王恭11 清談の達人   

王恭おうきょうと言えば清談においても、明瞭簡潔な

論旨によって相手を破ってきた。


とは言えそれほど読書量がないため、

用いる言葉には限りがあった。


それでいてなお論客は

王恭の前に破れるのだ。


ある人がこうコメントしている。


「同じ言葉を用いていても、

 そこには常に新しい含意がある。

 なのでそれほど

 重複を煩わしいとは思えない」




王恭有清辭簡旨,能敘說,而讀書少,頗有重出。有人道孝伯常有新意,不覺為煩。


王恭が清辭に簡旨有り、敘說を能くせど、書を讀みたる少なかれば、頗る重出せる有り。有る人は孝伯を道えらく「常に新意有り、煩しきを為したるを覺えず」と。


(賞譽155)




王導おうどうさまみたいな話である。既存の概念をいかに組み合わせて、論を組み立てるか、てきな。まぁどんなに典拠が多彩であっても、論旨そのものが雑魚だったら意味ないですわね。

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