謝玄4  なおry    

韓伯かんはくと言う人と謝玄しゃげんには

あまり親交がなかった。


謝玄が苻堅ふけん迎撃のため軍を動かそう、

としていた頃、人々は謝玄の軍才に

不安を覚えていた。


そこに韓伯、こんなコメントをする。


「彼は名誉大好きですからね。

 これに勝ったらとんでもない名誉です。

 なら、彼はやりますよ」


このコメントを陣中で聞いた謝玄、

大激怒。

怒り狂いながら、叫んでいる。


「多数の兵を引き連れ、

 死地に飛び込まんとするのも、

 すべて帝や父祖のため!


 それを名誉のためなどとは

 二度と言わせんぞ!」


なおry




韓康伯與謝玄亦無深好。玄北征後,巷議疑其不振。康伯曰:「此人好名,必能戰。」玄聞之甚忿,常於眾中厲色曰:「丈夫提千兵,入死地,以事君親故發,不得復云為名。」


韓康伯と謝玄には亦た深き好み無し。玄の北に征せるの後、巷の議にては其の振るわざるを疑う。康伯は曰く:「此の人は名を好みたり、必ずや能く戰せん」と。玄は之を聞いて甚だ忿り、常に眾中にて色を厲にして曰く:「丈夫の千なる兵を提げ、死地に入れるに、以て君親に事うるが故に發す、復た名が為と云わせ得ず」と。


(識鑒23)




すっげえな、

このオチの投げっぱなしっぷり……

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