桓温33 そういうとこだぞ
優劣を問う人がいた。
うーんそうね、桓温さま、
語ろうとしたが、相手の顔を見て、
ふと思いとどまる。
言い出したことすら
後悔するような、そんな表情である。
「いや、お前に言ったら
速攻言いふらすよな。
無理無理。お前にゃ語れんわ」
有人問謝安石、王坦之優劣於桓公。桓公停欲言中、悔曰:「卿喜傳人語。不能復語卿。」
桓公に謝安石と王坦之との優劣を問う人有り。桓公は言わんと欲するも停まり、中にして悔いて曰く「卿は喜びて人の語を傳う。復た卿に語れるは能わじ」と。
(品藻52)
お前さんの名前が残ってないの、そういうとこだぞ。
謝安と王坦之ってなにかって言うと、桓温さまの簒奪謀議を防いだ二人なんですよね。つまり後世には桓温の政敵として伝わっています。そう言うところから引っ張ると、このエピソードは重層的になってきます。例えば下手にその辺りを話してしまえば、どっちをより警戒しているか、とかね。あるいはこのエピソードの時期を意識的にズラして、「まだ仲が良かった頃の二人についての評」にするとかね。色々いじりがいがあってよいのです。
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