいけど、光の球体に包まれ、詩羽先輩の攻撃を無効化していた。
「さすがね、加藤さん」
「これでもあの倫也くんとずっと過ごしてきたので」
「あのってなんだよ⁉」
「倫也くん、あんまりこっちばっかり気にしてると危ないよ?」
恵にツッコミをいれながらも、恵の言葉に慌てて身構えると、英梨々は自分の武器であるペンを既に出していた。
「よそ見してるとケガじゃすまないわよ‼
『
3人の中で最も納得のいく字とルビの合わせだな何て思いながら、慌てて防御態勢に入る。
「なあ英梨々」
「何よ」
「英梨々って俺の能力知ってたっけ?」
「知らないけど?それを今聞く意味って?」
「いや、特にはないんだけど、俺の能力って、詩羽先輩とは相性悪いけど、周りのなかじゃチートって呼ばれる類いでさ」
「ふ~ん」
「というか、英梨々にも使える可能性はあった能力なんだけどな」
「⁉それって?」
「口で説明するよりも実際に見た方が早いと思う」
「
「なっ⁉それはF○teのアーチャーの⁉」
そう、俺が今出したのはあの有名なアニメ『F○te stay night』の主要キャラであるアーチャーが用いた7枚の花弁型の盾だった。
「そうさ。俺の能力は、集中力を限界まで高めて想像することで、アニメのキャラが用いた武器や技を完全再現すること、オタクだったからこそ使える能力だ‼」
「……だから私でも使える可能性があったっていってたのね」
「そうだよ。俺達の能力はそれぞれに一つずつしかない。それで、英梨々の能力はペンを使った能力だったから、これは使えないっていうことなんだ。まあこの能力は連続しようは脳にかなりの負荷がかかるからあまり多用できないけどな」
「……そう、なんだ」
「?攻撃してこないのか?」
「今回は、もうやめておくわ。『
「そうか。でも次で絶対に決着つけるからな」
「もちろん。…霞ヶ丘詩羽‼」
「何?澤村さん。今いいところなのだけれど」
すっかり気にするのを忘れていたけど、詩羽先輩と恵を見ると二人ともかなり消耗していた。
「今回は退却するわよ」
「……そう。澤村さんに決められるのは少し癪だけど、確かに私も限界が近いし、わかったわ。…加藤さん、決着は次の機会で」
「倫也くんがいいのなら、私はそれで」
こうして、俺達の今回の戦いが終わりを告げようとしていたそのときだった。
「「‼⁉」」
突如体を駆け巡った強烈な魔力に、嫌な予感しかわいてこなかった。そしてそれは他の3人も同じだった。
「……澤村さん」
「わかってる。まさかこんなタイミングであれが来るなんて」
「この魔力の強さはやっぱり…」
「黒幕のお出ましだろうな…恵」
それから間もなく現れたのは、俺の予想した通りの人物だった。
「……やっぱりあなたでしたか」
「その感じだと予想はついてたみたいだな。それより、霞センセ、柏木センセ。まさかあんたら二人でかかっといてこのまま終わりとかねーよな?」
「「そ、それは…」」
「は~。まあこうなることはわかってたけどな。でも期待はずれだったことには変わりない。…消えろ」
そのたった3文字の言葉で、トップクラスの力を持っているはずの詩羽先輩と英梨々は跡形もなく消え去ってしまった。
「あの二人に何をした‼…紅坂朱音‼」
そう、黒幕はこの世界において神のごとき力を持ち、俺達から詩羽先輩と英梨々を奪った張本人、『rouge en rouge』前No.1、紅坂朱音だった。
「私の期待に応えられなかったんだ。退場してもらうのは当然の措置だろ?なに、別に死んだわけじゃない。ただこことは違う次元に消えてもらっただけだ。戻してほしかったら私を倒すことだな。まあ君たちで出きるとは思えないけどな。…そうだな、1日の猶予をやろう。明日の午後3時、この場所で相手をしてやる。異論は許さんからな?」
「……わかった。必ず倒してやる、覚悟しろ」
そう言って、俺と恵は他のメンバーにも連絡を取りながら俺の家へと一旦戻ったのだった。
冴えかの if story ~もしも冴えかのが○○だったら 神崎あやめ @badstory1
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