庾亮10 荀林父に愧ず
蘇峻の狙いは皇帝ではない。
彼らをぎゅうぎゅうに締め上げてきた、
庾亮さま、慌てて逃亡の算段を取る。
建康のことについては、
庾亮さんの頼み方、
もはや泣き落とし、に近い。
鍾雅さん、しらけ切ってる。
「はぁ、そうですか。それにしても、
この
倒れかねぬ事態に至ったのは、
一体だれの責任なのでしょうね?」
お前だよお前、
なんでお前が逃げんだよ、
と言う鍾雅さんの声が
聞こえてきそうである。
一方で、庾亮も返事する。
「この事態の原因なぞ、今さら
論じたところで仕方があるまい。
これ以上は言ってくれるな!
卿はこの建康にて、
この事態が収束するのを
待っていてさえくれればよいのだ!」
ほほう……?
言ってくれやがりますね、元凶さん。
だので鍾雅さん、
思いっきり皮肉をぶつける。
「いや全く、あなた様は
ございませんのでしょうな」
荀林父。
侯命を受けて赴いた戦いに敗れ、
敗績の咎を自死にて贖おうとした。
晋侯も一度はこの申し出を
受け容れようとしたが、
別の臣下からの諌止もあり、
思いとどまった。
後日別の戦いで荀林父は
見事大勝。晋侯は荀林父と、
諌止してきた臣下に
多大な褒賞を与えた、という。
なるほど、これで庾亮さんが勝てば
荀林父のごとき失地挽回である。
荀林父は死のうとしたわけだが。
荀林父は死のうとしたわけだが。
なお鍾雅さんはこの後、
蘇峻の手の者によって、
泣き叫ぶ
斬り殺されることになる。
庾公臨去,顧語鍾後事,深以相委。鍾曰:「棟折榱崩,誰之責邪?」庾曰:「今日之事,不容復言,卿當期克復之效耳!」鍾曰:「想足下不愧荀林父耳。」
庾公の去れるに臨み、顧みて鍾に後事を語り、深く以て相い委ぬ。鍾は曰く:「棟は折れ榱は崩る、誰をか責めたらんや?」と。庾は曰く:「今日の事、言を復せるを容れじ、卿は當に克復の效を期したるべきのみ!」と。鍾は曰く:「想うらく、足下は荀林父に愧じざるのみ」と。
(方正35)
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最悪にムナクソwwwwwwww
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