王廞王和之 こんな琅邪王氏

琅邪ろうや王氏 王廞おうきん

琅邪王氏 王和之おうわし



しん末ごろの琅邪王氏を二人紹介しよう。

まぁどちらも微妙な人である。



王廞。王導おうどうの孫、王薈おうかいの子だ。

王恭おうきょう王国宝おうこくほう討伐に

呼応したはいいが、

働きをなす前に事態が収束、

振り上げた拳の振り下ろし先を見失って

ブチ切れたため、乱を起こした。


その時に言ったのが、この言葉である。

建康けんこう近くの山、茅山ぼうざんの頂上で、


「この王廞、クソ王恭への怒りのために

 死ぬのであろうな!」


なお彼は王恭が派遣した

劉牢之りゅうろうしの軍によってあっさり潰される。



それから王廙おうよくの孫、王胡之おうこしの息子である、

王和之。


かれは謝安しゃあんさまの息子、謝琰しゃえんについて、

こんな評価を下している。


「落ち着きがないやつだ。

 鷹を失った鷹匠のようだな!」


いや、というか、あなたのお名前

ここまで来て初耳なんですが……。




 王長史登茅山,大慟哭曰:「琅邪王伯輿,終當為情死。」

 王長史は茅山に登り、大いに慟哭して曰く:「琅邪の王伯輿、終には當に情が為に死なんか」と。

(任誕54)


 王興道謂:「謝望蔡霍霍如失鷹師。」

 王興道は謂えらく:「謝望蔡は霍霍として鷹を失いたる師が如し」と。

(輕詆32)




一世を風靡した琅邪王氏の中にも、ビミョーな人は結構いらっしゃるんですね、という風に見ればよろしいのかしらね。

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