王羲之7 蘭亭集序のこと 

王羲之おうぎしと言えば蘭亭集序らんていしゅうじょだ。



蘭亭、と言う場所に集まった

世代も地位もばらばらの、

四十三名の名士たち。


彼らが春真っ盛りの川べりで、

詩を読み合った会。


ここで書かれた詩たちを

世に発表するにあたり、

王羲之が、序文を付けた。


この序文は、内容もさることながら、

書道の最高峰として君臨している。



そんな蘭亭序と同じような

性格の文章が、石崇せきすう金谷詩序きんこくしじょ


西晋最盛期、その中でも特に

名声を博した人々が

集まって行われた詩会だ。


この詩会は一種の

伝説的なものになっており、

「あのようなものを開催してみたい」

と願う人も、結構いたようだ。


なので王羲之の蘭亭集序を

読んだ人々の中に

「これは金谷詩序にも匹敵するぞ!」

とコメントする人がいると聞き、

王羲之はひどく喜んだのだった。




王右軍得人以蘭亭集序方金谷詩序,又以已敵石崇,甚有欣色。


王右軍の蘭亭集の序を以て金谷詩の序と方べ、又た以て已に石崇に敵いたるとせる人を得る。甚だ欣色有り。


(企羡3)




このもう、一切の説明を放棄しやがってる潔さよ……w


さて、後日「名士編」を展開するにあたり、袁宏えんこうが書いた名士伝の人物のほか、この金谷、蘭亭参加人物も拾いたいと思っている。


なので、その人物をここでピックアップしておこう。



金谷会参加人物 賈謐かいつ二十四友+α


 石崇せきすう歐陽建おうようけん潘岳はんがく陸機りくき陸雲りくうん繆征びゅうせい

 杜斌とひん摯虞しぐ諸葛詮しょかつせん王粹おうすい杜育といく鄒捷すうしょう

 左思さし崔基さいき劉瑰りゅうかい和郁わいく周恢しゅうかい牽秀けんしゅう

 陳眕ちんしん郭彰かくしょう許猛きょもう劉訥りゅうとつ劉輿りゅうよ劉琨りゅうこん

 蘇紹そしょう



蘭亭参加人物 四十三名


・二首以上書けた人物

 王羲之、謝安しゃあん謝萬しゃまん孫綽そんしゃく徐豐之じょほうし

 孫統そんとう王彬之おうりんし王凝之おうぎょうし王肅之おうしゅくし王徽之おうきし

 袁嶠之えんきょうし


・一首のみ書けた人物

 郄曇ちどん王豐之おうほうし華茂かも庾友ゆゆう虞説ぐせつ魏滂ぎぼう

 謝繹しゃしゃく庾藴ゆうん曹茂之そうもし曹華そうか柏偉はくい

 王元之おうげんし王藴おううん王渙之おうかんし孫嗣そんし


・一首も書けずに酒飲まされた人たち

 謝瑰しゃかい卞迪べんちゅう丘旄きゅうし王獻之おうけんし楊模ようも孔熾こうし

 劉密りゅうみつ虞谷ぐや勞夷ろうい后綿こうめん華耆かき任凝じんぎょう

 謝藤しゃとう呂系りょけい呂本りょほん曹諲そういん

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る