謝安16 冗談から名士伝 

袁宏えんこう、「名士伝」を書いた。

魏晋時代の名士のことを著した書だ。


第一期「正始せいし名士」には

夏侯玄かこうげん何晏かあん王弼おうひつ


第二期「竹林名士」には

阮籍げんせき嵆康けいこう山涛さんとう尚秀しょうしゅう

劉伶りゅうれい阮咸げんかん王戎おうじゅう


第三期「中朝名士」には

裴楷はいかい楽広がくこう王衍おうえん庾敳ゆがい

王応おうおう阮瞻げんせん衛玠えいかい謝鯤しゃこん


をリストアップし、語っている。



さて、この本には元ネタがあった。

元々袁宏、謝安さまのお話を

まとめあげたのだ。


そこで謝安さまに見てもらいたいと思い、

本を持って謝安さまの元を訪問した。


本を見た謝安さま、楽しそうに笑う。


「確かに以前、この国が

 まだ中原にあった頃のことは語った。


 が、あれはほんの

 ジョークのようなものだったのだが。


 まさか袁宏君が、

 こうして本にしてくれるとはな!」




袁伯彥作名士傳成,見謝公。公笑曰:「我嘗與諸人道江北事,特作狡獪耳!彥伯遂以箸書。」


袁伯彥が作す名士傳の成れるに、謝公に見ゆ。公は笑いて曰く:「我れ、嘗て諸人と江北の事を道えど、特に狡獪を作せるのみ! 彥伯は遂に以て書を箸したるか」と。


(文學94)




正始名士、竹林名士、中朝名士。


ここに兗州八伯の

 阮放げんほう郗鑒ちかん胡毋輔之こむほし卞壼べんこ

 蔡謨さいも阮孚げんふ劉綏りゅうすい羊曼ようまん


撫軍八哲(品藻36より)+2

 劉惔りゅうたん王濛おうもう桓温かんおん謝尚しゃしょう

 阮裕げんゆう袁喬えんきょう殷融いんゆう孫綽そんしゃく

 +支遁しとん許詢きょじゅん


桓温幕佐(文学80箋疏より)

 習鑿齒しゅうさくし・袁宏・謝安・王坦之おうたんし

 孫盛そんせい孟嘉もうか王珣おうしゅん羅友らゆう

 郗超ちちょう伏滔ふくとう謝奕しゃえき顧愷之こがいし

 王徽之おうきし謝玄しゃげん羅含らごん范汪はんおう

 郝隆かくりゅう車胤しゃいん韓康かんこう


を加えたやつを「崔浩先生の五胡十六国講座」登場人物編の次にやっていきます。で、名士が終わったら名族。それ以外編に突入、と言う感じで行きます。まだまだエピソードは豊富だぜ!

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