庾亮31 川犬チョロい  

ファーストコンタクトで見事陶侃とうかんさんの

ハートを射抜いた庾亮ゆりょうさま。

では会食と参りましょう。


この場にも、多分温嶠おんきょうさんの

入れ知恵が入ってる。


「川犬ケチですからね。

 上手いタイミング見計らって、

 ケチっぽいことしてください。

 あの川犬、更に参りますよ」


という事で庾亮さま、

ニラをいただいていた。

ふと箸が止まる。

根っこの部分、白い箇所。

思い立ち、脇によけた。


「?

 庾亮ドノ、ソレヲドウスルダ?」


「植えれば、また葉が

 生えてくるであろう?」


ズッギュウウゥウウウン!

陶侃さん、見事に射抜かれた。


タ、タダノ青瓢箪ジャネエドコノ男、

統治モワカッテオル。


……ちょろい。




蘇峻之亂,庾太尉南奔見陶公。陶公雅相賞重。陶性儉吝,及食,噉薤,庾因留白。陶問:「用此何為?」庾云:「故可種。」於是大歎庾非唯風流,兼有治實。


蘇峻の亂にて、庾太尉は南に奔り陶公に見ゆ。陶公は雅して相い賞重す。陶が性は儉吝にして、食に及び、薤を噉い、庾は因りて白きを留む。陶は問うらく:「此れを用いるに何をか為さんや?」と。庾は云えらく:「故より種うるべし」と。是に於いて庾の唯だ風流にのみ非ず、治實を兼ねて有せるを大いに歎ず。


(儉嗇8)




注とかでは「調理済みのニラ植えて改めてニラが生えてくるわけねえだろバーカ」とかツッコミが入ってる。oh...


ちなみに陶侃さんのけちっぷりは相当なものだったようで、世説新語にもエピソードが載っていたりします。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る