王衍6  語り、語られる 

閭丘沖ろきゅうちゅうと言う人がいた。

かれは非常に才能のあるひとだったが、

同時期の名士、滿奮まんふん郗隆ちりゅうより

立身が遅れていた。


なので王衍おうえんが語っている。


「閭丘沖は、滿奮、郗隆より優れている。

 無論三人とも優れてはいる、

 しかし、彼が一つ抜けているのだ」



いろいろな人を評価している王衍だから、

いろいろな人から評価もされている。

これまででだいぶ語られてはいるので、

残りのコメントも紹介しよう。



例えば、その外見。

非常に整い、麗らかで、

道という玄妙なる境地を語るのが

非常に似合っていたそうだ。


そして、何晏かあんもかくやという色白。

柄が白い宝石でできた扇子を手にすれば、

たちまち手と柄が同化するほどだった。



また、王衍のこの佇まいについては、

王敦おうとんが語っている。


「あれが大勢の中にいると、

 まるで砂利の中に宝玉が

 紛れ込むかのようだ」




王夷甫云:「閭丘沖,優於滿奮、郝隆。此三人並是高才,沖最先達。」

王夷甫は云えらく:「閭丘沖は滿奮、郝隆より優る。此の三人は並べて是れ才高かれど、沖が最も先達す」と。

(品藻9)


王夷甫容貌整麗,妙於談玄,下捉白玉柄麈尾,與手都無分別。

王夷甫が容貌は整麗にして、玄を談ずるに妙なれば、下に白玉の柄の麈尾を捉うれば、手と都べて分別無し。

(容止8)


王大將軍稱太尉:「處眾人中,似珠玉在瓦石閒。」

王大將軍は太尉を稱うるらく:「眾人の處る中、珠玉の瓦石が閒に在るに似たり」と。

(容止17)




品藻9には「郝隆かくりゅうだと桓温かんおんさまの幕僚になっちまいますやん、世代が違い過ぎ! これたぶん郗鑒ちかんのおじの郗隆ちりゅうですよ!」とツッコミが入っている。なのでそれに従い改めました。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る