桓温55 文人の喧嘩イミフ
当時を代表する文人の一角である。
共にその存在は意識していたが、
直接の面識はこれまでなかった。
遂に竜虎相見える時が来た!
「さあ孫綽、習鑿齒殿と語るがいい」
水を向ければ、
二人の間にはたちまち火花。
口火を切るのは孫綽である。
「
敢えて大邦に
荊州出身の野蛮な習鑿齒さん、
くれぐれも晋に
歯向かわないでくださいね?
ということだ。
もちろん習鑿齒だって負けちゃいない。
「
同じく詩経小雅・六月より。
孫綽は太原出身。
この辺りは
勢力が強い箇所でもある。
どうせやるならアンタぶっ倒して、
太原を獲ってやりますよ、
と言い返したのだ。
……うん、なんつーか☆
習鑿齒孫興公未相識。同在桓公坐。桓語孫:「可與習參軍共語。」孫云:「蠢爾蠻荊敢與大邦為讐。」習云:「薄伐獫狁至于太原。」
習鑿齒と孫興公とは未だ相い識らず。桓公の坐に在せるを同じうす。桓は孫に語るらく「習參軍と共に語るべし」と。孫は云えらく「蠢爾たる蠻荊、敢えて大邦と讐を為さんか?」と。習は云えらく「薄か獫狁を伐ち、太原に至らん」と。
(排調41)
習鑿齒
『
なおこの二人については、簡文27でも書いている。きっとちょくちょくこの手の言い合いしてたんだろう。そしてその応酬は、言ってみれば当時の流行り文句っぽくなったんだろうなぁ。
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