桓温54 魚
つまり
異民族征討責任者に任ぜられたとき、
任用されていた。
三月三日の会。
一年の不祥を清流で注ぎ落し、
その年の活躍を祈念する会である。
ここで、桓温さまは命じる。
「詩を詠め。
できなかったヤツは罰ゲームな。
酒1リットルの刑」
見事に詠み損じた郝隆、
1リットルを飲まされたら、
即座に筆を執った。
「
?
桓温さま、きょとんとして問う。
「ペイ……なに?」
郝隆が憮然と答える。
「
おいおい、桓温さまがツッコむ。
「詩を詠め、っつってんだよ。
そしたら郝隆、こう返した。
「はるばる
連れ出されたと思えば、
そこでの役職が蛮族の相手。
しかもこうして野蛮な遊びに
付き合わされる。
こんなん、詩にだって
取り入れでもしなきゃ
やってらんねっすよ」
郝隆為桓公南蠻參軍。三月三日會、作詩不能者罰酒三升。隆初以不能、受罰。既飲、攬筆便作一句云:「娵隅躍清池。」桓問:「娵隅是何物?」答曰:「蠻名魚為娵隅。」桓公曰:「作詩何以作蠻語?」隆曰:「千里投公、始得蠻府參軍。那得不作蠻語也?」
郝隆は桓公の南蠻參軍と為る。三月三日の會、詩を作す能わざる者は酒三升を罰とす。隆は初め能わざるを以て罰を受く。既に飲みたれば、筆を攬りて便ち一句を作して云えらく「娵隅は清池に躍る」と。桓は問うらく「娵隅は是れ何ぞの物か?」と。答えて曰く「蠻は魚の名を娵隅と為す」と。桓公は曰く「詩を作すに何をか以て蠻語にて作さるや?」と。隆は曰く「千里を公に投じ、始めて蠻府の參軍を得たり。那んぞ蠻語にて作さざるを得んや?」と。
(排調35)
目加田センセーのご本では
罰ゲームが「酒三斗」となっていた。
おま、一斗=十升ですよ……
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