劉惔1  丘の禱るや久し 

簡文文壇 劉惔りゅうたん 全6編

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劉惔が丹陽尹たんよういんの職務中に病を得、

臨終の床に就いた。


あとはいつ呼吸が止まるのを待つか、

それぐらいの状態の時。


そんなとき、寝室の下で

神をまつる鼓舞が始まった。

言うなれば、快癒祈願の祈りである。


が、劉惔さん。キレた。


「みだりな祈りをなすな!」


いやいや、だって、劉惔さんに

元気になってほしいんですよ。


だから祈らせてください。

牛を供物にして、牛を供物にして!


アホか。

瀕死の劉惔さん、答える。

きゅういのるや久し、だ。

 余計なことはしてくれるな」




劉尹在郡,臨終綿惙,聞閣下祠神鼓舞。正色曰:「莫得淫祀!」外請殺里中牛祭神。真長答曰:「丘之禱久矣,勿復為煩。」


劉尹の郡に在すに、終に臨み綿惙せらるも、閣下に神を祠る鼓舞を聞く。色を正して曰く:「淫祀を得る莫れ!」と。外は里中の牛を殺し神を祭らんと請う。真長は答えて曰く:「丘の禱るや久し、なり。復た煩を為す勿れ」と。


(德行35)




満を持して登場、劉惔さん。

しょっぱなからキャラが

強く出てて素敵である。



丘之禱久

論語述而第七から。重病にかかった孔子に対して、古株の弟子、子路しろが「先生の病気が治るよう神さまに祈らせてください」と言ってきたところ「その手の祈りなら、丘(※孔子の本名は孔丘こうきゅう)もずっとやってきたのだ」と答え、退けたことによる。しかし劉惔さん、自分をことあるごとに孔子に例えたがるな。

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