王洽 名僧法汰
既出:桓温49、謝安24
王濛9、王坦之3
北方からやって来た彼は、
はじめ名を知られていなかったが、
かれのことを
王洽が面倒を見ていた。
王洽が名士のもとに訪問する時には
必ず法汰を同道させ、
かれを連れ出せない場合には、
王洽も出かけるのをやめてしまう、
それほどの重んじっぷり。
あの王洽さんがそこまでする人なのだ!
と、法汰の名もまた
重くなったそうである。
そんな法汰については、言行がひとつ
世説新語に残されている。
「
つまりは同じことを言っておるのだ」
お、おう……?
初,法汰北來未知名,王領軍供養之。每與周旋,行來往名勝許,輒與俱。不得汰,便停車不行。因此名遂重。
初、法汰の北より來たるに未だ名を知られざらば、王領軍は之と供養す。與に周旋し、名勝が許に往きて行來せる每に、輒ち與に俱とす。汰を得ざらば、便ち停車し行かず。此に因りて名は遂に重し。
(賞譽114)
汰法師云:「『六通』、『三明』同歸,正異名耳。」
汰法師は云えらく:「『六通』、『三明』は同じきに歸せど、正に名を異としたるのみ」と。
(文學54)
王洽
晋書には「王導ジュニアの中で最も名が知られていたけど夭折しちゃいました、残念っ!」と書かれている。なお王珣の父であり、王弘の祖父。つまり息子も孫も政府の中枢近くにまでのぼっている。
六通・三明
天眼通(ものすごい視力)
天耳通(ものすごい聴力)
身通(空を飛ぶ)
他心通(読心の術)
宿命通(過去を見通す)
漏尽通(ひとから煩悩を断ち切る)
という六つのブッダパワーが六通。
三明はこれを分類した感じになる。
在心の明(現在におけるすごいアレ)
→天眼、天耳、身、他心、漏尽の総称
過去心の明(過去におけるすごいアレ)
→宿命
未來心の明(未来にまつわるすごいアレ)
→天眼。
天眼が在心と未来心にこそ
関わっているものの、
要は分類の仕方の違いでしかないので
同じもんを別の言葉で言い換えてんですよ、
ということになるらしい。
空飛ぶのか……ブッダ……
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