謝玄5  文度ちゃんと謝玄

謝玄しゃげん王坦之おうたんしと初めて会った時のことを

こうコメントしている。


「それとなく出会ったのだが、

 いざ話してみると、その心地良さに

 つい夜更けまで話してしまったよ」 



また、ちまたには

王坦之を謝玄と比較する人がいた。


それを聞いた謝玄、

こうコメントしている。


「俺とかれと、での違いは分からん。

 ともあれかれは、物事を

 こつこつと成し遂げる人だよ」




謝車騎初見王文度曰:「見文度雖蕭灑相遇,其復愔愔竟夕。」

謝車騎は初に王文度に見えて曰く:「文度に見ゆるに蕭灑たるを相い遇せると雖も、其れ復た愔愔として夕を竟う」と。

(賞譽149)


有人以王中郎比車騎,車騎聞之曰:「伊窟窟成就。」

人の以て王中郎を車騎と比ぶる有らば、車騎は之を聞いて曰く:「伊れは窟窟として就きて成さん」と。

(品藻72)




王坦之は謝安と共に桓温の野望を食い止めた人。その時の振る舞いがもとで謝安の風下につけられた、ということにはなっているものの、「それまではほぼ対等として扱われていた」ことがとても重要でありましょう。


謝玄とは桓温の幕僚であった時代に同僚という間柄です。幕僚というか、先輩後輩? やや浮つきのある謝玄と比較すれば、とにもかくにも着実堅実、という感じだったんでしょうね。なおその息子が王国宝。オチのつき方がマジでしんどい。

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